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新型トイレを載せた国際宇宙ステーション補給船打ち上げ成功

おたくま経済新聞 / 2020年10月4日 9時0分

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シグナス補給船に搭載された新型宇宙トイレ(Image:NASA)

 ノースロップ・グラマンの国際宇宙ステーション補給船「シグナス」を載せたアンタレスロケットが、2020年10月2日(現地時間)にバージニア州のNASAワロップス飛行施設から打ち上げられました。今回の積荷には、がんの免疫療法を研究する実験装置のほか、宇宙農業のための新しい装置、そして新型のトイレなどがあります。

 シグナス補給船の打ち上げは、今回で14回目。シグナスは毎回、かつての宇宙飛行士の名前が付けられていますが、今回のミッションではNASA初のインド系宇宙飛行士となった女性、カルパナ・チャウラさん(2003年のスペースシャトル・コロンビア空中分解事故で死亡)にちなんで命名されました。

 今回搭載された積荷には、微小重力環境を利用して、がんの免疫療法に使えるメッセンジャーRNAを見つけ出す実験装置「Onco-Selector」のほか、宇宙飛行士の船外活動をVRで体験できるようにするための360度カメラなどがあります。360度カメラで収録された映像は、私たち一般人が船外活動気分を味わうことができる以外に、宇宙飛行士の訓練課程で利用することが検討されています。

 また、シグナスには将来の月面長期滞在や、火星への有人探査を視野に入れ「宇宙で長期間暮らす」ために必要な機器も搭載されています。現在、宇宙で植物を栽培する「宇宙農業」では、国際宇宙ステーション内でリーフレタスを栽培するユニットが稼働していますが、新たに根菜類としてラディッシュを栽培するユニットが積み込まれました。ユニットにはすでにラディッシュの種子が播かれています。


 地球を遠く離れての有人宇宙飛行では、補給ができないために多くのものを持っていくと同時に、可能な限りリサイクルすることが必要となります。それは人間が排出する二酸化炭素や、排泄物も例外ではありません。

 NASAは月や火星への有人飛行を実施する「アルテミス」計画で使用するため、新型のトイレを開発。従来より大幅に小型化し、狭い宇宙船内でもスペース効率に優れたトイレを設計しました。

 宇宙で使用するトイレは、正式には「汎用廃棄物管理システム(Universal Waste Management System=UWMS)」という名称で呼ばれています。特に排出される尿を濾過処理し、水(飲用だけでなく電気分解して酸素を取り出す)として再生するほか、廃棄せざるを得ないものをコンパクトに保管しておく装置です。

 このほか、尿に含まれるアンモニアを電気化学的に除去するシステムも搭載されました。これは宇宙での長期滞在に役立てられるほか、水の調達が難しい地球上の乾燥地域や、補給に時間のかかる孤立した遠隔地に水を利用できる方法をもたらすことにもつながります。

 シグナス補給船は日本時間の10月5日18時20分に国際宇宙ステーションへ到着し、ロボットアームでドッキングされる予定。この様子はYouTubeの「NASA TV」で、日本時間10月5日16時45分から生中継されることになっています。

<出典・引用>
NASA ニュースリリース
ノースロップ・グラマン ニュースリリース
Image:NASA

(咲村珠樹)

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