“変態““血塗れ“に加えて“BL“も! “両刀遣い“とも噂の江戸川乱歩、没後50年でも古びない『孤島の鬼』を読むべし!!

おたぽる / 2015年7月10日 17時0分

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 現在、テレビアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』が放送されるなど、没後50年ということで盛り上がっている江戸川乱歩。そんな中、BLを主力とする出版社・リブレ出版が、没後50年企画として江戸川乱歩傑作選をリリースする。全3巻で構成されるラインナップは、それぞれ「BL乱歩」「変態乱歩」「血塗れ乱歩」のテーマで刊行される。

 "変態"、"血塗れ"はまだ理解できるけど、第一弾は「BL乱歩」。そして、その収録作はとことん耽美と猟奇とを追求した乱歩の傑作『孤島の鬼』である。はて、この作品のBL要素とは......?

 まずは、未読の人のために、物語のあらすじを解説しよう。物語は、主人公・蓑浦金之助の回想から始まる。蓑浦はかつて体験した恐ろしい出来事が原因で、まだ30歳にもならないのに髪の毛が白髪になってしまった青年である。そんな彼は同僚の初代と恋に落ち結婚を決意するが、そこに割って入るかのように猛烈に初代に求婚する男がいた。その男は、蓑浦の学生時代の友人・諸戸道雄であった。医大卒の秀才で美青年の彼は、卒業後は裕福な実家の金で研究を続ける毎日を送っていた。蓑浦にとっては尊敬する先輩である諸戸。だが諸戸は、蓑浦に"友情ではない愛情"を感じていたのであった......。

 そうなのだ! かつて読んだことのある筆者も、後半から始まる同じく乱歩の傑作『パノラマ島奇談』と並ぶ耽美と猟奇の大博覧会にばかり目がいってたけど、BL要素も満載なのである。そして、今一度読み直すと、このBL要素は結構な熱を入れて書いてある。それもそのはず、乱歩自身、両刀遣いと噂されていた。その相手は、『パノラマ島奇談』『踊る一寸法師』などの作品で挿絵を担当した岩田準一という人物。乱歩は岩田と共に男色文献の研究に熱中し、恋慕の情を抱くまでに至っていたとの説もある。このことは、岩田の孫娘・岩田準子の著した創作小説『二青年図―乱歩と岩田準一』(新潮社)にも記されている。そして『孤島の鬼』は、二人が特に熱心に男色文献漁りを行っていた時期に書かれたのだから、なるほどBL描写が熱いのは当然だ。

 企画を担当した同社の入江恵子さんは、長らく乱歩の愛読者だという。そんな彼女は本作品のBL展開についても熱く語る。

「物語の後半から、どんどんBLになっていきます。イケメンハイスペックな諸戸が愛を隠していないのに、蓑浦のほうは鈍感というか、"小悪魔"なんです......。例えるならば、かつての『JUNE』で描かれたような雰囲気で、愛を受け入れようとしない蓑浦を『なんて酷い人』とまで思ってしまいます。そしてラストは......(ネタバレなので割愛)」(リブレ出版・入江さん)

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