KC-46、空中給油に関する補足証明を取得
おたくま経済新聞 / 2018年4月6日 14時39分
KC-46に空中給油を行うKC-46
2018年4月4日(現地時間)、ボーイングは開発中の空中給油機KC-46ペガサスの空中給油試験が終了し、空中給油に関するアメリカ連邦航空局(FAA)の補足型式証明を取得したと発表しました。KC-46は日本の航空自衛隊でも導入予定です。
この補足証明は、原型機である旅客機のボーイング767-200を、空中給油機として種別を変更するために追加した機能について、安全に設計され、運用ができるかということを確認するもの。アメリカのワシントン州シアトル近郊にあるボーイングの飛行場、ボーイングフィールドを離陸した2機のKC-46は、3時間48分の飛行中、もう一方のKC-46に対し、フライングブーム方式で合計で14万6000ポンドの燃料を給油することに成功しました。給油速度は毎分1200ガロン(約4542リットル)。
KC-46空中給油試験は全体で2700時間に及び、これまでKC-46のほか、F-16、F/A-18、AV-8B、C-17、A-10、KC-10といった多種多様な飛行機に対し、合計2500回の給油を成功させてきました。KC-46は機体後部に取り付けられた給油ブーム(フライングブーム)だけでなく、両主翼に1本ずつプローブ&ドローグ方式(アメリカ海軍機やヨーロッパ製の戦闘機、ヘリコプターやV-22オスプレイが採用)の給油システムを装備しており、3ヶ所からそれぞれ最大で毎分400ガロン(約1514リットル)の速度で同時に給油することが可能となっています。
ボーイングとアメリカ空軍は、現在もこのほかの機能に関する補足型式証明取得のための試験を続けており、全ての補足証明を取得した時点で、最初のユーザーであるアメリカ空軍に引き渡される予定です。アメリカ空軍では2050年にかけて179機のKC-46を導入し、老朽化しているKC-135を更新します。日本の航空自衛隊ではKC-46を4機、その他のロジスティック支援費用を含めて総額2億7900万ドル(約299億5700万円)で、対外有償軍事援助(FMS)プログラムで導入予定です。
Image:Boeing
(咲村珠樹)
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