ν[NEU]とwyse、世代を超えたコラボレートライヴを実施

OKMusic / 2014年5月1日 15時0分

4月26日@TSUTAYA O-WEST 【wyse×ν[NEU]】 (c)PHOTO: 藤原 悠里(okmusic UP's)

ヴィジュアル系というシーンが誕生し、間もなく四半世紀の歳月が経とうとしている。“ヴィジュアルシーン黎明期”を担ったX JAPANやLUNA SEAが今でも第一線で活動を続ければ、彼らの後に続いた黒夢も復活。同世代のL'Arc-en-Cielは、ジャンルの枠を超え、世界中の音楽ファンから支持される存在にまで成長してきた。

【その他の画像】ν[NEU]

その後、このシーンを活性化し続けてきたLa'cryma ChristiやPIERROT、SIAM SHADEなどが限定的ながらも復活を遂げ、原体験をしていない若い世代たちを含め、今のヴィジュアルシーン全体を活性化してゆくための刺激を注入。すでにヴィジュアル系という枠を逸脱し、ラウド界で活動するDir en grayや、現在のシーンのトップを走るthe GazettEなど、海外にも活動の拠点を築いているバンドも着実に増えている。

誕生当初は、日本の音楽シーンから迫害、虐げられていたヴィジュアル系というジャンルは、結果、世の中の動きとは一線を画すことで、他にないオリジナリティを持ったスタイルを確立。それが現在の、日本が世界に誇る音楽文化になっていることは、みなさんもご存じだろう。余談として語るなら、今でもヴィジュアル系は、日本の音楽シーンからは痛い目で観られている。でも、それでいいんだと思う。マイノリティーがマジョリティーになる力というのは、そういうところから発揮されるものであるのだから。

99年に産声をあげたwyseもまた、2001年にメジャーデビュー。00年代前半時期のヴィジュアルシーンを第一線で活性化し続けてきたバンドである。wyseは、05年に解散。2011年より再始動を行い、現在も精力的に活動している。

ν[NEU]は、まさに今のヴィジュアル系の第一線を牽引している若手注目株のバンド。同バンドのベースであるヒィロは、wyseのベーシストであるTAKUMAに多大な影響を受けてきた。

4月26日(土)にTSUTAYA O-WESTを舞台に、『wyse × ν[NEU]「2MAN」~60min×2~』と題されたイベントが開催になった。片やwyseは、ヴィジュアル系というシーンの中へ強烈な爪痕を残しつつ、今も刺激を与え続けている存在。方やν[NEU]は、今のヴィジュアル系好きな人たちに、これからのヴィジュアルシーンの未来像を指し示しているバンド。いわゆる「世代を超えたバンドどうしが刺激しあうことで、新しいムーブメントを芽吹かせよう」というのが、今回のイベントの趣旨になっていた。

イベントは、wyseとν[NEU]2バンドのメンバーが舞台上へ全員集合し、スタート。通常の2マンイベントでは、最後に1曲セッションでお茶を濁すのが定番。でもこの日は、“出演順をじゃんけんで決める”ところからスタート。満員の観客たちを前に、両バンドのヴォーカルが公開じゃんけんを行い、wyse/ν[NEU]の順でイベントを始めることが決定。しかも、いきなりセッション演奏からのスタートというのも嬉しいサプライズ。

wyseのドラムは現在、Toshi Nagaiがサポートを担当。その流れもあり、選んだ楽曲がGLAYの「彼女の"Modern..."」。冒頭では、wyseのメンバーが演奏の中心となって実施。さらに、2バンドの演奏が終わった最後にもセッションを行ったのだが。そちらでは、ν[NEU]の演奏を軸に、同じくGLAYの『SOUL LOVE』を、観客たちも交じえ和気あいあいとセッション。

これだけなら、まだ通常の2マンイベントの豪華版という印象だが。今回のイベントでは、それぞれのバンドが相手の楽曲を、相手バンドのメンバーを交えてのカバーセッションも実施。

先に登場したwyseが、ヴォーカルのみつとギターのタクミを呼び入れ、ν[NEU]の『starting over』をセッション。さらに、ν[NEU]のベースのヒィロのリクエストという形のもと、ヒィロをベースに。wyseのベースのTAKUMAがアコギを弾きながら『float』を演奏。この『float』は、wyseがインディーズ時代に出したデモテープに収録していた音源。そのマニアックぶりに、いかにヒィロがwyse好きだったのかが見えてきた。ヒィロ自身、この瞬間が夢のような気持ちのもと、すごく嬉しそうに演奏していたのも印象的だった。

