もはや国内よりも上手い!? 中国・韓国への動画外注から見えてくる“国内アニメーター空洞化“問題

おたぽる / 2014年10月31日 22時0分

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――日夜アニメが放送・放映され、盛り上がりを見せるアニメ文化。そんな中、アニメに関する事件や風聞、ムーブメントが話題になることも数知れず。それでは、実際にアニメの"中の人"はそんな万物事象をどう見ているのか? アニメ業界に身を置く安康頂一(仮名)が、大きな声ではいえないあんなこと、こんなことをひそひそと語ります。

  新クールになり多くのアニメ作品の放送がスタートすると、ファンの間で熱く語られるのが"作画"の話題。本来はアニメの質を決定する1つのファクターにすぎませんが、"作画厨""神作画""作画崩壊"といった数々のスラングが示すように、原画・動画をひっくるめた作画クオリティを重視する風潮には根強いものがあるようです。

 そうした関心の高まりとともに、動画・仕上げの工程を中国や韓国などに外注していることも広く知られるようになりました。今回はさらに突っ込んで"海外への外注の実情"と、そこから見えてくる"国内アニメーターの空洞化問題"を、ギョーカイの隅っこに身を置く者として少し語らせてもらおうと思います。

■海外の動仕会社に依頼するメリット

 中国や韓国への動画・仕上げの外注は、筆者が知る限り30年以上も前から当たり前に行われています。例えば、少し特殊な形態ですが、今から約40年前の1968年から放送されたテレビアニメ『妖怪人間ベム』は、日本のスタッフが渡韓して現地スタッフを指導しながら制作されていました。まず、アニメ業界には、海外の動仕会社(動画や仕上げ=彩色を専門にする)との窓口になる会社が複数あります。そこに依頼して原画を引き渡すと航空便で現地へ送られ、数日あるいは中1日程度のスピードで、数百枚の動画が彩色まで終わって帰ってきます。これは国内の動仕会社を使うと、ほとんど不可能なスケジュールです。

 近年では彩色済みデータをネット経由でやりとりできるため、利便性はさらに向上しています。それを海外の動仕会社は、国内と変わらない単価で受けてくれるのです。もちろん窓口会社の取り分があるので、現地アニメーターの実入りは国内よりいくらか少ないはずですが。

 海外に動仕を外注することは逼迫したスケジュールを救う半面、動画検査という工程をすっ飛ばすため、国内での作業に比べクオリティは一段劣るものとされ、"三文字作画"と揶揄されることもありました。ところが昨今は、充分なスケジュールで国内に発注した動画より海外動画のほうが上手いことがある、という声が現場で聞かれます。

おたぽる

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