アイドル・notall、“CDゼロ円”を支えるSNS時代のファンたち

ORICON NEWS / 2017年8月13日 11時30分

notallリーダーの佐藤遥 (C)ORICON NewS inc.

 4人組女性アイドルグループ・notall(ノタル)が1日、「CD売るの辞めました。」というセンセーショナルなタイトルのシングルCDをリリースした。その名のとおり価格は“0円”。入手方法はライブイベント、協力店での無料配布や、着払いでの配送がメインとなる。あの手この手でCDの複数買いを促す施策が一般的な今のアイドルシーンにおいて、収益の柱を切り捨てる一見無謀な挑戦だ。その真意に関心を抱き、ORICON NEWSはnotallのリーダー・佐藤遥だけでなく所属事務所社長、制作(A&R)に直接話を聞いた。CD産業が先細りを続けるなか、自分たちだけの売り方を探し求めるメンバー・事務所スタッフの強い決意と、それを支えるファンとの興味深い関係性を探る。

【写真】「CD売るの辞めました。」をリリースしたnotall

■現場で痛感、CD複数買いの限界

 2014年6月にデビューし現在4年目のnotallは、他のアーティストと同様、これまで有料でCDをリリースしてきた。オリコンのデイリーシングルランキングでもたびたびTOP10入り、日本各地でのワンマンや海外公演も成功させるなどアイドルとして順調に成長してきただけに、今回の決断には重みが増す。

 なぜ“0円”なのか。この大胆なかじ取りに所属事務所の頃末敬社長は「以前からずっと温めていた案だった」と、付け焼き刃の施策ではないことを強調した。日本ならではのCD文化にnotallも育てられたと敬意を表しつつも、一方で「今後も(CDの収益に頼るモデルで)同じように戦っていくべきかというのは、うちだけじゃなくどこも同じ課題を抱えている」と決断の背景を明かす。

 制作の細谷準平氏も、握手・撮影会など、ファンの複数枚買いを前提にしたこれまでのイベントで「もっと自然なかたちでCDを手にしてほしい」と痛感したという。「広がりという意味では、そういったイベントはやはり閉鎖的な空間なんですよね。その場では枚数がはけて盛り上がっているようにみえても、一歩外に出ると実際そこまで世間に広がっていない、知られていないという現実があって。それで、そもそも何のためにCDをリリースするんだっけ?って考えに回帰したんです」。

 続けて「(CDは)自分たちのやってる音楽を広める手段の一つであるべきなのに、いつしかランキング上位を狙うこと自体が目的化してしまった」とも。配信やストリーミングが聴き方の主流になりつつある現在、CDの役割を、音楽を広める“無料のメディア”と位置づけることで新たなリスナーの獲得につなげたい考えだ。

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