コンビニ店員の事件簿 縮んだ1000円札
おたくま経済新聞 / 2021年2月21日 14時0分
濡れて縮んでしまった1000円札
筆者はライターとして執筆活動を行いつつ、現役コンビニ店員としても働いていますが、10年コンビニで働くなかでこの様なトラブルは初めて遭遇し、焦りました。本稿では筆者がコンビニ店員として体験した「お札が縮む」という話をご紹介します。
■ 汚れたお金や旧札での支払いはよくある
最近、コンビニ関連はセルフレジの普及が進んでいて、店員が操作するレジのみ、というコンビニが減ってきています。
その為、旧札や旧硬貨、汚れていたり曲がってしまったりしたものや、何らかの事情で削れてしまった硬貨、海外のお金が混じっていた……といったことがあると、レジはエラーで自動的に弾いてくれる様になっています。
セルフレジが対応していない旧札や旧硬貨の場合、店員が好意で両替用として用意してあるお金と交換するお店もあるのですが、今回はそんな店員の判断で交換してくれるお店でトラブルが発生しました。
■ 偽札かも……アルバイトの子からの相談筆者がコンビニの現場にいつもの通り出勤したところ、不安げな顔をしたアルバイトの子から「一回り小さい1000円札をお客さんから受け取ってしまった。もしかしたら偽札をお客さんから受け取ってしまったかも……」と相談を受けました。
まさかと思い、受け取った1000円札を自分の持っているお札と比較してみると、確かに一回りくらい小さい……。え?こんなにお金のサイズが違うことってあるの?と驚きつつ、テストで自動釣銭機にそのお金を入れてみるも、エラーで弾かれてしまいます。
エラーの内容としては「汚れか皺かでお札として認識できません」というものでした。確かにそのお札をよく見ると、皺だらけになっているし、明らかに濡らしてから一気に乾かした様な跡もありました。
洗濯機か何かでやってしまったのでしょうか。もしくは大雨で財布ごと濡れてしまい、ドライヤーで一気に乾かしたか。そんな感じで、事件性はないだろうという判断をしました。
■ 銀行へ相談すると「交換可能」とはいえ、サイズが明らかに違ってはいましたし、私も怖くなってきたので、いつもコンビニの釣り銭の両替でお世話になっている銀行に問い合わせをしたところ、
「洗濯機に入れて乾燥すると縮んでしまうんですよね。交換可能ですよ」
との回答を頂きました。
話をうかがうと、1か月に1回程度は汚れや縮みによる問い合わせがあり、全ての店舗ではないものの実際に交換対応はしているので、まずは銀行に相談してくださいとの事でした。
その際は、お札の損傷や縮み具合で、日本銀行に回して鑑定にかけ、後日振込という流れになり、身分証明書や印鑑も必要になる場合もあるそうなので、事前に最寄りの銀行に連絡をした方がスムーズになるそうです。筆者は売上金がマイナスにならずに良かった、と変なところで一安心していました。
■ 実際にどのくらい違うのか一安心したところで、どのくらい大きさが違うのか気になってしまい、測ってみたところ横が5mm、縦が4mm縮んでいました。地紋も微妙に圧縮された感じになっています。
見た目でも分かるくらい、結構縮んでいるように感じますが、実際に数字で見るとこんなに縮んでしまうのかと驚きが隠せません。乾燥させる過程で、紙の繊維がギュッと圧縮されてしまったんですね。銀行によると、実際にここまで縮んでいるケースは珍しいとの事でした。
■ 縮んだお金でやってはいけないこと他にも銀行で注意されたことは「縮んだお札は、自動販売機やATMで使用してしまうと詰まりや故障の原因になるので、絶対にテストとしてでも機械に通さないでくださいね。自分の所のお店でもですよ」と言われてしまいました。
意図的にそういった明らかに異常があり、機械に通りそうにもないお金を入れた場合、機械の中で詰まってしまい修理代を請求されることもあるようです。絶対に入れないようにしましょう。筆者もその後上司に怒られてしまい、身の縮む思いをしました。
本稿では「お札は濡らして急激に乾かすと縮む」という、普通に生活をしていく上では得ることの少ない知識を紹介しました。コンビニの1店員としては、そういったお札をセルフレジでの支払いに使うとレジが壊れてしまうので、まずは店員に相談をお願いします。それでレジが壊れた場合、大変なことになってしまうので……よろしくお願いします。
(戦魂)
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