大麻「使用」も禁止に…改正法が施行、医療分野では認可も “法の抜け穴”存在ナゼ 「ゲートウエードラッグ」でもカジュアル化？

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大麻に関する改正法が12日に施行され、「所持」と「栽培」に加えて「使用」も禁止されました。背景には若い世代への大麻の広がりがありますが、これまではなぜ使用が禁じられていなかったのでしょうか。一方で、大麻から製造された医薬品は解禁されました。

■検挙者のうち20代以下は72.9％

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藤井貴彦キャスター

「これまでは所持と栽培が禁止されていた大麻について、12日から使用に関しても禁止となりました。この改正は規制強化だけではなく、今後の医療にも関わってくるということです」

小栗泉・日本テレビ解説委員長

「大麻に関する改正法が12日から施行され、使用も新たに罪に問われることになった点ですが、背景にあるのは若い世代への大麻の広がりです。厚生労働省によると、去年大麻で検挙されたのは過去最多の6703人。このうち20代以下が72.9％と多くなっています」

「ほかの違法薬物は所持と使用が両方とも禁止される中、大麻だけはこれまで使用に関する規制がされていなかったため、ハードルが低くなっているという指摘もありました」

「実際、海外では大麻が合法化されているところもあると広く知られているほか、日本でも大麻成分に似せた化合物が含まれた大麻クッキーや大麻グミなどが出回っていて、身近に感じてしまっている人もいるのかもしれません」

■尿などの鑑定で立件のケースも

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藤井キャスター

「なぜ大麻を使用することが禁止されていなかったのでしょうか？」

小栗委員長

「厚生労働省によると、大麻取締法の制定当初、神社のしめ縄などに使われる産業用の大麻を栽培する農家の人たちが、成分を仕方なく摂取してしまう可能性を考慮したとされています」

「ただ、元埼玉県警科捜研で法科学研究センター所長の雨宮正欣さんによると、現在の産業用大麻は品種改良され、有害な成分はほとんど入っていないので、使用が禁止されていなかったのは“法の抜け穴”でしかなかったと指摘しています」

「これまでは取り締まりの際、大麻そのものが見つからないと立件が難しいということもありましたが、今回使用も罪に問えるようになったことで、尿などを鑑定して立件できるケースも出てくるとみられます」

「今回、大麻を明確に麻薬として位置づけ、使用罪は懲役7年以下としました。また所持罪も懲役5年以下から懲役7年以下へと厳罰化されました」

■「てんかん治療薬」解禁求める声

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藤井キャスター

「一方で、医療に関わる大麻の扱いも12日から変わるのですね？」

小栗委員長

「そうです。大麻から製造された医薬品について、有効性や安全性が確認されれば、国内でも使用が認められるようになりました。欧米など一部の国では、既に大麻から作られたてんかんの治療薬が承認されていて、日本でも解禁を求める声が上がっていました」

■乱用防止と適切な利用のための法改正

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藤井キャスター

「あくまで医療に関しての分野だけなのですよね？」

小栗委員長

「そうです。雨宮さんによると、大麻はむやみに使用すると無気力状態になるなど影響があるほか、長期間にわたって使用すると統合失調症やうつ病などを発症することもあるといいます。また『ゲートウエードラッグ』、つまり薬物依存の入り口ともなります」

「そのため今回の法改正は、乱用防止と適切な利用のためと言えそうです」

野口啓代（スポーツクライミング五輪銅・『news zero』木曜パートナー）

「今までが曖昧な法律だったと思います。所持と栽培は違法だったのに使用が違法ではなかったことに違和感を抱きました。SNSなどの影響で、大麻に関する若者の認識がフランクになっているのではないかなと感じます」

「大麻の入手につながるようなSNS上の情報なども、何らかの措置を取った方がいいのではないのかなと思います」

（12月12日『news zero』より）

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