伝説の“描かないマンガ家“は復活できるのか? 山本夜羽音がマンガ家復帰支援ファンドに登場

おたぽる / 2014年11月17日 18時30分

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 もはや"描かないマンガ家"が肩書になってしまったマンガ家の復活を支援する試みが、絶版マンガ図書館の「JコミFANディング」で行われている。絶版マンガ図書館を運営するマンガ家・赤松健氏の説明によれば、「JコミFANディング」は、「少数の選ばれたファン層から少しお高いお布施を集めるモデル」。

 このプロジェクトでは、これまでも人気マンガ家の絶版になっている名作をDRM(デジタル著作権管理)なしで提供するほか、マンガ家本人との飲み会に参加する権利などを提供して、ファンから出資を集めることに成功している。なお、収益はすべてマンガ家本人に還元されるシステムだ。

 その中で、今回初めて試みられているのが、「マンガ家として復帰したい」という思いを応援するファンド。その対象となったのが、山本夜羽音氏である。

 反天皇制運動など、数々の政治的活動を経験した後にマンガ家・山本直樹氏に弟子入りしてマンガ家としてデビューした山本氏。1990年代後半には「極左エロマンガ家」として注目され、児童ポルノ法問題など、"表現の自由"に関わる問題にも積極的に参加してきた。しかし、近年は完全に休業状態。最後に世間に注目されたのは、2008年10月に当時の麻生太郎首相が秋葉原駅前で演説を行った際、「とっとと解散しる!!!」と書かれた自作のプラカードを掲げて抗議した事件である。しかし、それももう6年も前の話だ。

 その間、山本氏の活動はマンガから遠ざかっていた。2011年3月の大震災に際して山本氏はボランティア団体「おたぱっくQB」を立ち上げ、被災地の子供たちに、マンガ・アニメ・ゲーム・おもちゃを贈る活動を行った。それに限らず、さまざまな社会運動に"連帯"し、熱い魂を燃やしていたが、それと共に彼はどんどん創作から離れていっていた。

「......この6年間は、ほぼ消えてきた。"描かないマンガ家"という自虐も大概にしなければならないということは、自覚している」(山本氏)

 取材に応じた山本氏はこう言って話し始めた。とにかくここ10年あまりの間、マンガ家としては先の見えないスランプ状態にあったことは、彼自身も自覚している。

「描きたい作品が描けないまま、ズルズルと来ていたと思う。商業デビューしてから、比較的自由に描かせてもらっていたが、そこにあぐらをかいていたのだと思う。自分では、商業的な作品を描いていたつもりだったのだが、そうではなかった......」(同)

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