青森県で「Saiアニメサマーフェスティバル」初開催 大間原発の動向に佐井村の心中やいかに?

おたぽる / 2014年6月25日 8時0分

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 6月21日と22日の2日間、TOYAKOマンガ・アニメフェスタ2014が開催された。TOYAKOマンガ・アニメフェスタは、北海道虻田郡洞爺湖町にて、2010年に洞爺湖温泉の誕生から100年となったことを記念した一環として開催されたものだが、それ以降も好評にこたえるかたちで毎年開催してきている。コスプレ、同人誌即売会、痛車と二次創作的なイメージもあるものの、声優トークショーやアニソンなど、徐々に商用色も強まってきた。今回はKADOKAWAとGAINAXが協力している。

 一方、海を挟んだ青森県下北郡佐井村では、イベントの初開催に向けて準備が進んでいる。8月15日、本州最北のポップカルチャーイベントと銘打つ「Saiアニメサマーフェスティバル」が本番を迎える。こちらもイベント内容としてコスプレ、痛車、アニソンなどが挙がっている。

「Saiアニメサマーフェスティバル」を企画した村木伊織さんは、北海道大学大学院の国際広報メディア・観光学院で学んだ。同大学院は『アニメ・マンガで地域振興-まちのファンを生むコンテンツツーリズム開発法』(東京法令出版)などの著書が話題となった山村高淑さんが教授を務めていることでも知られる。村木さんは早速、佐井村の村おこしとして、学んだことを自ら実践する機会を作ったのである。

 青森県を舞台としたアニメ・マンガ・ゲームとしては、アニメでは『雲のむこう、約束の場所』、マンガでは『シャーマンキング』(同県のむつ警察署マスコットとして、本作のキャラ・恐山アンナが採用されている)、ゲームでは『CLANNAD』などが知られている。また平川市の日本庭園「盛美園」は、アニメ『借りぐらしのアリエッティ』の舞台モデルとなったことで観光客が増えた。一方、青森県立美術館は10年に企画展「ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ」を開催し、島根と静岡にも巡回して注目を集めた。今年は続編に位置づけている企画展「美少女の美術史」を7月12日から開催する。

 とはいえ青森県は他県ほどそれらの関連が多いイメージを持たれていないため、初開催となる「Saiアニメサマーフェスティバル」は貴重なイベントになりそうだ。それと同時に、別の側面からでも気になる人もいることだろう。佐井村は、下北半島の北端である大間町と隣接しているからである。

 大間町は、漁港で水揚げされるマグロが「大間マグロ」の名でブランド化している。築地の初セリで「すしざんまい」が競り落とす価格についての話題で思い出す人もいるに違いない。ところが、あの大間原子力発電所の建設が進んでいる町でもある。対岸の北海道函館市は、大間町と20kmばかりしか離れていないことから、目下、原発の建設差し止めを請求しているところである。

 16年に東北新幹線が新青森から新函館北斗まで延伸することで、北海道新幹線が誕生する予定になっている。一方、津軽海峡フェリーは1988年の青函トンネル開通後も青森と函館を結んでいるが、大間と函館を結ぶ航路もある。昨年、東京ゲームショウ2013では神奈川工科大学が開発した北海道から送られてくる特産品を青森が迎撃するゲーム『アオモリズム』が大いにウケていた。しかしリアルの現状に関しては佐井村および「Saiアニメサマーフェスティバル」も心中穏やかとはいかないのではないだろうか。すでにアニメ・マンガは地域振興の立役者として、大いに活躍をしている。こうした地方イベントを楽しむのはもちろんのこと、遊びに行った際にはその地域について想いを馳せるのも、"聖地巡礼"の醍醐味のはずだ。
(文/真狩祐志)

■「Saiアニメサマーフェスティバル」
http://sai-anifes.jp/

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