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昼夜逆転キッズvs頭を抱える親 保護者ができる情報機器の管理方法

おたくま経済新聞 / 2020年5月7日 12時42分

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イラストACより

 休校措置が長びいている子どもたち。各学校から登校日が設けられて宿題のプリントを配られても、ガン無視してゲームや動画に没頭している子どもたちに頭を抱えている保護者の皆さん、多いと思います。そこで、頭ごなしに怒る前に保護者ができる情報機器の管理方法を紹介します。

■ まずは情報機器を知ろう

 ゲーム機やスマホ、PCを日常的に使っている人たちに強い味方となるWi-Fiルーター。今では簡単にモデムなどに接続でき、あまり機械に強くない人でも簡単にセットアップができるようになりました。そして、親のスマホも、子どものスマホももちろん、ゲーム機器やPC、テレビ、スマートスピーカーなどなどあらゆるものにWi-Fiが使われ、家電製品でもネット接続ができてしまうようになりました。

 子どもにスマホを持たせている親、今ではかなり多いと思います。しかし、買い与えた結果、好きな動画やゲームに没頭するなどしてしまい、昼夜逆転状態になっている子どもも増えているようです。特に、好きな動画配信者が深夜に生放送をしていると、その為だけに起き続けてしまい、生活リズムが完全に崩れてしまっている中高生も多い様子。

 そこで、スマホのペアレンタルコントロールや、ゲーム機をスマホアプリで制御する方法からまずご紹介していきます。

▼ iPhone・iPadなど
 「スクリーンタイム」という機能がiOS 12以降から追加されました。この機能は、設定からスクリーンタイムに入って自分や家族のiOS機器をコントロールできます。これには先に「ファミリー共有」をオンにしておく必要があります。

 自分のデバイスから直接、家族の中の子どものアカウントについてレポートを表示し、設定を調整する事ができます。設定できるのは、休止時間・App 使用時間の制限・通信/通話の制限・コンテンツとプライバシーの制限で、休止時間帯でも、「すべての App およびカテゴリ」に制限を設けている場合でも、使えるようにしておきたい Appについては「常に許可」がAppごとに設定できます。

 子どもにiPhoneなどを買い与える場合、先にファミリー共有がどれだけ「子どもにとって」安心で便利であるかを伝えておく必要があります。誰だって「自分のデバイスを管理監視するために設定します」なんて言われたら拒否したくなりますからね。

 詳しくは、Appleのサポートページ内「iPhone、iPad、iPod touch でスクリーンタイムを使う」を参照しましょう。

▼ Android端末
 小中学生まではジュニアスマホで親側がコントロールすることができます。保護者用設定項目がジュニアスマホに入っており、使用項目や時間設定を行う事ができます。まずこの保護者設定を行わないと、スマホの初期設定が終わらないので子どもが勝手にパスワードを盗むなどして制限を解除しない限り、保護者側で時間やアプリの管理ができます。

 その他のAndroid端末では、Googleの公式アプリ「Google ファミリー リンク」を使用する事で、保護者側から子ども側の端末を管理する事ができます。注意点としては、子ども側にもファミリーリンクのアプリをダウンロードしておく事、ファミリーリンク機能は「位置情報が分かるため、万一スマホをなくした時や、何かのトラブルに巻き込まれた時にこのアプリで保護者が探す事ができる」といった「安全面を最重視」する様な方向で子どもに納得させてからアプリをインストールさせる事です。

 一つ重大な点として、13歳がGoogleアカウントをユーザー自身で管理できる最低年齢であるという事。これ、逆を言えば13歳以上であれば勝手に時間制限などの機能を使えてしまうという事。……こちとら13歳以上がスマホ使って夜更かししまくったりしているから困っとるんだわ!とGoogle社にキレそうになりますが、裏技として、子どもの年齢を13歳以下になるように初期設定してしまえばこの問題をクリアする事ができます(筆者が実際に使っている手段です)。

 このファミリーリンク、子ども側のアプリの評価はキッズたちが「どうやって親の目を盗んで好き放題やりたいか」に終始している内容がほとんどなので低評価となっています。しかし、この現象は親子でどこまでなら良くてどこからをアウトにするかの線引きがきちんと話し合えていない証拠でもある、と筆者は分析しています。

 実際、筆者も使っており子どももスマホの制限に関して、都度子どもの意見を聞きつつ、ロックがかかる時間と解除される時間を設定しています(筆者親子の場合はAM0:00~6:00にお休みタイマー設定)。また、アプリの中には悪質なアプリもあり、デベロッパー情報に怪しい部分がないかどうかをきちんと保護者が把握できないと、子どもが浅い判断で入れたアプリから個人情報を抜き出されてしまう……ということもあり得ます。

