アメリカ空軍の新型救難ヘリコプターHH-60W低能率生産開始決定
おたくま経済新聞 / 2019年9月27日 15時0分
フロリダ州ウエストパームビーチの試験場で飛行するHH-60W(Image:Lockheed Martin)
ロッキード・マーティンは2019年9月24日(現地時間)、アメリカ空軍の次期捜索救難ヘリコプターHH-60Wコンバット・レスキュー・ヘリコプター(CRH)計画で、アメリカ空軍から低能率生産開始の決定を受けたと発表しました。これにより、いよいよ各部隊への本格的な配備が始まることになります。
アメリカ空軍の次期捜索救難ヘリコプターHH-60Wは、コンバット・レスキュー・ヘリコプター(CRH)の名が示す通り、より条件の厳しい戦場での捜索救難(SAR)任務に対応できるように開発されたH-60“ブラックホーク”シリーズの最新型。既存のHH-60Gペイヴホークの後継となります。
今回の決定は、開発計画のうち「マイルストーンC」と呼ばれるポイント。先行して生産された試作機を使った運用試験を重ね、量産に向けての改良点の洗い出しが終了したことを表すものです。この運用試験は、日本の嘉手納基地に駐留する部隊でも実施され、在沖海兵隊の訓練にも使用されています。
今回の低能率生産決定を受け、シコルスキーのプログラム・ディレクター、グレッグ・ヘイムズ氏は「マイルストーンCへのゴーサインは、シコルスキー最大の成功作であるブラックホークを改良したこの機体が、墜落した空軍機の乗員を世界のどこでも、いつでも救える能力が確立されたということです。これにより、コンバット・レスキュー・ヘリコプター(CRH)は、生産プログラムへと移行します」とコメントしています。
現在コネチカット州ストラットフォードにあるシコルスキーの事業所では、5機のHH-60Wが生産の各段階に入っています。アメリカ空軍では113機のHH-60Wを調達し、HH-60Gを置きかえる計画です。
アメリカ空軍の情報分析/偵察/特殊作戦プログラムの責任者、デール・R・ホワイト大佐は「今回の決定を受け、このより高性能で信頼性が高まったヘリコプターを、空軍の“誰ひとりとして置き去りにしない”任務に投入する段階へと移行します。これを実現させた政府とメーカーのチームを誇らずにはいられません」と、低能率生産開始についてコメントを残しています。
従来のHH-60Gよりもホバリング能力や電子機器の性能が上がり、武装やサイバーセキュリティ面も向上したHH-60W。失敗の許されない捜索救難任務に臨む兵士の力強い相棒となってくれることでしょう。
<出典・引用>
ロッキード・マーティン プレスリリース
Image:Lockheed Martin/USAF
(咲村珠樹)
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