ヨーロッパの次期主力ロケット アリアン6の移動式整備塔完成
おたくま経済新聞 / 2019年7月31日 10時1分

完成したアリアン6用移動式整備塔と建設中の射場(Image:ESA)
欧州宇宙機関(ESA)が開発中の次期主力ロケット「アリアン6」用の移動式整備塔がフランス領ギアナに完成。打ち上げを模擬した最初の移動試験を行った、と欧州宇宙機関が2019年7月29日(現地時間)に発表しました。
アリアン6は、現行のアリアン5に代わるものとして開発されている、欧州宇宙機関の2段式大型ロケット。アリアン5を基本にしながら、新しい2段目と組み合わせたものとなっています。全長は約62m、直径5.4mで、推力4500kNのP120C固体燃料ロケットブースターが2基ないし4基取り付けられます。
打ち上げ能力は、固体燃料ロケットブースター2基のアリアン62仕様で、静止トランスファ軌道へ4.5トン。ブースター4基のアリアン64仕様では11.5トンまでのペイロードを静止トランスファ軌道へ打ち上げる能力を持っています。
全長62mのロケットと発射台を包み込む形になる移動式整備塔は、とても巨大なもの。高さ90mで、ロケット打ち上げ時の総重量は、最大で約8200トン(うちロケットの重量860トン)にもなります。これが射点から退避場所まで、141mの距離を移動します。
移動はレールの上を、整備塔に取り付けられた16の台車で移動します。台車には8つの車輪があり、それぞれに電気モーターが1台ずつ、合計128台取り付けられており、それぞれが協調しながらゆっくりと動く仕組み。
移動速度は一定ではなく、大きな力が必要な動き始めは分速1m。中間部分の130mは分速7.6mで移動。そして最後の9mでは、停止に備えて分速3mに速度を落とし、141mの距離を移動するのに22分かかるといいます。
これから移動式整備塔は5週間にわたり、何度も移動を繰り返して不具合や問題点がないか入念にテストされることになっています。移動式整備塔が完成したことで、アリアン6の発射施設建設工事は最終段階に入りました。欧州宇宙機関では、アリアン6の初めての打ち上げを2020年に予定しています。
<出典・引用>
欧州宇宙機関(ESA) プレスリリース
Image:ESA
(咲村珠樹)
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