シコルスキーがアメリカ陸軍次世代軽攻撃ヘリコプターにレイダーXを提案
おたくま経済新聞 / 2019年10月16日 12時0分
シコルスキーレイダーX(RAIDER X)のイラスト(Image:Lockheed Martin)
アメリカのシコルスキーは2019年10月14日(現地時間)、アメリカ陸軍の将来型軽攻撃偵察航空機(FARA)に対し、S-97レイダーをベースにした「レイダーX(RAIDER X)」を提案すると発表しました。レイダーは、高速ヘリコプターX2の技術をもとに開発された次世代機です。
アメリカ陸軍が現用のヘリコプターに代わるものとして計画している、将来型垂直離着陸機計画(Future Vartical Lift)。そのうち開発が難航している、OH-58カイオワの代替機を模索するものが、FARAの略称で呼ばれる将来型軽攻撃偵察航空機(Future Attack Reconnaissance Aircraft)です。
ベルOH-58カイオワは、ベトナム戦争にも投入された軽観測ヘリコプター。改良が加えられ、ロケットランチャーなどを装備した軽攻撃型なども作られていますが、基本設計が古く様々な部分が時代に合わなくなり、退役が進んでいます。
過去に2度後継機開発に失敗したこともあり、今回ばかりはアメリカ陸軍も力を入れています。それに対するシコルスキーの回答が、レイダーX(RAIDER X)というわけです。
レイダーは、シコルスキーの高速ヘリコプター実験機「X2」で得られた知見をもとに開発されたもの。X型の二重反転ローターのほか、機体後部には推進用のプロペラを装備し、ヘリコプターの常識を覆す250ノット(時速450km)以上の高速で飛行可能です。
また、操縦システムやコクピット内の計器も最新のデジタル制御が用いられ、任務に応じての仕様変更や、将来的な能力向上にも柔軟に対応できるような設計となっています。シコルスキーを傘下に収めるロッキード・マーティンのフランク・セントジョン担当副社長は「レイダーXは、我々がX2の開発試験で得た技術を注ぎ込んた機体であり、厳しさを増す将来の戦場において、圧倒的に高い生存性と情報収集能力を発揮します」とコメントしています。
原型機となるS-97レイダーは2015年に初飛行を行い、2018年9月21日には202ノット(時速約363km)の速度を記録しています。なかなか決まらなかったOH-58の後継機に、レイダーXは採用されるでしょうか。
<出典・引用>
シコルスキー(ロッキード・マーティン)プレスリリース
Image:Lockheed Martin/U.S.Army
(咲村珠樹)
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