ν[NEU]のライヴには、ヴォーカルの月森とギターのMORIを誘い出し、wyseの「無色の雪」をセッション。さらにν[NEU]のナンバー「妄想接吻」では、ギターの華遊が唇を真っ赤な口紅で塗りたくり、引きずり出されたwyseの月森の頬に接吻。興奮した月森は、そのまま華遊を舞台上へ押し倒しDEEP KISSを行うというハプニングも登場していた。

もちろん、それぞれの演奏でも、2バンドは場内に熱狂を作りあげていた。wyseのステージでは、腹の奥底にズンズン音の響くワイルドな演奏が炸裂した、ハード&ロックンロールナンバーの「Plastic Monkey」や、復活後に制作した歌謡メロも印象深い「Vision」。さらには、1stアルバムに収録していた「3 years later,i」など、15年に及ぶバンドの歴史を一時間のライヴの中へ集約させ、場内に熱狂を作りあげていた。

ν[NEU]も、大サビでは歌の掛け合いも登場。 ロマンチックでハートフルな「The 25th Century Love」や思いきり夢の世界へ誘ってゆくハートフルでメロディアスな「D's Wonderland」など、暖かな世界観を持った楽曲を前半で披露。後半では、激しいギター・サウンド響き渡った「Another Blue」やシンフォニックハードな「LAB」、華激なデジタルビートにノセ、観客たちを恍惚の世界へ導いた高揚デジロック・ナンバーの「New World」など、熱狂描くに相応しい攻めの表情を持った楽曲を次々投下。同じく、会場を熱を持った空間に染め上げていた。

予定調和に陥ることなく。「この2バンドが一緒に演る意味」「世代を超え、音楽で想いを共有していくことの楽しさ」をセッション/コラボレート演奏を通して示してくれたν[NEU]とwyse。こういう、セッション・スタイルでの2マンなら、もっともっと味わいたい。そう思わせてくれたイベントだった。

PHOTO: 藤原 悠里/TEXT:長澤智典

■【セットリスト】

■セッション
「彼女の"Modern..."」(GLAY)

■wyse
「Plastic Monkey」
「Vision」
「Countless trigger」
「3 years later,I」
「float」
「starting over」(ν[NEU])
「Air」
「終わらない夜のマーメイド」
「To Shy」
「Miss txxx」
「I believe」

■ν[NEU]
「カレイドスコープ」
「The 25th Century Love」
「D's Wonderland」
「無色の雪」(wyse)
「YES≒NO」
「スプラッシュ!」
「妄想接吻」
「Another Blue」
「Key of Life」
「LAB」
「New World」
「everlasting light」

■セッション
「SOUL LOVE」(GLAY)

■【TAKUMA(wyse)×ヒィロ(ν[NEU])ミニ対談】

――ヒィロさん、もともとwyseの大ファンだったそうですね。

ヒィロ:中学生高校生の頃にメチャクチャ大好きで、リアルにファンでした。僕が初めて新宿の自主盤倶楽部まで買いに行った音源が、wyseさんの「LIME」の2ndプレスのデモテープ。それくらい大好きなバンドです。

TAKUMA:今回、紹介を受けてν[NEU]と一緒に演ることになったんだけど。メンバーにwyseの大ファンがいることは事前に聞いてたので、僕らも嬉しくて。年齢も、世代も違いますけど。ロックという想いで互いに繋がっていますし。セッションも含め、初めてのコラボレートでしたけど、刺激になりました。

ヒィロ:ホントに僕らも嬉しいです。僕が初めて買ったデモテープの中に入ってて。しかも僕がwyseさんの中で一番好きな『float』をセッションしたんですよ。僕がtwitter上で、曲に対する想いや思い出を書いたら、wyseのメンバーさんたちが、僕にその曲を弾かせてくれたんです。

TAKUMA:ホント、いい感じだったよ。僕は、側でアコギを弾いてたんですけど。聞いてて、すごく楽しかった。

――若手のバンドと一緒に演るって、どうでした?

TAKUMA:僕らも解散し、多少間が空いての再始動だったから、勢いのある若手と一緒に演ることが出来たのはすごく嬉しかったし。ぜんぜん違う個性がぶつかりあって。それがミックスされたのが、すごく楽しかった。ファンの人たちも思いきり楽しんでれば、お互いのバンドを初めて観た人たちも多かったようで、とても刺激的なライブでした。

ヒィロ:またぜひ一緒に何か……そんなこと、僕から言える立場では…でも、一緒に演りたいんです。

TAKUMA:こちらこそ、また一緒に何かやらかしましょうよ!!

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