 これを防ぐためには、保護者がアプリの危険度などに対する知識を深め、都度どのアプリなら問題がないかを見極める目を持つ必要があります。子どものITリテラシーを高めるには、まず保護者がしっかりと把握できるよう勉強しておく必要があります。筆者も子どもにアプリを危険なく使わせるために、かなり勉強を重ねてきました。中華製のキーボードアプリにバックドアが仕込まれていたというのはITリテラシーの高い人ならご存じの事でしょう。

▼ 延々とNintendo Switchで遊ぶ子たちに対する制限
 これは保護者向けにCMを流しているので知っている人も多いかと思いますが、知らない人もいるかと思いますので一緒にご紹介しておきます。

 Nintendo Switchの場合「NintendoみまもりSwitch」というスマホアプリがiOS、Androidともにリリースされています。こちらをダウンロードした後、保護者や子どものアカウントを紐づけておくと、誰がどのくらい、どのゲームを遊んでいるかの時間を知る事ができます。また、1日に遊ぶ時間の設定、終了時間をアラームでお知らせする機能が付いています。

 アカウント別に時間設定を振り分ける事はできませんが、1日に誰がどれだけ遊んだかを保護者のスマホで簡単に確認する事ができるため、きょうだいでケンカになる前にあらかじめ持ち時間の取り決めを交わしておくと、バトル勃発を予防できるかもしれません。NintendoみまもりSwitchでは、保護者アカウントで時間を設定するので、まずは保護者がアカウントを設定し、Nintendo Switch全体の使用時間を決めます。その中で子どもごとに時間を割り当てるように話し合う事で、トラブルを防ぐことができます。

 ただ、一つ問題となるのが、時間の上限や終了時間のアラームが鳴っても、無視して遊び続けられてしまう、強制的な電源オフ機能がない事。これは、子どもと話をきちんと取り決めて、子どもが時間をきちんと守る事を意識づけるためにも必要なのですが、中には約束を守れない、守らず布団の中でゲームしてしまう、という場合も。こういった場合は保護者として強制的に、禁止措置などをとる必要があります。

 iOSやAndroid端末、ゲーム機の端末にしても、まずはアプリを入れてから子どもとよく話し合い、お互いに落としどころとしての制限を、子どもがきちんと納得できるように使う事が何より大事です。

■ それでも他の方法でネット三昧してしまう子たちに向けた最終手段

 最近の子どもたちは、調べ学習やネット学習でPCや学習用タブレット端末を持っている子も少なくありません。この場合、保護者がリモートで何とかするのはPCなどをハッキングするしかないでしょう。しかし、最近はWi-Fiルーターが優秀になってきました。

 インターネットはモデム(またはTA)からLANでWi-Fiルーターへ接続してWi-Fiの電波を飛ばし、ルーターのIDとパスワードを各端末に認識させる事で各端末がWi-Fiを使えるようになるのは皆さんもご存じかと思います。

 ここ2年くらいで発売になったWi-Fiルーターには、ルーター自体に接続時間制限をかける機能が出てきています。古いルーターではこの機能に対応していない場合もありますが、BuffaloやNEC、エレコムなどのメーカーでは、PCやスマホアプリから操作できるペアレンタル機能タイマーが使えるようになっています。

 ルーターの管理は、ほとんど保護者が行っていると思いますので、深夜遅くまでPCでダラダラと動画を見ている子どもや、学習用タブレットをオープンインターネット環境に接続してしまう様な子には、ルーターという根本から見直し、時間設定をしてしまいましょう。詳しくは、皆さんがお使いの各社Wi-Fiルーターのサイトをチェックしてみてください(ちなみに筆者宅は古いモデルのルーターで、ペアレンタル機能が使えないものだったので買い換えました)。

 共働きやシングルで働いている親にとって、子どもが親のいない間に好き勝手遊んでしまい、やるべき約束事も守れないと頭を抱えている人も多いと思います。また、長引く休校措置で昼夜逆転してしまっている場合、休校明けに元の生活に戻すのは親子とも大変な思いをしてしまう事にも繋がります。何より、成長ホルモンの分泌がピークとなる夜10時から午前2時くらいの間までに寝ないとなると、子どもの心身の発達にも悪影響を及ぼします。

 制限を付ける事が全てにおいて正しい訳ではありません。自制がきかない子どもにとって、何が大切な事なのか、どうして時間を制限したり、遅くまで起きる事が良くないのかを具体的に、理解できるように説明し、約束させる事がまず大事。中高生にもなると「どうしても譲れない」場面も出てくるかもしれませんが、長い視点で考える事、今一番やるべきことは何かを親子の間でしっかりと話し合って、それでもダメならペナルティを付けるのが筋でしょう。

<参考>
iPhone、iPad、iPod touch でスクリーンタイムを使う(Apple)
Google アカウントの年齢制限
ゲームのプレイ時間をみまもりたい(任天堂)

(梓川みいな)

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