ライブでの子供の耳を保護を!アジカンが「子供向けにイヤーマフを貸し出し」
おたくま経済新聞 / 2018年7月20日 11時14分
イヤーマフ
ライブ会場で起こりがちな、大音量による聴覚の損傷がしばしば話題となっていますが、最近では親子でもライブを楽しみたいと小さな子供を連れてのライブ参戦も増えてきています。大人でもライブ後に耳がキーンとなったりするのに、子供の耳にとなるとさらに大きな負担が。この為、ファンの子供の聴覚を心配した、ロックバンドのアジカンこと「アジアン・カンフー・ジェネレーション」が子供向けイヤーマフをライブ会場で貸し出す事をブログで報告、その対応に称賛の声が集まっています。
イヤーマフとは、元来は工事現場やヘリコプターに搭乗する際などに使われる騒音保護具なのですが、ここ数年で「聴覚過敏」がある人にも使用の広がりを見せています。DJ DAISHIZEN氏もツイッターで、自身の娘が使っているイヤーマフの画像をツイッターに投稿し、「もともとは発達障害や聴覚過敏の子供向けに作らていますが、ライブの際にも使えます。」とコメント。
メンバーのゴッチこと後藤正文氏のブログでは、「アジカンからのお願い」というエントリーで「バンドとしては、子どもたちのコンサートへの参加は基本的にウェルカムだということをまずは記します。できれば、年齢制限を設けたくないというのが俺たちの意見です。」と前置きをしたうえで、大音量に晒される子供連れに対して心配を見せ、声を掛けた事を報告。そして「俺たちは次のツアーから、イヤーマフ(子ども用の防音ヘッドフォン)の貸し出しを始めようと思います。けれども、それは忘れた人や、そもそもそうした器具の存在を知らなかった人たち用だと考えてください。また、子どもたちの耳を守る必要性を知ってもらうためにも貸し出しを行います。同時に、児童のイヤーマフの着用を入場時のチェック事項に盛り込むつもりです。」と宣言しました。
アジカンからのお知らせです。ブログに書きました。 Gotch / 後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / ゴッチ https://t.co/ViOYN4e7dV
— Gotch (@gotch_akg) July 18, 2018
■ イヤーマフって実際どんなもの?
今回、アジカンのメンバーが子供の聴覚を心配しながらも子供と一緒に楽しんでもらいたい、という思い、そしてイヤーマフというものの有用性を知っていた事から行動に移る事ができたと思われますが、まだあまり一般的でない事も事実。この聴覚を保護するヘッドホンみたいな形のものは、安いものだと1000円台から販売されています。筆者も娘が聴覚が過敏気味であるので、先日イヤーマフを購入してみました。こちらは3000円台。
さて、実際に使ってみた感じとしては、自宅からも良く聞こえるセミの大合唱が個人的な感覚比で8割くらい減った感じ。エアコンの音も全然気にならないほど。しかし、話し声は普通に聞こえるしテレビから流れる音楽も認識できる程度にきちんと聞こえるので、日常生活にうるささを感じる人が使うとだいぶ落ち着いて生活できそうな感じです。耳全体を覆うので遮蔽感や閉塞感といった感覚はありますが、騒音よりも気にならないので付けていると正直かなり楽、という印象です。
ちなみに、娘のイヤーマフには「苦手な音を防いでいます」というステッカーを自分で両耳の耳当て部分外側に貼り付けています。これは以前から紹介している「株式会社石井マーク」が作成した「聴覚保護マーク」。デザインとカラーバリエーションも豊富ですが、娘の意向でモノクロ仕上げに。このマークを個人でキーホルダーなどにして付けている人も最近少しずつ増えてきましたが、やはりイヤーマフ本体に貼ったほうが誤解が少なくなるのではと考え、娘と相談しながら両側に貼って使用しています。今のところ、周りの理解もあってか特にイヤーマフを付けていて問題が起こった事はありません。
■ 耳を保護しながら音楽を楽しむ取り組み
アジカンのゴッチ氏はツイッターで、ファンからのリプライに対し「家族で楽しみましょー!イヤーマフ、普通に会話も聞こえるしいいですよ!みんなで勉強して行けばいいので。僕らも学んでしますしね。大丈夫!」とコメントしています。最近はライブ会場でライブ用の耳栓を販売し始める動きもあり、実際に使っている人も増えてきていますが、まだ子供向けのライブ用耳栓というものはなく、イヤーマフで耳を保護するのが現状では最善と言えるかもしれません。
筆者が個人的に体験したライブは電子音メインのものでしたが、音響を担当するPAさんが耳に負担の少ない、しかしはっきりと聞こえて楽しめる音量で調整してくれたおかげでライブ後によくある耳がキーンとする感じが全くなく、ライブ中も音量を気にする事なく集中して楽しむ事ができました。今後もこうした取り組みが広がるとともに、参加者一人一人が耳を保護する事についての意識を持ってもらえればと思います。
(訂正とお詫び)
初出時、DJ DAISHIZEN氏を「アジカンのメンバー」としてご紹介してしまいました。また、文中一部内容を訂正しました。お詫びして訂正いたします。(2018年7月23日)
<引用>
アジカンからのお願い 最近はライブ会場で未就学や小学生の児童を見かけることが増えました。…|Gotch / 後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / ゴッチ
Gotchツイッター(@gotch_akg)
(梓川みいな)
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