「糸作りから全て人の手によって」舞踊の衣装でもある芭蕉布を学ぶ 沖縄芸能協が研修ツアー 芭蕉布展、12月1日まで
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月30日 14時55分
[芭蕉布展 10月1日~12月1日]
沖縄芸能協会(比嘉康春会長)は23日、2024年度の研修ツアーとして、那覇市の県立博物館・美術館で開催中の特別展「芭蕉布展」を鑑賞した。琉球古典音楽・舞踊の実演家など約40人が参加。雑踊り「むんじゅる」や創作舞踊の衣装でもある芭蕉布について、研究者の講話や学芸員による作品解説などを通して理解を深めた。
芭蕉布は約400年前から受け継がれる染織。琉球王朝の王族から庶民まで着ていた他、中国や日本に献上・進上品として贈られていた。戦後、後に人間国宝となる故平良敏子さんが尽力し、大宜味村喜如嘉で布作りが復興。今年は国の重要無形文化財に指定されてから、50年の節目となる。
染織研究者の與那嶺一子さんが講話し、戦前「民芸運動の父」と呼ばれた柳宗悦が著作に記した「今どきこんな美しい布はめったにないのです」との言葉を紹介。当時はすでに機械化が進む中、「糸作りから全て人の手によって行われるかつてのもの作りに、心打たれたと思う」と推察した。
展示場では学芸員の大城沙織さんによる作品解説を聞きながら芭蕉布を鑑賞。「琉球の女性たちは当たり前のように織っていた」「沖縄の自然の恵みを受けた芸術品」などの説明に、興味深くうなずいていた。
比嘉会長は「芭蕉布は舞踊の衣装として使っているが、その歴史と製造過程を学んだことで着る人の気持ちも変わると思う。伝統の染織を長年受け継いできた平良先生と、喜如嘉の関係者の方々に深い敬意を表する」と話した。
国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者の山田多津子さんは「舞踊で何げなく着ているが詳細は知らず、歴史、製造過程とこんなに深いものなのかと驚いた。苦労して沖縄の文化を残してくれた平良先生には感謝しかない」と語った。
県立博物館・美術館で特別展、あすまで
県立博物館・美術館で開かれている「芭蕉布展」(主催・同館、共催・大宜味村、喜如嘉の芭蕉布保存会、特別協力・沖縄タイムス社)は12月1日まで。観覧料は一般1200円、高校・大学800円、小・中学300円。問い合わせは同館、電話098(941)8200。
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