虫に取り憑かれるコミュ障の『ムシヌユン』から転生して罪を償い続ける『懲役339年』まで!2014年良マンガ

おたぽる / 2014年12月16日 2時0分

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 世間では、今年も『このマンガがすごい!2015』(宝島社)が発表され、話題となっている。そんな中、去年に引き続き、今年読んで個人的に"すごい!"と思ったマンガを、独断と偏見で紹介させていただきたいと思う。

 まずは『ムシヌユン』(都留泰/小学館)。

「昆虫博士」になることを夢見る主人公が、夢破れ故郷の日本最南端の島へ帰ることになる。その島は、世紀の天体ショーを見ることができる日本唯一の場所であり、観光客が大勢訪れ大いに盛り上がっていた。そこで、主人公は初恋の女性と再会して。
 ......なんて書くと、普通のマンガのような感じがしてしまうけど、全然違う。主人公はコミュニケーション能力が欠如した、卑屈な青年。虫に取り憑かれているが、結果、本当に虫に取り憑かれてしまう。夢か現か。巨大球状星団。南国。虫。異様なる器官。セックス。読めば読むほど、話がどこに向かっているのか、何が描かれようとしているのか分からなくなる。しかしこれが面白いのだ。やみつきになってしまう。でも、面白さを伝えるのが、とても難しいマンガなのである。

 2冊目は、『あれよ星屑』(山田参助/エンターブレイン)。

 こちらは第二次大戦直後の東京を舞台にした物語だ。1巻では、軍隊仲間の川島徳太郎と黒田門松の出会い、そして戦後の生活を描く。続く2巻では、過去にさかのぼり軍隊時代の話が描かれた。

 RAA(特殊慰安施設協会)の話、闇市での食料確保、"パンパン"(街娼)をして暮らす女性たち、刺突訓練、斬首......。

 歴史をとても詳しく調べて描かれていると思うが、ただその史実を資料的に並べているわけではない。生身の人間が戦争で生き、戦後に生きた、その匂いが漂ってくるような作品だ。スッキリしているのに、とても濃い、本当にいい絵だ。絵を眺めているだけでも、しばらく飽きないと思う。

 3冊目は『大金星』(黒田硫黄/講談社)。

 作者・黒田硫黄の『茄子』は本当に好きな作品である。1話目を読んだ時に、ガンッと頭を殴られたような衝撃を受けた。逆立ちしたって思いつかない、とても素晴らしいストーリーだった。読んでいない人は今すぐ本屋に行くか、電子書籍でダウンロードして読むように。

 そんな黒田硫黄の短篇集である『大金星』では、、その中の1作品に『茄子』のスピンオフ作品が収録されている。ジブリでアニメ化もされた『アンダルシアの夏』の主人公ペペ・ベネンヘリの兄、アンヘルの物語だ。『茄子』のファンは絶対読まにゃならぬ作品である。

おたぽる

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