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カルシウムサプリはNG?「骨粗しょう症」対策の正解とは|医師に聞く更年期#4

OTONA SALONE / 2020年2月5日 21時0分

なんだか漠然とした「更年期」をハッキリさせながら、更年期を楽に乗り切る為の5つの方法を、栄養療法や腸内フローラの最新情報も取り入れながら、医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗が全6回シリーズでお伝えします。

今回は、骨粗しょう症予防に、更年期に摂りたい栄養素について。カルシウムだけ摂っていても無駄なだけでなく、害になります。

【医師が教える「更年期の乗り切り方」 vol.4】

栄養は腸をキレイにしてから摂る

前回は、更年期症状を改善するだけでなく、同窓会でびっくりするほど若見えする為に、腸内環境を改善することが、健康と美容への根本的なアプローチになることをお伝えしました。

 

腸内環境が改善されないことには、せっかく口からいい栄養を摂っても、うまく吸収されませんから、ファーストステップでまず、腸をキレイにする。

 

その次に、栄養素をプラスするという順番です。

 

カルシウムだけを摂ればOKという誤解

ここで、大きな誤解があるのが、骨粗しょう症を予防する為に、「カルシウムを摂ろう!」と多くの人が考えていること。

 

このセリフの中には、「カルシウムだけ摂ればOK」というニュアンスが含まれていて、そこが問題です。

 

カルシウムは、ミネラルの一種ですが、ミネラルは単独で働くものではありません。

 

他のミネラルと協力しながら働くので、これらをバランスよく摂らなければ意味がないのです。

 

カルシウムサプリメントが害になる

意味がないだけならまだ良いのですが、カルシウムは単独で摂るとむしろ動脈硬化を引き起こす可能性があるのです!

 

サプリメントとしてカルシウムを単独で摂取してしまうと、骨には使われず、石のように血管の壁にたまってしまい、動脈硬化を起こして心臓病のリスクを高めることがわかっています。

 

無意味なばかりか害になるとは、こういう訳です。

 

頑固な骨よりしなやかな骨を

それに、骨を強くするには、ミネラルだけでなく他の栄養素も不可欠です。

 

頑固な人って、案外脆いものですよね。

カルシウムも骨を硬くさせますが、それだけでは脆いのです。

 

一方で、柔軟性がある人って、しなやかだけど強いですよね。

 

骨も同じで、硬い骨と共に、しなやかさを作るハリとして働くコラーゲンが骨や軟骨に存在しないことには、逆に脆くなることがわかってきました。

そのための原材料として「コラーゲンを摂れば良い」というのも、これまた誤解です。

 

コラーゲンは、タンパク質でできているので、胃腸で消化されてアミノ酸に分解されてしまいます。
コラーゲンは、タンパク補給にしかなりません。

 

美肌も作る骨を強くする栄養素とは

では、コラーゲンを体内で作るにはどうしたら良いのでしょう。

 

また、カルシウムをしっかり骨に届けて、有効利用するにはどうしたら良いのか。

 

その為に、必要な栄養素があります。

 

◼︎マグネシウム

マグネシウム自体も、骨の成分として使われます。

 

さらに、骨の中に入るカルシウムの量を調節する役割があり、不足するとカルシウムが骨を作るために有効利用できなくなります。

 

カルシウムだけ摂って、マグネシウムが不足すると、血管や関節など本来カルシウムが要らない場所にカルシウムの石ができてしまいます。

 

関節に溜まると、関節炎による痛みを引き起こすこともあります。

 

カルシウムとマグネシウムは、1:1〜2:1で摂取するのが理想的とされ、親切なサプリメントはこの配合になっています。

 

マグネシウムが豊富な食材は、海藻類、アーモンド、納豆など。

 

◼︎ビタミンD

ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を促し、骨にカルシウムを運び、骨を作るのをサポートする役割があります。

 

このビタミンは、食事から摂るだけでなく、紫外線を浴びることで皮膚で作られるものなのですが、最近、紫外線を避けることに熱心過ぎる女性たちが増えているので、ビタミンD不足も増加中なのです。

 

印象を左右する顔に紫外線を直接浴びろとは言いませんが、全身黒づくめはやめて、せめて手は露出するなど、どこかを陽に当てる工夫をしてみて下さい。

 

また、紫外線を浴びない分、食事でしっかり摂取するのも一考。
ダントツにビタミンDが豊富なのは、鮭。天日干しの干し椎茸にも豊富です。

 

◼︎ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムが作る骨の硬い部分とコラーゲンなどのタンパク質が作る柔軟な部分を繋ぐ役割をします。

 

さらに、コラーゲンの合成を促進し、骨や体内からのカルシウムの流出も防ぎます。

 

マイナーながら、結構な役割がありますね。

 

納豆やほうれん草、小松菜、ひじきなどに豊富です。

 

◼︎タンパク質

骨だけでなく、皮膚や血管のハリと柔軟性を保つのに不可欠なコラーゲン。

原料は、タンパク質です。

体内でしっかりコラーゲンを合成するには、タンパク質が不可欠。

パンやパスタなど炭水化物ラバーで、肉や卵、魚、豆類などのタンパク質が不足している人は骨も皮膚も老けやすいと覚悟して。

 

◼︎ビタミンC

コラーゲンは、バネのような構造を作り、ハリと柔軟性を保ちます。

 

このバネ構造を作るために必要なのが、ビタミンCです。

 

ビタミンCは、ストレスがかかるとすぐに消耗しますし、水溶性なのですぐに尿からも排泄されますから、とにかくこまめに摂りたいもの。

 

柑橘類、キャベツやパプリカ、サツマイモなどに豊富です。

 

「〇〇だけ摂ればいい」は勘違い

健康にまつわる知識には、結構な誤解されていることが多いものです。

 

特に、「骨にはカルシウム」「コラーゲンを増やすにはコラーゲン」この辺りは、一般に広まっている大いなる誤解の代表ではないかと思います。

 

「〇〇だけ摂ればいい!」というイージーな健康法は存在しません。

 

分子栄養学の分野では、

 

「You are what you eat.(あなたは、あなたの食べたものでできている)」

 

という言葉を中心に考えています。

 

全ての栄養素は、体全体を舞台に、全員で協力し合いながら働いてくれています。

 

だから、バランスよく、質をよく。

 

この基本こそが、一番の真理なのです。

 
次回は、更年期の自律神経の乱れを悪化させる糖質の摂り方のお話。
糖尿病でなくとも、無意識に食べていると血糖値が乱高下している可能性が。

 

≪内科医・認定産業医 桐村里紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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