チキン南蛮の聖地・宮崎「味のおぐら」で地元民熱愛の意外なメニュー食べてきた
おたくま経済新聞 / 2017年8月14日 11時47分
チキン南蛮の聖地・宮崎「味のおぐら」で地元民熱愛の意外なメニュー食べてきた
宮崎県が発祥とされる全国区グルメ「チキン南蛮」。その最もメジャーな食べ方「タルタルソースをかける」という提供の仕方を考案したとされるのが、老舗洋食店「味のおぐら」と言われています。
宮崎市にある味のおぐらは、1956(昭和31)年創業。長年地域に愛され、そして今や全国区で「チキン南蛮の聖地」として知られ連日行列を作り続けています。が、しかし。数年前、宮崎の知人に連れられこの店を訪れた時に、地元の人の何人かが、名物であるはずの「チキン南蛮(ライス付)」(1010円)ではなく、「チャンポン」(740円)を頼んでいることに気がついたのです!
「チキン南蛮」を次々口に運んで一皿ぺろりと食べた後、知人が筆者に教えてくれたのは、「地元にとっておぐらはチキン南蛮もだけど、ちゃんぽんも人気が高い」という情報。既にお腹いっぱいチキン南蛮で満たされてしまった筆者は、「次回来ることがあれば絶対チャンポンも食べる」と深く胸に刻んでその時店を後にしたのでした。
そして訪れた5年ぶりにおぐらを訪問する機会。「味のおぐら 瀬頭店」でその一皿を堪能してきました。
■昭和感漂うレトロな店内
久しぶりに訪れた「味のおぐら 瀬頭店」は数年前に訪れた時と同じく、昭和的雰囲気のままで迎えてくれました。なんだか懐かしいような。小さい頃親に連れて行ってもらった「レストラン」を思い起こさせる店内です。本来は洋食店なのですが、店の雰囲気はどこかアジアンチック。そんなちぐはぐ感もこのおぐらの魅力の一つだと思っています。
店に到着したのは、混雑するお昼を避けた14時過ぎ。流石に待つことはないだろうと思っていたのですが、なんと10組待ちの状態でした……。名前を書いて待つこと20分。その間、久しぶりにポケモンGOを立ち上げると、お店の場所がポケストップになっていました。ポケストップの説明でも「連日行列が出来ている。」と書かれていました……。
そんなこんなでオレンジのソファーのテーブルにやっと通され、看板メニューの「チキン南蛮」、そして今回の目的「チャンポン」を即注文。
「混雑しているので少しお時間をいただきます」と言われたものの、15分そこらでまずチャンポンから到着しました。
■長年愛される「美味しいもの」
ようやく食べられるこの感動よ!と思いつつまずスープを一口。スープはチャンポンにありがちな白濁系ではなく、一緒に入った野菜や肉からしみ出したうまみをそのまま生かしたうっすら茶色い、優しいスープ。癖は全くありません。どこかで食べた事がある気もするけれど、だからこそ「ほっとする味」。昭和50年代から提供され、長年地元の人に愛され続けている意味が分かったような気がします。
最近、「美味しいもの」というと、奇をてらった斬新な食材をつかったものや、味がこってりしているもの、逆にあっさりしすぎているものに注目が集まりますが、多くの人が「また食べたいなー」と思い出すのは、「いつも変わらない」こういう何気ない一皿なのではないかと思っています。
普通に思えるけれども、変わらずあり続ける、そしてみんなが美味しいと思うもの。
最近では「普通に美味しい」という言葉がありますが、「普通でありつづける」のは料理の世界、意外と難しいんじゃないかなーと思うのです。そう考えると「普通に美味しい」というのは、ある意味最上級の料理への褒め言葉なのかもしれません。
さて、話を戻すとこのチャンポン。具だくさんと書かれるだけあり、本当に具だくさん!掘っても掘っても、お野菜。奥の方をぐぐぐ~とさぐると、出てきました麺!麺はこのチャンポンのために作っているものだといい、細すぎず太すぎずつるっつる。740円にしては本当にボリュームたっぷりでした。
■スタッフが超優秀
本来の看板メニュー「チキン南蛮」も少しだけいただきました。今回も、地元宮崎の知人に案内かねて同行してもらっていたので、その人に食べるのを手伝ってもらいつつ味わってみると、変わらずの酸っぱすぎず甘すぎず、そしてあっさりしたタルタルソースで次々と箸がすすみお腹いっぱいと言いつつもこれもこれで美味しくぺろり。「次来ることがあったら、チキン南蛮かチャンポンかの二択で悩むなこれ」と一人もぐもぐしながら真剣に悩んでしまったのでした。
そして前回は気づかなかったのですが、お店のスタッフが優秀なこと!水がなくなればささっと「いかがですか」と声をかけ、案内も丁寧。説明も丁寧。身だしなみも清潔!行列店には時にマジかよ!というきっちゃないエプロンや制服の店員がいますが、こちらのお店はみなさん綺麗な制服でみだしなみも本当に清潔でした。そして食後のテーブルの片付けも素早く、待っている間から見ていて気持ちがよかったです。さらに、お水をこぼした子供連れが近くの席にいたのですが、大量のタオルを手にすぐ飛んできて、まずお子さんの服から拭いてあげていました。その後の処理も素早いのなんの!食事はうまい、スタッフの接客が素早く丁寧!店内は小物が多いにも関わらず、清掃が行き届いていて文句なし!
あまりべた褒めすると「ステマかよ!」と言われるかもしれませんが、隠れてはいません。声を大にしてオープンに褒めているのです。なぜならば、二回しか行ったことがないけど「おぐらを愛しちゃったから!!!!!!!!」。
本当に愛しているから、ずっとこのままこうしてこれからもあり続けてくれると一ファンとしては嬉しいな。心からそう願っています。
今回訪れた「味のおぐら 瀬頭店」は宮崎市の中心から少し離れたところにあります。タクシーだと1000円台で行けたので観光の方はタクシーが便利です。帰りはお店の方にいうと、お店の前までタクシーを呼んでくれます。なお、中心近くには本店もありますが、チャンポンは全店共通メニューではなく本店では提供されていません。おぐら瀬頭店での提供になるので、そこだけ注意してくださいね。
<参考>
味のおぐら
(宮崎美和子 / 画像・編集部撮影)
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