赤っ恥をかくのは誰か...『アンネの日記』をめぐり、新たな“図書館戦争“の火ぶたが切って落とされる?

おたぽる / 2014年2月26日 12時0分

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 新たな言論・表現の自由、さらには、図書館の自由をめぐる問題として深刻化するのか? 東京都内の公立図書館で相次いでいる『アンネの日記』や関連書籍のページが破られている事件。まだ、犯人の逮捕には至っていないにも関わらず、犯人像や背景をめぐり、さまざまな意見が飛び交っている。

 その意見の多くは、自身の政治的な立ち位置に依拠したものだ。衆議院議員の中山成彬氏(日本維新の会所属)は自身のTwitterで「各地の図書館でアンネの日記が破られているというニュースに、瞬間日本人の感性ではない、日本人の仕業ではないと思った」と発言。賛同と非難とを浴びている。また、民主党所属の衆議院議員・細野豪志氏(民主党所属)はTwitterで「『レイシズムとは戦う。表現の自由を守る。多様性を大切にする』安倍総理は、国際社会に対してメッセージを発するべきです。」と発言。これまた、賛同と非難の嵐になっている。

 こうした政治家の発言を中心に、妄想を膨らませる人は多く、ネットでは「反日工作の一環」「被害を受けている図書館がある地域は、どこもサヨクが強い地域」といった意見を表明する人まで出てきているのだ。

「内心の自由」をとがめる権利は誰にもないが、本サイトでの既報の通り、この事件にレイシズムの蔓延だとか、反日勢力の工作といった意図は、あり得ないだろう。実は、筆者と同じ取材源にあたっている大手メディアもあるようだが、やはり大手メディアでは「犯人は"刑事責任能力のない人"ですよ云々」と、図書館関係者が言っているとは書けないらしい。それに加えて「誰が何の目的で行っているかは、分からない」という日本図書館協会関係者の発言が報じられていることも、妄想を膨らませる原因となっている。

 さまざまなメディアの報道では、蔵書の損壊の数量や時期についても「被害の報告が1月に入って相次いだ」「二十日わかった」など多種多様な書き方をして、急増したかのように報じている。日本図書館協会に近い消息筋は、これを一蹴する。

「(本サイトの既報の通り)『アンネの日記』などホロコースト関連書籍が破かれる事例は、今までもありました。昨年5月以降、一部の図書館関係者の間では、執拗に破いている人物がいるという話は伝わっていました。当然、これまでの経験から、どういった人がやっているかは、想定できるものです。だからこそ、その事実が、政治的な意図を持った人に利用されることも容易に想定できたので、あまり騒ぎにしていなかったのです」

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