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フランスがラファールのさらなる能力向上型「F4」開発計画スタート

おたくま経済新聞 / 2019年1月21日 17時7分

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ラファールF4開発の調印書を持つフランスのパルリ国防大臣(左)とダッソー・アビアシオンのトラッピエCEO(右)(Image:Dassault Aviation)

 フランスのフローレンス・パルリ国防大臣は2019年1月14日(ヨーロッパ中央時間)、視察に訪れたダッソー・アビアシオン社の工場で、主力戦闘機ラファールの能力向上型「F4」開発をスタートさせると発表しました。フランスのラファールは、2018年12月に最新の能力向上型「F3-R」初号機の初飛行を終えたばかりですが、さらなる能力向上を目指します。

 フランスのダッソー・アビアシオンが開発・製造している戦闘機ラファール。1986年に原型(技術デモンストレータ)機が初飛行して以来、2002年から空軍(B/C)、2000年から海軍(M)で運用されているほか、インドなどにも採用されています。

 現在主力となっているのは、空対空能力と空対地攻撃能力をあわせ持つ「F3」仕様。これの能力向上型として、2014年に開発プログラムがスタートしたのが「F3-R」です。F3-RではレーダーがRBE2-AAアクティブ走査(AESA)レーダーにアップグレードされ、長距離空対空ミサイル「メテオール(Meteor)」運用能力が付加されたほか、Taliosターゲティングポッドの装備により、モジュラー型空対地ミサイル(AASM)のレーザー誘導能力も獲得しています。また、パイロット操縦支援装置として、自動地上衝突回避システム(AGCAS)も装備されています。

 このラファール・F3-R仕様の初号機がフランス空軍に引き渡され、モン・ド・マルサンの第118空軍基地で初飛行が行われたのは2018年12月10日。現在も空軍の評価試験が行われている最中です。空軍に続いて、海軍に引き渡されたラファールM・F3-R仕様は、2018年12月17日に初飛行を行っています。

 今回明らかになった能力向上型「F4」仕様は、フランス軍の2019年~2025年の防衛力向上計画の一環。未来型航空戦闘システム(SCAF)の第1段階として行われるものだといいます。

 現在計画されているのは、SPECTRA電子戦システム、機首下面に設置されている光学(可視光/赤外線)照準システム(OSF)、Taliosターゲティングポッドの能力向上と、RBE2レーダーのさらなる能力向上。これにより、中距離巡航ミサイル(TN81核弾頭装備可能)のASMP-Aだけでなく、長距離巡航ミサイルのSCALP-EG(イギリスでの名称は「ストーム・シャドウ」)の運用能力を獲得し、さらに1000kg弾頭のAASMまで運用可能になるといいます。

 最新のF3-R仕様受領から1か月ほどで新たな能力向上計画を発表するというのは、フランスが航空戦力を強化し、安全保障分野で大きな役割を果たそうという決意の表れと言えます。計画では2024年までに28機のF4仕様を調達し、2023年には新たに30機のF4仕様のラファールを発注することになっています。

Image:フランス空軍/ダッソー・アビアシオン

(咲村珠樹)

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