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更年期の前に…45歳までに「やっておくべきだった」戻れない後悔

OTONA SALONE / 2020年11月22日 20時0分

閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(年齢や各種の数値は取材時点のものです)

【100人の更年期#41】

Profile
井一美穂 オトナサローネ編集部。49歳、子どもと夫、ネコと郊外暮らし。42歳で不妊治療を経て高齢出産、45歳くらいからめまい、だるさを皮切りに更年期症状が出始めました。漢方薬での治療歴はすでに4年。

 

飛び始めた生理、身体カラカラの貧血、そして目が見えない?

いよいよ48歳で生理が飛び始めました。

 

夏に3ヶ月ぶりに生理がきたと思ったら、大量の出血が20日続きました。それが3ヶ月ごとにきて、フラフラの貧血に。

 

クリスマス頃、ふと目線を動かすと室内が異様に暗かったり、電車で向かいのシートが見えなかったりと、「視野に見えない部分がある」ことに気づきました。

 

視野欠損といえば脳梗塞の前兆、大慌てで近所の脳外科でMRIを撮ったところ、「確かに脳梗塞の痕跡がある」。

 

ですが「新しいものではなく、年単位で昔のもの。どちらにせよ今回の視野欠損とは関係がない」とのこと。

 

甲状腺、白内障など一通り検査しましたが、結局「目が見えない」原因は不明でした。唯一、貯蔵鉄が体内にほぼない重度の鉄欠乏性貧血だと判明したので、鉄剤を飲むことになりました。

 

このほか、乳がん検診では石灰化で10年以上経過観察中です。年に1回健康診断を受け、その半年後にフォローを受けていますが、今思えばどうして前回の経過観察でホルモン補充をしていいかどうかの質問をしなかったのかが悔やまれます。

 

それ以前に、「どうして40代に入ってから自分の医療情報を一つの医療機関に集約しなかった」のかと。

 

今にしてみれば、健康診断はデータの蓄積に意味がある

まず、悪かったのは、健康診断を受ける病院を40代に入って変えたことでした。

 

とりわけ腫瘍は「過去の画像との比較」も重要なので、30代のデータがリセットされてしまった私の場合、おそらく大丈夫でしょうという話にはなっていても、まだ可能性を完全否定できていません。

 

もう一つ、治療データを集約しなければならなかった。私のカルテは、乳腺、甲状腺、脳外科、かかりつけの漢方がすべてバラバラの病院にあり、総合的な私の状況は誰にもわからないのです。

 

この10月、あまりにもだるくて起き上がれない日々が続いたので、自宅からいちばん近い婦人科に飛び込んで、ホルモン補充療法を相談しました。が、血液検査もしないまま断られました。

 

ホルモン補充療法を2回断られてわかった「足りないもの」

他院で乳がんの経過観察中、ましてや脳梗塞も観察中なら、普通に考えて断られるのが当然かもしれません。いくら本人が「おおむね問題ない」と言っていても、簡単に判断しないのは誠実な診察と言えるでしょう。

 

それはわかるのですが、身体が辛く、切羽詰まって受診しているのに、「だるいなら内科にかかったらどうですか」「どうしてその乳がんの婦人科でホルモン補充を受けないのですか」「なんでこんな基本的な検査もしていないんですか」と矢継ぎ早に詰問されると、なぜ私はしんどいのにわざわざ怒られているのだろう…?と悲しい気持ちになります。いま私にはそれらを説明する語彙と気力がないのです。

 

実は、この半年前にかかった別の病院の婦人科でも、「ホルモン値上は補充の対象だが、もうちょっと我慢できると思う。まだ少し始めるには早いので僕は勧めない」と断られています。私は十分すぎるほどしんどいから検査を受けたのですが、「我慢できない」ことの立証が甘かった。医師に対するプレゼン負けです。

 

そもそも周囲の話を聞いても「補充って結構断られるんだな」という印象です。おそらく、みんな私のように何かしらのリスクがあり、メリット・デメリットの検討の上でダメと判断されたのでしょうが、それならば「疑わしい場合は必ず断られる」前提で断られない段取りを考え、支度をしてこないとならなかったんだな、と今になってやっと気が付きました。

 

普段の取材でお話を伺う婦人科の先生方はもっと気軽に、積極的に補充すべきという方が多いので、こうした「理想」と「現実」の乖離にちょっと驚いています。

 

「ちょうどいい婦人科」が意外に見つからない

私は、ごく普通に日常を過ごす皆さんの更年期症状を聞き書きするシリーズ「100人の更年期」を担当しています。そして話を聞かせてくれる人の9割ほどから、「いい婦人科知らない?」と質問されます。

 

「私の気持ちを聞いてもらえなかった」「あんな言い方されるならもう行きたくない」「いいお医者さんだったけど遠すぎた」「スケジュールが立たなかった」など、大抵の人たちは何かしらの「うまくいかなかった記憶」を持っているのです。

 

もちろん、積極的に更年期の医療を発信している先生にかかればこうしたこともないのでしょう。が、このコロナ禍に電車に乗り、混雑している遠くの病院にかかる勇気が私にはありませんでした。できるだけ近所、可能なら自転車で行ける範囲で、すぐにかかれる「いい具合な病院」があってほしい。

 

それ以前に、もしかして、私が乳がんや脳外科などのデータを意識的に一つの病院にまとめていたら、もっと簡単に縦断的に診断してもらえて、積極的に治療してもらえたのかもしれません。

 

要するに私に必要なのは「特別な名医」ではなく、私のデータをたくさん持っていて、私を継続的に診察していて、いま私にホルモンを補充してもそんなに悪くならないと見当をつけてくれる、普段からコミュニケーションが取れているお医者さんなんですね。

 

具合が悪くなってから探すと、もうそんなに動けなくなっているので本当にしんどいです。

 

できれば40歳、遅くとも45歳になったら、意識的に「自分の生活圏から通える」「必要そうなデータを各科で共有してくれる」病院を見定め、そこにデータを集約していっておいたほうがいい。できるだけ早い段階から意識して、何科でもいいから頼れる医師を見つけておいたほうがいいと、シリーズ担当者として「これからの人たち」に申し送りをしたいのでした。

 

≪OTONA SALONE編集部 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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