『関西援交』も児童ポルノじゃなくなる? 児ポ法改定審議から見えた新たな疑問

おたぽる / 2014年6月24日 12時0分

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 いよいよ成立した児童ポルノ禁止法改定案。ひとまずは、マンガ・アニメの規制は見送られ、所持に関してもかなり限定的な内容へ持ち込むことはできた。

 それでも、冤罪への危惧については決して去ったとはいえないし、さまざまな問題が残っている。

 今回の改定案では、衆参両院の法務委員会で多くの時間を割いて質疑が行われた。この質疑によって、同法の運用に関する相当のFAQが作成されたことになる。けれども、17日に行われた参議院の法務委員会では、まだ危惧が残っているということを強烈に感じさせた。

「この場合は所持に該当するのか」「この場合は捜査されるのか」という質問に対して「個別具体的に」などの言葉を用いて、実際に事件が起こってみなければわからないという内容の回答が繰り返されたのだ。

 なによりも気になったのは、法務省、警察庁などが「刑事訴訟法に基づいて」という言葉を用いて、捜査を行う権利があることを述べたこと。つまり、結果的に児童ポルノを所持していることが性的好奇心を満たす目的ではないということだと判明したとしても、捜査は行われるというわけである。

 つまり、所持が性的好奇心に基づくものだったか、あるいはそうでなかったかは、裁判所が判断するもの。その前提として、家宅捜索が行われたり逮捕される可能性は残ってしまったのだ。

 また「児童ポルノ」の定義についても曖昧な部分が残る。参議院の法務委員会で民主党の小川敏夫議員の「すでに死んでいる、死体は児童ポルノに該当するのか」という質問に対して発議者から「規制対象となる児童が生存していることが条件である」とする旨の発言をしている。となると、被写体がすでに死亡しているものは児童ポルノに該当しないことになる。

 そこで思い浮かぶのが『関西援交』だ。これは、2003年頃から話題となった中高生を被写体とした、文字通りの「児童虐待描写物」。裏ビデオやファイル共有ソフトを通じて爆発的に流通し、知名度を誇ったシリーズだ。この「映像」では、被写体となった少女が自殺しているものがある。ということは、やはり被写体が死んでいるから、こうしたものも児童ポルノには該当しないということになるのか......?

 そもそも、学術や報道目的で所持している場合は該当しないというが、これもどこまで守られるのか、疑問が残る。特に、筆者のような組織に属さない立場で報道を行っている身では、危惧が高まるばかり。もちろん、これだけ報道しているのに児童ポルノの単純所持を理由に逮捕するのなら、最高裁まで戦うつもりだが。
(文/昼間 たかし)

おたぽる

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