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イギリス駐留のアメリカ空軍F-15 別の基地への機動展開訓練を実施

おたくま経済新聞 / 2020年10月3日 18時0分

写真

タクシーアウトする第493戦闘飛行隊のF-15C(Image:USAF)

 アメリカ空軍の第43戦闘航空団は、2020年9月29日から10月1日にかけ、普段駐留しているイギリス空軍レイクンヒース基地を離れ、ほかのイギリス空軍基地へ移動する機動展開訓練を実施しました。「MAX20-20」と題された3日間の訓練では、F-15と支援要員がイギリス国内3か所の空軍基地に展開しています。

 アメリカ空軍で「ACE(Agile Combat Employment)」と略称される機動展開訓練は、有事の際に作戦を実行する場所まで素早く展開し、作戦遂行が可能な状態を整えるまでを訓練するもの。世界中どこへでも展開し、様々な作戦を遂行するアメリカ空軍にとって、この訓練は非常に重要なものとなります。


 今回の「MAX(Mission Assurance Exercise)20-20」では、第43戦闘航空団の第493戦闘飛行隊に所属するF-15C、第494戦闘飛行隊に所属するF-15Eが参加。このほか整備などを担当する地上支援要員、そして負傷者の移送を担当する第86航空医療輸送飛行隊(ドイツ・ラムシュタイン空軍基地)も加わり、作戦遂行のため迅速に展開し、準備を整えるまでの手順を訓練しました。


 訓練で使用されたのは、普段第42戦闘航空団が駐留するレイクンヒース空軍基地のほか、イギリス空軍のミルデンホール基地とコニングスビー基地。F-15CとF-15Eはミルデンホールとコニングスビーに展開し、レイクンヒースにはドイツのラムシュタイン空軍基地より第86航空医療輸送飛行隊が展開。「MedEvac(メデバック)」と呼ばれる負傷者の航空輸送を訓練しています。



 アメリカ空軍第43戦闘航空団司令官のジェイソン・カミレッティ大佐は「ACE(機動展開)の意味するところは、小さい部隊編成、最小限の現地規模で展開する戦闘行動です。訓練項目は欧州アメリカ軍にとり、作戦に応じて様々なレベルの能力と支援を展開可能にし、航空機搭乗員と兵が軍事作戦における全ての分野において決定的な戦力を展開できる状態にするようになっています」と、この機動展開訓練の狙いを説明しています。



 訓練の受け入れ側として、第494戦闘飛行隊のF-15Eを迎えたイギリス空軍コビングスビー基地の司令官、マット・ピーターソン大佐は「コニングスビー空軍基地にやってきた、アメリカの同僚を歓迎します。我々両国空軍は、共同作戦やその成功、そして犠牲を分かち合ってきた長い歴史を共有しています。たとえば第二次世界大戦のノルマンディ上陸作戦で、ここコニングスビー基地から出撃して残念ながら戦死したアメリカ人パイロット、カール・ジョセフ・ヴァン・ホーン中尉のように」と、英米両国がともに作戦に参加してきた歴史を振り返りました。


 英米両国の関係は、現在も密接です。「コニングスビーのタイフーン飛行隊は、レイクンヒースのF-15と毎週のように北海上空で訓練しており、互いを深く知り抜いています。今回ストライクイーグルを迎えたことで、レイクンヒース基地との緊密な関係をさらに強化することができるでしょう」とのコメントをピーターソン大佐は発表しています。

 アメリカ軍のACE(機動展開)の概念は、普段から同盟国との緊密な関係を築くことで、有事における部隊展開をスムーズにさせるもの。訓練を通じ、防衛外交の一部を担っているといえます。

<出典・引用>
アメリカ空軍 ニュースリリース
イギリス空軍 ニュースリリース
Image:Crown Copyright/USAF

(咲村珠樹)

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