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黒沢清監督、ベネチアで「菅田将暉は圧倒的ナンバーワンの俳優」と世界へアピール

ORICON NEWS / 2024年8月31日 17時47分

「第81回ベネチア国際映画祭」で行われた映画『Cloud クラウド』のワールドプレミア上映に立ち会った黒沢清監督 (C)Kazuko Wakayama

 イタリア現地時間30日、ベネチア・リド島で開催中の「第81回ベネチア国際映画祭」で菅田将暉が主演する映画『Cloud クラウド』のワールドプレミア上映(アウト・オブ・コンペ部門)が行われ、黒沢清監督(69)が出席した。

【画像】映画『Cloud クラウド』あぶり出す“恐怖”の場面写真

 現地時間午後11時45分からのミッドナイト上映にもかかわらず、メイン会場であるSALA GRANDEの1032席は満席となった。上映終了後には、スタンディングオベーションが湧きおこり、鳴りやまない熱い拍手喝采に、黒沢監督は照れた表情を見せながらも安堵したような笑顔で応えていた。

 上映に先駆けて行われた記者会見直前に、「第97回アカデミー賞」国際長編映画賞の日本代表作品に選ばれたことが発表された本作。そのニュースはすでにイタリアにも届いており、司会者からお祝いの言葉を贈られた黒沢監督は、「本当に純粋な娯楽映画を作ろうというところからスタートした作品です。まさか今回のベネチア国際映画祭への出品も含め大きな名誉みたいなものと縁があるとは思っていなかったので、もう大変驚いています」と返した。



 続けて、「僕の大きな楽しみは、この作品がアカデミー賞にノミネートされるようなことがもしあれば、主演の菅田将暉さんが、 アメリカで大いに知られることになるだろうと想像すると、とてもそれはうれしいことです」と、今回タッグを組んだ菅田と世界最高峰の映画賞・アカデミー賞の舞台に立つ夢を語った。

 同映画は、“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描いたサスペンス・スリラー。“転売ヤー”の主人公・吉井良介(菅田)が、ネット社会に知らず知らずのうちにバラまいた憎悪によって生まれた “集団狂気”が、実体をもった匿名の集団へと姿を変え、吉井を標的とした“狩りゲーム”がはじまる、という物語。

 会見中、黒沢監督は「菅田将暉さんは、その世代で人気・実力ともにも圧倒的にナンバーワンの俳優です。彼はあらゆる役を演じ分けることができる人です」と菅田の魅力を世界のジャーナリストにアピールするひと幕も。

 「主人公は曖昧な人にしようと考えていました。映画の主人公は、分かりやすく特徴的なキャラクターがあったり、喜怒哀楽をはっきり表したりする方が特にこういったジャンル映画の場合は都合がいいのですが、今回は<普通の人>でいきたい。それが僕の希望で、チャレンジでした。いい人か悪い人か、<普通の人間>が持ち合わせてる濁った曖昧(あいまい)な感じを、菅田将暉の非常に高度な演技力があれば、曖昧さが曖昧さとしてそのまま観客に伝わるんじゃないかなと思い、彼以外にない!と考えていました。僕は見事にそれに応えてくれたと思います」と、菅田が演じた吉井という主人公のキャラクターの複雑さを説きながら、大絶賛していた。

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