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アメリカ空軍が新しいX線車両検査装置を導入 車載式でどこへでも展開が可能

おたくま経済新聞 / 2021年1月6日 21時0分

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ティンダル空軍基地に導入されたX線車両検査装置VACIS M6500(Image:USAF)

 アメリカ空軍のティンダル基地(フロリダ州)に、X線を使用した新しい車両検査装置が導入されました。車載式でどこへでも展開が可能なこの検査装置は、時間がかかっていた大型貨物自動車をスピーディーに検査し、仕掛けられた爆弾などを発見することが可能。2018年のハリケーン災害から再建を目指す基地で、テロ抑止に役立てられます。

 ティンダル空軍基地は、2018年10月のハリケーン「マイケル」により施設が被災し、再建工事が進められています。外部から資材を運ぶ車が次々とやってきますが、セキュリティ面からすべての車両に対し、爆弾などの危険物がないかをチェックする必要があります。

 これまではコンテナを開け、人間の目でチェックをしていたのですが時間がかかり、その分基地内に入構する車両数が限られていました。資材搬入が遅れれば、その分復旧工事のスケジュールも遅れてしまいます。

 このため、アメリカ空軍では車両検査を迅速化すべく、レイドス(Leidos)が開発した可搬式X線検査装置「VACIS M6500」の導入を決定。車両丸ごとを連続的にX線検査する方式に切り替えることになりました。

 VACIS(Mobile Vehicle Access Control Inspection System)M6500は、車に搭載されたX線センサーアームを展開し、ゲートを作って車両を検査する装置。高さ約4.7mまでの車両をスキャンすることができ、固定モードでは1時間あたり150台以上、移動モードでは1時間あたり60台以上の車両を連続してX線検査することが可能です。

 固定モードでは、検査される車両は停車することなく、徐行してゲート内を通過します。人間に対する過剰な放射線被ばくを避けるため、センサーが人間の乗るキャビン部分を検知し、その部分だけX線の出力を落として検査する機能も。

 実際に運用するアメリカ空軍第325警衛中隊のノーマン・シューメイク兵長は「従来の方法とは比較にならないほど多くの車両を検査することができています。X線画像により車両に異常がないかを効率的にスキャンし、届け出にある乗車人数と違いがないか、搭載貨物に不必要なものがないかを確認することができます」と語っています。

 このVACIS M6500は外部からの電源を必要としないので、単体で検査装置が成立し、しかも車載式のため移動・展開も容易。従来の検査方法では、実際に兵士がコンテナの中などを見て検査する必要があるため、場合によってはその隙に仕掛け爆弾が爆発する可能性もあり、兵士たちは緊張を強いられていましたが、この方法であればリスクが軽減されます。

 また、この装置があることにより、テロリストが襲撃を思いとどまる心理的効果も期待されます。アメリカ空軍では今後の運用実績を見ながら、海外派遣部隊への導入も検討していくとみられます。

<出典・引用>
アメリカ空軍 ニュースリリース
Image:USAF

(咲村珠樹)

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