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「アルコール手荒れ」は絶対NG、感染リスクになるって本当?医師が教える正しい消毒は

OTONA SALONE / 2020年11月14日 16時0分

こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

最近「手荒れして困るんです」というお悩みをよく聞きますが、手荒れして当然です。何せ、手荒れの元凶となるアルコール消毒を1日に何度も繰り返しているんですから!

手荒れしてしまうと、感染対策の観点からも逆効果です。手荒れしない方法で感染対策をする方が賢明ですよ。

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#48】

 

なぜ「アルコールで手荒れ」が起きるのでしょう?

そもそも、医療従事者の間で「アルコールは手荒れする」ということは常識です。
それでも、医療の現場ではアルコール消毒を繰り返さなくてはならないために、手荒れ人口はとても多いのです。

 

皮膚を外的な刺激や病原体から守るバリア構造を作るのは、皮脂膜と角層です。
アルコールには、殺菌・殺ウイルス作用だけでなく、脂を溶かす作用があるために、皮膚の潤いを守る皮脂膜と角層の間にある細胞間脂質を溶かし出してしまいます。

 

アルコール消毒のために、潤いベールを剥がし、角層にダメージを与えていると考えてください。

 

常在菌バリアを保つためには「乾燥させない」ことのほうが重要

手肌には、皮膚を病原体から守る皮膚の常在細菌が守っています。
消毒をすると一時的に彼らも殺菌されてしまいますが、毛穴に残った常在細菌が復活して、皮膚を守ります。

 

健康な常在細菌のバランスが保たれていたら、少々、病原性の細菌やウイルスが手に付着したとしても、皮膚の上に長く止まることはできません。
十分な流水で洗うだけで、流れてしまいます。

 

一方で、乾燥した皮膚環境では、常在細菌のバランスが崩れます。
すると、弱酸性の皮膚環境を保つことができず、アルカリ性に傾いてしまいます。
構造上も、皮膚がガサガサになったり、ひび割れができたりすると、汚れや病原体などが凹凸面に止まりやすくなります。

 

つまり、よかれと思ったアルコール消毒で、手荒れのガサガサとした部分を作れば作るほど、逆に感染症のリスクが高まってしまうというわけです。

 

感染対策としても、皮膚を乾燥させず、潤いを守ることが大切です。

 

肌荒れを呼ぶ「むやみなアルコール消毒」はやめたほうがいい

街中で観察していると、設置してあるアルコール消毒を必要以上に手に振りかけている人を見かけます。
消毒が良いことだと考えて、意図的に消毒している人もいれば、もはや無意識に通りすがりの「1プッシュ」が習慣化している人もいるようです。

 

医療関係者からすれば、アルコール消毒は、泣く泣くするものです!
嬉々としてするものではありません!

 

たった1種類の病原性ウイルスを殺す目的で、皮膚の数々の常在細菌を殺し、皮脂膜や角層にダメージを与えているのです。

 

冬は「手荒れさせないこと」が大切。それでもアルコールを使う場合の3つの対策

1)1プッシュ1保湿クリーム

やむなく、アルコール消毒する際は、必ず、その場で保湿クリームを塗りましょう。
医療従事者が白衣のポケットに忍ばせている定番の保湿クリームは、「ヘパリン類似物質」を配合した油性クリームです。
高い保湿力と血流改善作用があり、あかぎれを起こしやすい人にも効果的です。

いずれにしても、こっくりとした油性クリームで蓋をするといいでしょう。

 

2)昼も夜も手袋を

乾燥がひどい場合には、日中も夜間も、たっぷりクリームを塗った上で、綿の手袋をはめて過ごすと効果的です。
保湿力が高まり、早く潤いを取り戻すことができます。

 

また、手は、水仕事、手洗い、パソコン作業、料理など、常に様々な場所やモノを触るために、刺激を避けることができません。

 

特に、手洗いや水仕事も、手の皮脂や水分を奪い、手荒れの元凶になります。

 

刺激を避けるためにも、水仕事時には、ゴム手袋、普段は綿の手袋をはめて過ごすといいでしょう。

 

3)湿疹化したら迷わず皮膚科へ

湿疹化してしまっている人は、保湿だけではまず治らないと思った方が良いと思います。
常に刺激を受ける手湿疹は、極めて慢性化しやすく、慢性化してしまうとなかなか治りません。

 

痒みが出たら、迷わず皮膚科で、湿疹用のステロイド入りの軟膏を調合してもらいましょう。
ステロイドの長期の使用は、副作用の観点からも避けたいところですし、私自身もステロイド使用には慎重派ではあります。でも、早ければ早いほど、ステロイドの使用は短期間ですみます。

 

悪いことは言いませんから、湿疹化したらまずは皮膚科に行きましょう。

 

もうひとつ、「手荒れしない消毒剤」の選択も◎

別に、アルコール消毒は必須ではありません。要するに、ウイルスを除去できたら良いわけです。
繰り返し消毒しなければならない社会的な状況がある今、手荒れしにくいタイプの消毒剤を選びたいところです。

 

私自身も、もともと肌が弱いために、アルコールは避けたいところです。

 

そもそも、アルコール消毒は、アルコールが代謝できない方には「禁忌(きんき)」でもありますから、街中で全員に強要することはできません。

 

自分に合うものを使っても良いわけです。

 

アルコールの代わりになる代表的な消毒剤が、次亜塩素酸水です。皮膚に使えるタイプであれば刺激は比較的少ないのですが、塩の残留によって皮膚の刺激となり、手荒れの原因になる可能性もあります。

 

手荒れしにくい天然の消毒成分

そんな中で、アルコールや次亜塩素酸水を使用しない、殺菌・殺ウイルス作用を持つ天然成分を配合した消毒スプレーが人気となっています。

 

私自身も、このタイプを常に携帯し、公共の場で消毒が求められるシーンには、自前の消毒剤を取り出してスプレーしています。

様々な成分がありますが、その一つが、グレープフルーツの種子から抽出されるポリフェノール(脂肪酸フラボノイド)です。

 

高い抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用が確認されています。

 

自然界にはたくさんの細菌やウイルス、カビなどが生息していますから、植物は常に自前の物質でそれと戦おうとします。脂肪酸フラボノイドは、その一種です。もちろん、ポリフェノールですから、抗酸化作用もあります。

 

特に、ウイルスのエンベロープを破壊することで、ウイルスを99.9%不活化することがわかっています。

 

揮発性がないため、持続効果が長いのも特徴で、空間にも使用できます。

 

手肌にも優しいため、繰り返しの使用も安心です。

 

この冬は、消毒とは無縁でいられませんが、手荒れしない工夫で、手肌を守って下さいね。

 

オトナサローネからも、100%天然由来の非アルコール質の消毒剤

(編集部より)

「手にやさしい消毒剤を携帯している」という桐村先生にオススメのアイテムを質問したところ、「オトナサローネからもとってもいいものが出てますよね…?」と、逆にオススメいただいたのがこの「ウィルトール」。

 

グレープフルーツ種子抽出物を使った100%天然由来の抗菌・除菌スプレーです。肌と同じ弱酸性で、人にも環境にもやさしい素材でできています。薬剤やアルコール、塩素、防腐剤は不使用です。

 

300ml 2,310円(税込・送料別)

 

 

 

 

≪内科医・認定産業医 桐村里紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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