“架空の続編企画“に激レアガレージキットも...!“怪作“『クーロンズ・ゲート』18年の時を経た原画展レポ

おたぽる / 2015年6月26日 19時0分

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『クーロンズ・ゲート』というゲームソフトをご存じだろうか。1997年、ソニー・ミュージックエンタテインメントから発売されたPlayStation用アドベンチャーゲームである。その名の通り、香港の九龍城砦をモチーフにしたアジアンゴシック的世界観、見た目も性格も奇怪すぎる登場人物たち、哲学や陰陽思想を引用した難解なテキスト群などによって、ゲーム史上に唯一無二の存在感を残す名作にして"怪作"だ。

 この『クーロンズ・ゲート』の設定資料集が発売されるらしい、という情報を耳にしたときは驚いた。ソフト発売から18年、続編やリメイクが作られているわけでもない作品の設定資料集が出るのは異例だろう。21世紀になっても『クーロンズ・ゲート』の世界が忘れられない"陰界"の住人、もといファンの多さが想像される。もちろん、筆者もそのひとりなのだが。

 というわけで、中野ブロードウェイ2Fのギャラリー・pixiv Zingaroにて開催されている、『クーロンズ・ゲート』設定資料集『KOWLOON'S GATE ARCHIVES』の発売を記念した原画展に行ってきた。

 壁一面に展示された原画とCG画。リッチやウェイなど個性豊かなメインキャラクターたちをはじめ、妄人(ワンニン/妄想に邪気が宿ったせいで"物"になってしまった人間たち)や鬼律(グイリー/邪気を宿して疑似生物化した"物"。主人公の戦う相手として登場)のデザイン画、建物の見取り図も。原画に書き込まれた「くさった肉色」「目玉は動かしたい」などのメモ書きが楽しい。

 会場中央には、当時販売された攻略本やノベライズ本、東京ゲームショウでのみ配布されたオリジナルビデオ、懸賞商品として作られた懐中時計などが展示されている。『クーロンズ・ゲート』のグッズは多くがプロモーション用として制作されたため、ほとんど一般流通していない。これを逃したら二度と見られないであろう品物も多い。

 この日は初日ということで、展示されている原画の描き手『クーロンズ・ゲート』のキャラクターデザイナーである井上幸喜氏も来場。話を聞くことができた。

「この奇妙な作品には、一回触れると一生おつきあいしていただかざるを得なくなってしまうような(笑)、そんな味わい深さがあるように思います。設定資料集のお話をいただいたときは正直『売れるのかな?』と思ったのですが、おかげさまでいい反響の中、発売まで至りました。今回展示している作品は当時、人に見せる予定なく自分のために描いていた絵ばかりなので、こうやって大勢の方にご覧いただく機会に恵まれてうれしいです。18年という長い歳月を経ての展示ですので、ファンの方はもちろんですが、新しいプレイヤーの方にもゲームの歴史を振り返るような気持ちでご覧いただければ、ゲームに携わるクリエイターとしてこんなに幸いなことはありません」(井上氏)

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