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ずっと受け身のセックスばかりだった、けど。【40代、50代の性のリアル】#2(後編)

OTONA SALONE / 2021年6月4日 22時1分

「セックスしたら、相手のことを好きになっちゃうんです。それでつらい思いをしたこともあるけど、いまでもそれが治らなくて」

これまでのセックスは、ひと言でいうと受け身。主体性はほとんどなかったという。シリーズ2回目は、そんなアヤコさんの遍歴をうかがう。

 

ふたりでしている、という感覚

「このとき初めて、『ふたりでしている』という感覚を知りました。自分からも『こうしてほしい』って伝えられたし、彼もそれをしたいといってくれる。これ以上うれしいことってあるんだろうかと」

 

それまでの男性たちと何が違ったのだろうか?

 

「やっぱり、気持ちですよね。彼のために何かしてあげたい、っていう強烈な想いがあったし、きっと彼もそう想ってくれていました。元夫やリュウジさんに対してはなかった感情です。こういうのを、肌が合うっていうんでしょうね」

 

セックスを重ねるたびにアヤコさんはユウスケさんに入れ込んでいった。もともとそれほど気のない相手でも体を重ねると好きになったというアヤコさんだけに、快感を分かち合えた相手への気持ちは止めようがなかった。こうなるとリュウジさんとこれ以上一緒にいることはできない。別れを切り出した。あとはユウスケさんの気持ちひとつだと思っていた。

 

しかし。

 

「彼、元カノからヨリを戻したいっていわれたらしいんです」

「フラれたときにあれだけ落ち込んでいたんだから、気持ちが動いて当然ですよね。でも私ともすでに関係が始まっていましたし、彼はふたりの女性のあいだを往き来しながら、ずいぶん揺れていました。私は私で、気持ちが乱れるばかりで食欲が落ち、急激に痩せてしまって。ユウスケさんはそれを心配して食事に連れ出してくれたりとやさしかったんですけど……最終的には『もう会えない』といわれました。元カノのもとへ戻ったかどうかはわかりません」

 

アヤコさんにとっては、手痛い経験だった。4年経ったいまも、ユウスケさんへの想いは残り、それを胸に抱えたまま婚活アプリでパートナーを探している。

 

パートナー探しに苦戦中

「男の人はもういいかなと思うときもあるし、年齢といいバツイチ子ありというプロフィールといい婚活の世界では厳しいなと痛感させられるし、私、何のためにやっているんだろうとわからなくなるときがあります。誰かとメッセージを交換し合っているときはいいけど、それが途切れるとすぐ気持ちが不安定になるわ、なんとか会った人とは中途半端な形で終わっちゃうわ、なんだか自分を傷つけるためにやっているみたい」

そういってアヤコさんは自信なさげに苦笑する。けれど話していて感じたことがある。アヤコさんはもともと自信のない人ではないのではないか。仕事の場ではこうした気弱な発言をすることなく、なんでもテキパキこなす器用な人のように見える。一方で恋愛もセックスも基本的には受け身の姿勢。アンバランスではあるが、それはそれでアヤコさんのパーソナリティなのだろう。

 

そんなアヤコさんに変化をもたらしたのが、ユウスケさんとのセックスだった。

 

これからのセックスは、自分次第

「なんだかんだいって、女性としてまだ終わりたくないっていう気持ちもあるんですよね。まだしばらくは誰としても彼とのセックスと比べてしまうと思うけど、あれは私と彼のふたりだからできたこと。彼以上の人はもう現れないかもしれません。今後は、それを知る前の自分に戻って求められるままのセックスをするのか、彼が教えてくれた“ちゃんと気持ちが通い合う”セックスをできる相手を探しつづけるのか……それは私次第なんでしょうね」

 

アヤコさんは迷っているふうだった。けれど、筆者の目には彼女がいまどちらを望んでいるのかは明らかった。今後、アヤコさんはまだまだ変わりつづけていく。そう思わされた。

 

 

 

≪フリー編集&ライター 三浦ゆえさんの他の記事をチェック!≫

 

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