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ペットボトルのお茶、「195ミリリットル」はなぜ人気になった? メーカーに聞く

オトナンサー / 2022年1月14日 6時10分

手に収まるサイズの「お茶、どうぞ。」

 お茶のペットボトル飲料は、500ミリリットルを超えるサイズの商品が定番となっています。日頃から、お茶を多く飲む人にとってはお得といえるでしょう。ところが、新型コロナウイルスの流行が始まった2020年以降、定番サイズの半分以下である「195ミリリットル」の商品が売れるようになったそうです。なぜ今、小容量サイズのお茶飲料に人気が集まっているのでしょうか。飲料メーカー2社に聞きました。

■来客向けのお茶として人気

 まずは、お茶ブランド「伊右衛門(いえもん)」を展開するサントリー食品インターナショナル(東京都港区)ブランド開発事業部の多田誠司部長に聞きました。同社は2019年2月から、195ミリリットルのお茶飲料「お茶、どうぞ。」を販売しています。

Q.「お茶、どうぞ。」を開発した狙いについて、教えてください。なぜ、サイズを195ミリリットルに設定したのでしょうか。

多田さん「企業が来客にお茶を出す際の労力を軽減するお手伝いがしたいと考えたからです。従来、来客時には社内にいる人が急須や湯飲み、グラスなどを使い、客にお茶を出すケースが多いと思いますが、その場合、業務を一時的に止めなければなりませんし、食器類の後片付けや洗浄も大変です。そこで、『来客にすぐ提供でき、後片付けも楽なペットボトル飲料』をイメージし、開発を始めました。

サイズを195ミリリットルに設定したのは、飲み切りや持ち帰りを想定したからです。例えば、来客に500ミリリットルのペットボトル飲料を提供しても飲み切れませんし、持ち帰ろうと思ってもかさばるので不便です。195ミリリットルであれば、その場で無理なく飲み切ることができますし、持ち帰る場合でも、かばんにきれいに収まります」

Q.飲み切りや持ち帰りを想定したのであれば、既存商品の小容量サイズを開発してもよかったのではないでしょうか。

多田さん「伊右衛門の既存商品をただ小さくしただけでは、お客さまが物足りなさを感じる可能性もあります。そこで、小さいサイズでも、飲み切ったときに満足していただくために、『お茶、どうぞ。』は伊右衛門の他の既存商品よりも味を濃くしています」

Q.売れ行きは。

多田さん「2019年2月に販売して以降、当社の予想以上に売り上げを伸ばしています。この商品は法人向けの通販サイト『アスクル』でのみ、取り扱っており、コンビニやスーパーなどの店舗では一切販売していませんが、2021年(1月~11月)の出荷本数は前年同期比の約1.8倍となっているほか、販売を開始した2019年(2月~12月で計算)の約4倍に増えました。売り上げが拡大している主な理由は、新型コロナウイルスの影響で衛生意識が高まったためだと分析しています。

急須でお茶を入れた場合、湯飲みへの接触機会が増えるほか、お茶が外気にさらされるため、衛生的にあまりよろしくありません。一方、ペットボトル飲料であれば、接触機会は減りますし、中身が密閉されているので、安心感があります。車の販売店や不動産会社など、客にお茶を出す機会が多い接客業の企業が購入するケースが非常に増えています」

Q.ところで、売り上げが伸びているにもかかわらず、なぜ、一般向けに販売しないのでしょうか。何かメリットがあるのですか。

多田さん「先述のように、法人向けに開発した商品だからです。今後も一般向けに販売する予定はありません。ありがたいことに『この商品をもらって飲んでみたが、どこに売っているのか?』といった問い合わせが毎週のように当社に寄せられますが、『法人向けの商品なので、店舗では販売していません』と返答しています。

一般向けに販売しないメリットとしては、店舗で見掛けない商品なので、お客さま同士のコミュニケーションツールにもなることなどが挙げられます。例えば、来客時に初対面の人に会うときはお互いに緊張することもあるかもしれませんが、そんなとき、『お茶、どうぞ。』を出せば、初めて見た相手は『何だこれ?』『サイズが小さい』と思いますし、それを機に会話が始まることもあるでしょう」

Q.今後、新型コロナウイルスが収束した場合、商品の売り上げに影響はあるのでしょうか。

多田さん「新型コロナウイルスが収束しても、売り上げが大きく下がることはないと思います。衛生意識はすぐに下がらないと思いますし、小容量のペットボトル飲料に一定の需要があると分かったからです。例えば、企業の中には来客用だけではなく、社内での会議時や飲食時に出席者に提供する目的で購入するケースも増えています」

■「お~いお茶」で有名な会社も…

 他社でも、小容量サイズのお茶飲料の販売に力を入れています。伊藤園(東京都渋谷区)は昨年12月、195ミリリットルの「お~いお茶 緑茶」(希望小売価格は税込み123円)を発売しました。同商品は280ミリリットルや350ミリリットルなど、さまざまなサイズがあります。同社マーケティング本部緑茶ブランドグループ商品チーフ、鍋谷卓哉さんに聞きました。

Q.すでに、280ミリリットルの「お~いお茶 緑茶」を販売している中、195ミリリットルの商品を新たに開発した狙いについて、教えてください。

鍋谷さん「コロナ禍において、『お客さまへのお茶出しができない。小容量のペットボトルはないのか』といったお話を頂くことが増えました。そこで、短時間で飲み切る場面や衛生面への配慮が必要と考えられる飲用場面において、小容量でキャップの開け閉めができるペットボトルに需要があると考えました。

また、以前から、社内でも『高齢になった両親から、280ミリリットルでも多いと言われる』といった声があったことも商品化のきっかけとなりました」

Q.高齢の人が飲む場合は195ミリリットルの方が適しているとは思いますが、来客への提供を想定した場合、280ミリリットルでも十分対応できるのではないでしょうか。

鍋谷さん「商品開発の過程で、1時間程度の会議でどれくらいの量のお茶を飲むのかを実践しました。すると、280ミリリットルだと、1口分残ってしまったほか、当社の女性社員からは『280ミリリットルでは多い』という声が多く上がりました。このほか、『少量でも残したくない』という声もあり、より、飲み切りやすい容量として195ミリリットルを採用しました」

Q.売れ行きは。

鍋谷さん「来客時や会議時に飲料を提供する法人さまをはじめ、サービス業態への取り扱いが広がっており、今後の需要の高まりに期待できます。また、当社の営業担当者からは『郊外の店舗を中心にケース販売が好調』という声が多数上がっています。主にシニアの人や家族連れの人が購入しており、『外出時に水筒代わりとして購入している』という持ち運び需要もあるようです」

オトナンサー編集部

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