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矢野未希子、「VERY」新カバーガールは時代を変えるのか?

OTONA SALONE / 2019年9月20日 21時0分

「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」のキャッチコピーでおなじみ、女性誌「VERY」(光文社)。出版不況という言葉が聞かれるようになって久しいですが、そんなのどこ吹く風と売れまくっているようです。

 

矢野未希子に基盤はあるのか?

ここで言う基盤とは、夫とかわいい子どものこと。こういう人たちの存在のおかげで、強く優しく美しくなれるという意味だと私は勝手に理解しております。

 

逆に言うと、基盤のないオンナ、もしくは基盤がぜい弱(ダンナがヘボい、子どもの出来がいまいち、子どもがいない)な人はお断りの雑誌と言えるのかもしれません。

 

このキャッチコピーを最初に掲げた2008年5月号は前年実売の130%アップになったそうですから、女性にとって、夫と子どもという意味の“家族”がいかに重要な存在かがわかると言えるでしょう。

 

現在、「VERY」のカバーガールを務めているのは、タキマキさんこと、滝沢眞規子。彼女が12月号をもって、カバーガールを卒業することが発表されました。

 

後任は矢野美希子32歳。独身時代は、「non-no」(集英社)などのモデルとして活躍しました。

 

芸能事務所社長と結婚していますが、今のところ、お子さんはいません。基盤のない女性をカバーガールに持ってきたことには驚きましたが、お子さんが三人いたタキマキさんと違ってキャラが立つという意味で、非常にいい人選ではないでしょうか。

 

「VERY」のコンセプトが「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」である以上、「VERY」に参加するモデルは、家庭円満な女性であると思われがちです。しかし、実は「VERY」モデルは結構な割合で離婚していることをご存じでしょうか。

 

VERYモデルの離婚率が案外高いワケ

たとえば、チコさんこと黒田知永子。

 

学生時代は「JJ」(光文社)モデルとして活躍し、アパレル勤務の男性と結婚。お子さんの手が離れた30代半ばで「VERY」のモデルとして人気を博します。

 

ご主人やお嬢さんは仕事に理解があり、仕事で遅くなるときも二世帯住宅なので、そちらでお嬢さんを見てもらうという、かなり仕事がしやすい環境。にも関わらず、2007年に離婚をします。

 

週刊誌は、原因をチコさんの大物キャスターとの不倫としていましたが、密会の証拠写真があったわけではありませんから、噂話の域を出ません。

 

離婚なんてして、大丈夫なのかな。でっかいお世話ながら、私は思ったのでした。「VERY」のモデルはただの美しいモデルではダメです。やさしいダンナとかわいくて優秀な子どもがいなければ「看板に偽りあり」になってしまうはず。

 

しかし、これは「仕事を失うかもしれないのに、それでも離婚したかった、もしくはせざるを得なかった」と見ることもできるでしょう。

 

その原因は夫婦によって違うでしょうから、他人がうかがい知ることはできませんが、状況証拠から考えると、ある意味「VERY」のモデルは、一番離婚に近い位置にいる気もしてくるのでした。

 

家事や育児の分担という意識すらない時代に、専業主婦をしていたら自分を殺したことも一度や二度ではなかったことでしょう。

 

それが子どもの手が離れて、チャンスをつかみ、華やかな世界に戻ったら、青春が戻ってきたような気がするのではないでしょうか。しかし、家に帰れば、専業主婦として滅私奉公的な日々が待っている。その落差に耐えることができるのかなと思ってしまうのです。

 

妻の成功を夫が必ず喜ぶとも言い切れません。もしかすると、妻の成功を夫がやっかんで、不仲になることだってあるかもしれません。

 

チコさんの離婚以降、「VERY」のモデルは離婚する。こんな仮説を立てての追跡調査(大げさ)を始めたのですが、実際に彼女たちは離婚をしています。

 

離婚した人をざっとあげてみます。秋本祐希(元夫は西武ライオンズの野球選手)、畑野ひろ子(元夫は俳優の柏原崇、現在はサッカー選手と再婚)。平子理沙(元夫は俳優・吉田栄作)。

 

プロ野球選手・清原和博氏と結婚し、一気に知名度を上げた亜希。

 

お子さんをお受験界の東大に入学させ、一気にカリスマ性が高まりますが、その一方で夫の不倫を週刊誌に撮られてしまいます。この時は静観していたようですが、夫に薬物使用疑惑が報じられると、早々に離婚をしています。

 

クリスウェブ佳子も最近離婚を発表したばかり。

 

なぜVERY妻は離婚を選ぶのか。その驚くべき要素とは、次ページ

条件より、幸福感の時代?

カバーガール級のモデルは離婚すると、そっと「STORY」(光文社)に“転校”しますが、多くのモデルは「離婚したなら、即出て行ってもらいますから」という退学処分にはなっていない。

 

それは、離婚件数が増えて「離婚が悪」というイメージが薄れてきたことに加え、読者もうすうす気づいてきていると思うのです、条件が完璧な幸福をもたらすわけではないことを。

 

もちろん条件は大事ですが、加えて幸福感がほしいと思っているのではないでしょうか。

 

アラフォーが20代だった頃は、バブルの名残もあって、「幸福イコール条件」と考える人も多かったと思います。どこそこのバッグを持っているから幸せとか、彼氏がどこそこに勤めているから、私のほうが上とか。

 

「幸福イコール条件」という考え方は、幸福かどうか他人に証明できなければいけませんでした。

 

超のつく努力家で運にも恵まれた人は、どんどん幸福と呼ばれる条件を手に入れることができるでしょう。しかし、そこで気づくと思うのです、人より多く持っている人ほど、たやすく口にできないことに。

 

自分より“下”の人に言えば、そんなつもりがなくても自慢だと思われて反感を買うかもしれませんし、自分と同じくらいの人に言うことは、「自分の手の内を明かす」ことと一緒ですから、何かの折に出し抜かれるかもしれません。自分より“上”の人に言えば、鼻で笑われるでしょう。

 

しかし、幸福感に証明書はいりません。自分さえ「幸せだ、楽しい」と思ってしまえば、それでOK。むしろ「昨日、夫とお茶漬け食べた」程度の、特にオチのないことのほうが好ましいのです。なぜなら、相手の嫉妬心をあおることがないので、相手も気楽に「いいね」と言えるから。その分、多くの人の支持を集めることができるでしょう。

 

SNSの出現で、私たちは多弁になり、自分のことを話したい欲求に一日中さいなまれています。語れない条件的な幸福よりも、語れる幸福感を選ぶ人のほうが多いのではないでしょうか。

 

往年の「VERY」ファンには、もしかして今のところ子どものいない女性がカバーガールというのは、納得いかないかもしれません。しかし、手のかかる子どもがいないからこそ、夫婦として慈しみあう日常を見せられる、つまり「VERY」初の幸福感を醸し出すカバーガールになるかもしれません。

 

女性誌は、独身VS既婚というふうに、対立をあおることがありました。そちらのほうが雑誌が作りやすかったことは確かでしょう。しかし、今はそういう四角四面なくくり方や分断をよしとしない時代です。女性誌が女性のメンタリティーに与える影響はすごいと思う私にとって、今回の決断は時代を変えるやもしれぬと思うのでした。

 

≪フリーライター 仁科友里さんの他の記事をチェック!≫

 

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