もはや定期ポスト!? BBC記事「なぜ日本は児童ポルノマンガを禁止していないのか?」を読み解く

おたぽる / 2015年1月8日 22時0分

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 1月6日、イギリスの公共放送局BBCがウェブに掲載した記事「なぜ日本は児童ポルノマンガを禁止していないのか?(Why hasn't Japan banned child-porn comics?)」が、注目を集めている。

 この記事は、記者による同人誌即売会・サンシャインクリエイションへの取材と識者らのコメントで構成されるもの。取材で即売会を訪れた記者は、即売会の様子を「9~11歳、あるいはそれよりも幼く見える少女が、あからさまな性行為に従事する物語(引用者補足:を展示している)」「これら【引用者註:幼く見える少女の性的な創作物など】は、イギリスや、オーストラリア、カナダでは物議をかもし、おそらくは違法となるが、ここでは問題とはされない」と記述する。さらに、記事ではイベント主催者のひとり、Hide氏の言葉として、次のように記す。

「私は若い女の子を扱った性的創作物が好きなんです。ロリコンは、たくさんある私の趣味のうちの一つですよ」

 続けて、記事は2014年に日本では児童ポルノの所持が禁止されたが、マンガ・アニメ・ゲームは禁止されず、とりわけ海外の児童保護活動家やNGOから非難されたとする。そして、賛否両論の識者のコメントや児童ポルノ禁止法に関するデータ(イギリスから21年遅れて施行されたなど......)を挟んだ後、この記者は、2020年の東京オリンピックを契機として「外から日本のマンガやアニメを見る目は、"クールなジャパン"から"気色悪い日本"へと変わるだろう」と述べるのである。
 
 この記事から受ける印象は「またか」の一言に尽きる。イギリスを始め、諸外国のメディアから日本のマンガ・アニメ文化が奇妙なものとして受け止められ、批判的なスタンスで報じられてきたのは、今回が初めてではないからだ。

 同BBCでは、2014年の児童ポルノ禁止法改定にあたって「日本で児童ポルノ画像を違法化―ただし、マンガは含まれず(Japan outlaws child porn images - but not in comic books)」、日本の少子化を引き合いに出しながら「仮想の彼女とのセックスのほうが好きな日本男性(The Japanese men who prefer virtual girlfriends to sex)」といった記事を掲載してきたし、米ニュースメディア「The Daily Beast」が掲載した「児童ポルノ帝国・日本(Japan's Kiddie Porn Empire: Bye-Bye?)」も、昨年9月『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)の「ロリコン&暴力 アニメに規制は必要か?」というテーマの回で取り上げられ、話題になった。この種の話題は、定期的に上がっては批判と賛同を集めて盛り上がり、なんの終着点も見せないまま、議論が立ち消えていくのが常だ。

 ともあれ、この記事にはいくつもの奇妙な記述が見られる。最も注目すべきは「これら【引用者註:幼く見える少女の性的な創作物など】は、イギリスや、オーストラリア、カナダでは物議をかもし、おそらくは違法となるが、ここでは問題とはされない」と記している点だ。これまでの筆者の記事でも書いてきたように、何をもってポルノ表現とするのか、児童ポルノに該当する基準は、その国の文化や習俗によって大きく異なる。

 ところが、この記事の背後に見えるのは、そうしたお国柄の違いを無視して自己の価値観を押しつけようとする傲慢さだ。公正な報道を行っていると評価されるBBCですら、イギリスという国が近代以降の歴史で積み重ねてきた傲慢さという枷から逃れられないことを、この記事は示している。
(文/昼間 たかし)

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