食欲の秋でも…毎食おなかいっぱいに食べると、どんな健康リスクがある?

オトナンサー / 2020年10月29日 8時10分

 秋は食べ物がおいしい季節です。つい食べ過ぎてしまい、体重が増えたり、おなかを壊したりして後悔した人もいるのではないでしょうか。ところで、毎食、おなかいっぱいになるまで食べ続けた場合、どのような健康リスクが生じるのでしょうか。また、食べる量を増やせば増やすほど胃袋は大きくなるのでしょうか。食事の注意点について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

■逆流性食道炎になるケースも

Q.そもそも、毎食、おなかいっぱい食べるのは体に悪いのでしょうか。また、満腹になるまで食べることを続けると、どのような健康リスクが生じるのでしょうか。

市原さん「毎食、満腹になるまで食べ続けると体に悪影響を及ぼします。カロリー過多になることが多く、肥満につながるほか、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病になる可能性も高くなります。また、満腹の状態では胃酸が食道に逆流しやすくなり、逆流性食道炎を誘発することも考えられます」

Q.食べ物がおいしいと箸が止まらないこともありますが、なぜ、食べ過ぎてしまうのでしょうか。

市原さん「おいしいものだと、たくさん食べられるのは自然なことです。好きな食べ物の場合は、空腹でなくても、あるいは満腹になっても食べてしまうことがありますが、これは単純に偽物の食欲で嗜好(しこう)の癖です。おいしいものを食べると、脳内で『β-エンドルフィン』というホルモンが分泌され、それにより『ドーパミン』(食欲を引き起こすホルモン)が刺激されて食欲が増します」

Q.理想的な食事の量について教えてください。また、食べ過ぎを防ぐためのコツはありますか。

市原さん「世間でも言われているように『腹八分目』が理想的です。『もう少し食べられるけどやめておこう』といった感じのときに食事を終えた方がいいでしょう。また、食事開始から20分ほど経過すると食欲抑制ホルモンの『レプチン』が分泌されるため、ゆっくりとよくかんで食べることも大切です。糖質をある程度摂取した方が食欲が抑制されるため、食べ過ぎを防ぐことを重視する場合には、糖質制限は避けた方がいいでしょう」

Q.親や教師が「たくさん食べないと大きくなれない」などと、子どもにたくさん食べるよう促すことがあります。やはり、無理に食べさせるのは健康上よくないのでしょうか。また、たくさん食べさせることで本当に体は成長するのでしょうか。

市原さん「確かに、子どもにたくさん食べるように促すことはよくあります。子どもが部活動などで激しい運動をしている場合には、たくさん食べても、きちんとカロリーを消費できていると考えられるため、問題はないと思います。しかし、おなかがいっぱいなのに無理に食べさせることは子どもでもよくありません。

そもそも、成長期の子どもの場合、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する必要があります。また、骨の成長にはカルシウムが大切です。例えば、米を何杯も食べるのではなくて、おかずや野菜も適量をきちんと食べることが大切です」

Q.「食べる量が増えると胃袋が大きくなる」と聞いたことがあります。食べる量を増やせば増やすほど、胃袋は大きくなり続けるのでしょうか。

市原さん「胃は食べ物が入ったときに伸びて大きくなり、食べ物の消化が終わると小さくなります。つまり、食べ物の摂取と消化に合わせて伸縮するだけで、胃そのものが大きくなることはありません」

Q.ではなぜ、大食いの人はたくさん食べ続けることができるのでしょうか。力士の人たちが「たくさん食べて体を大きくした」ということもよく聞きます。

市原さん「大食いの人は胃の伸縮の程度が大きく、食べ物が腸に移動する時間も短いことが多いです。力士の人たちも胃が伸びる程度については多少鍛えられるでしょうが、やはり、胃そのものは大きくはなりません」

Q.学生時代にたくさん食べる習慣が身に付いた人は社会人になってから、太ることが多いという話も聞きます。

市原さん「学生時代のように部活動などで運動することがなければ、消費エネルギーは減ります。また、年を取るごとに基礎代謝も減っていくため、社会人になってからも学生時代と同じ食生活をしていたら、太るのは当然です。なるべく、若いうちから『腹八分目』の食事を心掛けましょう」

オトナンサー編集部

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング