“刀剣ブーム”の裏で深刻な刀匠の後継者不足 「二次元」とのコラボで活路

ORICON NEWS / 2017年8月13日 8時40分

「イラストレーター」の夢路キリコ氏がデザインし、刀剣部分を「刀匠」二十六代藤原兼房氏が製作したファンタジー刀剣。写真提供:全日本刀匠会事業部

 11日より開催された「コミックマーケット92」。すでに熱狂の坩堝と化している同イベントだが、ここ数年のコミケでは、二次元キャラになりきるコスプレイヤーたちの間で、刀剣を携えたキャラが人気だ。そうした“刀剣女子”と呼ばれるファンは、キャラへの愛情はもちろんのこと、刀剣に対する並々ならぬ知識を持っている。

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 正宗、虎徹、菊一文字、陸奥守吉行、これらが刀剣の名称だと知っている人は多いだろう。では、へし切長谷部、鶴丸国永、鳴狐、歌仙兼定はどうか。この刀剣の読みや逸話をそらんじられる人は、かなりの歴史通か、『刀剣乱舞』のファンではないだろうか。

 2015年にスタートしたPCブラウザゲーム『刀剣乱舞』は、日本の歴史に登場する刀剣を擬人化させた“刀剣男子”たちが活躍。その人気は今なお衰えを知らず、アニメ化や舞台化が繰り返され、刀剣が展示されている美術館にファンが押し寄せる、そんな状況が続いている。

 室町時代より続く刀匠で、靖国神社や熱田神宮などに刀を奉納している“二十六代藤原兼房”氏も、昨今の刀剣ブームを実感しているひとり。「月に一度、関鍛冶伝承館で行われている公開錬があるのですが、以前と比べて見に来られる女性の方が増えました。女性ひとりで見学に来られる方もいるほどです」(藤原氏)

■刀匠の卵たちが臨む、5年に渡る過酷な修行期間
 
 しかし、華やかな一面がクローズアップされる『刀剣ブーム』の裏側で、“深刻な問題”がある、と語るのは『一般社団法人全日本刀匠会事業部』理事の坪内氏。
 「問題となっているのは刀匠の減少です。平成元年に刀匠会に登録していたのはおよそ300人でしたが、今では188人に。しかも超高齢化が進んでいます」と現状を吐露。では、文化の担い手となる若手の育成はというと、そこは“刀匠”という伝統文化ゆえの障壁があると言う。
 「刀匠になるには、刀鍛冶のもとで5年以上の修行が必要となり、しかも完全な無給。なので、一度社会に出てお金を貯めるなり、家族のサポートがないと修行を続けるのは難しい」と坪内氏。また、刀匠は国家資格であり、年に1回、8日間かけて行われる試験に合格する必要がある。さらに、それらを突破した後も独立開業して仕事場をもたなければならず、職場を準備するだけでも1千万円以上はかかるとも。「昨今、刀剣ブームで刀匠への入門希望者も増えています。しかし、修行を続けられる人は非常に少ない」と坪内氏。
 
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