アニメ『ももくり』はなぜスマホで全26話一挙公開なのか? 挑戦的で斬新なその手法をとった理由とアニメの見どころを聞いてみた(2)

おたぽる / 2016年3月13日 18時0分

写真

 人気コミック『ももくり』は、アニメ化に際して、なぜスマートフォンで全26話一挙公開という珍しい手法をとったのか? そして従来のアニメファンともまた違う、comicoのファンたちは実際公開されたアニメに触れて、どんな反応が示したのか。

 もしかしたら、新しいアニメの発表形態が、ここから生まれていくのかもしれないアニメ『ももくり』インタビュー(座談会に近い気もするが)。前回に続いて平池芳正監督、サテライト・金子文雄プロデューサー、comico事業本部・岩本昌子プロデューサーにお話を聞いた。

―― 今作はスマートフォンのみの視聴を前提にしています。レイアウトで画面の情報量など、かなり調整されたのではないかなと思ったのですが。

平池芳正(以下「平池」) 最近は40インチ前後のTVで見てもらうことを意識して作りますが、『ももくり』に関しては、気になったところは携帯の画面サイズを意識しながら進めていました。アップの寄せ具合とか、引くにしてもどこまで引くのか。いつものレイアウトより調整している部分はあります。

―― 自分も「これはやっぱりスマホの小さい画面を想定しているんだな」と感じました。

平池 映像としては40インチくらいのモニターでチェックをしていて、手を抜いているわけではないんですけど、そもそも原作が不必要な情報を、スマートにカットしているんですよ。カメラが向けられているキャラクター以外の情報を、上手にオミットしていて、アニメもそれを取り入れる画面構成をしているのでそう感じられるのかもしれません。

金子文雄プロデューサー(以下「金子」) 加えて、原作の背景がイメージで描かれているシーンを、アニメでも再現しようと考えていました。我々としては、背景をキッチリと描きたくなってしまうんですけど。

平池 それも、スマホで見るときの見やすさにつながる部分です。そこで背景を描き加えてしまうと、特にデザイン的な背景の良さは損なわれるので、原作の、“キャラにスポットを当てる”手法を尊重した結果です。もちろん、大画面で見たとしても、「手抜き」と思われてしまうような画面作りはしなかったつもりですけど。

―― お話を聞いていて、映像化に相性がいい原作コミックだったのかなぁ、という気がしてきました。

平池 相性はいいと思いますけど、難しいのが、「本作の何が面白いのか」を、簡潔に定義しにくいところ。単純に一つは、ももくんと栗原さんのやり取り、表情感だと思うのですが、そういった魅力は、雰囲気が原作とずれると面白さがスポイルされてしまう。だから今回はつき合いのある大島(美和)さんにキャラクターデザインをお願いしたんです。例えば栗原(雪)さんでいうと、おっとりとした可愛い子で、たれ目でホワッとした感じに描きたくなるタイプのキャラクターなんですが、よくよく見るとじつはキリッとしていたり、目がたれるということはほとんどない子なんです。ももくん(桃月心也)も可愛い子なんですけど、眉はキリッとしているし、目も吊りあがっている。アニメーターが「この雰囲気だとこう描く」みたいなところからはズレているんですよ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング