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トルコの放送衛星トルコサット5A スペースXにより打ち上げ成功

おたくま経済新聞 / 2021年1月10日 18時0分

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トルコサット5Aの打ち上げ(Image:SpaceX)

 トルコの放送衛星トルコサット(Turksat)5Aが2021年1月7日(現地時間)、スペースXのファルコン9ロケットでアメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられました。トルコサット5Aは、トルコの航空宇宙企業がエアバスと協力して作り上げた、初めての人工衛星です。

 放送衛星トルコサット5Aは、トルコの通信・放送衛星としては第5世代にあたります。先代のトルコサット4A(2014年2月打ち上げ)とトルコサット4B(2015年10月打ち上げ)は日本の三菱電機が製造を受注し、茨城県つくば市のJAXA筑波宇宙センターで環境試験が実施されました。

 トルコは人工衛星の国産化を図るべく、トルコサット5A・5Bで外国企業と共同開発して経験を積み、次世代のトルコサット6A(2022年前半に打ち上げ予定)を国内で開発・製造する方針を決定。2017年に共同開発のパートナーとしてエアバスを選定し、国内のターキッシュ・エアロスペース(TAI)とともに製造することになりました。

 トルコサット5A・5Bのベースとなるのは、エアバスの汎用衛星バス「ユーロスター・E3000」。重量約3.5トン、出力12キロワットという躯体です。これにKuバンド(12~18GHz帯)のトランスポンダを42基搭載し、東経31度の静止軌道からトルコを中心とした地中海・エーゲ海・黒海周辺地域とアフリカ諸国へ、衛星放送と高速データ通信サービスを提供します。

 打ち上げロケットのファルコン9は、1段目ブースターと衛星本体を保護するペイロードフェアリングを何度も再利用するのが特長です。1段目ブースターは自力で無人の回収船へ着艦し、ペイロードフェアリングは、同じく無人船が網を広げて落ちてくるのをキャッチ。どちらも高精度な飛行制御と進路予測が可能にした技術です。

 今回のトルコサット5A打ち上げに使われたファルコン9の1段目ブースターは、2020年にGPS IIIの3号機打ち上げと、2回のスターリンク衛星打ち上げに使われたもの。ペイロードフェアリングはGPS IIIの3号機打ち上げと、韓国の軍用通信衛星ANASIS-IIの打ち上げに使われたものが半分ずつ使用されました。

 スペースXにとって、2021年初のロケット打ち上げとなったトルコサット5Aミッション。アメリカ東部標準時の1月7日21時15分に、ケープカナベラル宇宙軍基地の第40発射施設(SLC-40)から打ち上げられました。

 ファルコン9ロケットは順調に飛行を続け、打ち上げから33分4秒後にトルコサット5Aを分離。1段目ブースターも、打ち上げから約8分30秒後に無事無人回収船へ着艦しました。

 トルコのカレイスマイローグ通信・インフラ担当大臣は、打ち上げから35分後、起動に成功したトルコサット5Aからの信号を受信したと発表。無事に静止遷移軌道を周回していることが確認されるとともに、トルコのエルドアン大統領からも打ち上げ成功を祝福するメッセージが伝えられました。

 トルコサット5Aは、これから4か月ほどかけて静止軌道へ移動し、所定の位置(スロット)で動作試験を実施した後、実際の任務を始める予定です。この衛星とペアを組む通信衛星トルコサット5Bは、2021年6月に打ち上げられることになっています。

<出典・引用>
トルコサット ニュースリリース
Image:スペースX/トルコサット

(咲村珠樹)

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