「眠れなくなる」生活習慣、見直しませんか? 睡眠トラブルを抱える人の共通点【医師に聞く】
OTONA SALONE / 2022年7月23日 11時30分
「なかなか寝付けない」 「夜中に何回も目が冷めてしまう」
多忙でストレスの多い現代女性は、睡眠トラブルを抱えがちです。
働く女性、更年期世代の女性は、なぜ今眠れていないのか。そして、どうすれば眠れるようになるのか。
医療法人社団SSC 理事長であり、スリープ・サポート クリニック院長の林田健一先生にお話を伺いました。
不眠で受診して、更年期が発覚するパターンも
——更年期独特の不眠というのはありますか?
更年期になると、ほてり、発汗が原因で夜中に目が覚めてしまう人が増えます。そして、更年期は不安やうつにも関係します。
女性ホルモンの変動によって不眠になり、不安・抑うつが加わってさらに不眠になるという悪循環を引き起こしやすいです。
また、睡眠時無呼吸症候群になりやすくなるのも、更年期の特徴です。
女性ホルモンには、喉を広げる働きがあります。更年期に差し掛かってホルモンが下がってくると、男性と同じように睡眠時無呼吸になりやすくなってしまいます。
更年期になってからよく見られる睡眠時無呼吸症候群のサインは、いびき、窒息感で目が覚める、寝ているのに疲れが取れない、パートナーに指摘される…などです。
起きたときに疲れている、というのは睡眠が充分ではないサインです。無呼吸の人は充分な時間寝ているようでも眠りが浅く、睡眠が足りなくなるのです。
——不眠と更年期を結びつけて考える人が少ない気がします
そうですね。更年期の女性は、みなさん「眠れないんです」といって来るんです。
そこで、「いつから眠れないのか?」「その原因と思われるものは?」
と堀り下げたさげたときに出てくるものが、更年期と、コロナ禍なんです。
スリープクリニックには来ているけれども、婦人科には行っていない人が多いですね。
——不眠を掘り下げて初めて更年期と気づくのですね
そうです。そういう方はだいたいサプリなどを飲んでいます。ヨガなどに取り組んでいらっしゃる方も多いですね。
でもどうしても眠れなくて、どこか病院にかかろう、と思ったときに、スリープサポートクリニックにいらっしゃるわけです。
——スリープサポートクリニックは敷居が低いと感じる方が多いのでしょうか
婦人科や、メンタルのクリニックは敷居が高いと思う場合でも、スリープサポートクリニックなら来やすいんですね。
純粋な不眠の人は是非いらしてください!
とはいえ、「睡眠外来」の看板を掲げているけれど、中身は内科・循環器科等だったり、心療内科・精神科だったりします。
睡眠時無呼吸症候群は内科や耳鼻科の先生が専門ですが、純粋な不眠は、精神科ベースの睡眠の先生がおすすめです。
更年期、うつを脱しても眠れない…「不眠は慢性化してひとりあるきする」
——睡眠に問題がある人は、他にどんな問題を抱えていますか?
ひとむかし前までは、更年期による不眠だったら、「更年期が終われば不眠も治るだろう」と思われていました。
うつ病があって不眠の場合も、「うつ病がなおれば不眠も治るだろう」と思われていたんですね。
不眠というのは、他のものに付随する、ただの症状だと思われていたのです。
ところが、それは違うということが分かってきました。更年期やうつが治っても不眠が残る場合があります。
更年期の不眠について考えると、「更年期の中に不眠がある」のではなく、「更年期と、不眠症がある」んです。
更年期と不眠症が併存しているわけですから、それぞれをしっかりと分けてとらえ、管理することが大切です。
具体的には、婦人科頼りでなく、「不眠は不眠でプロフェッショナルに相談しましょう」ということです。
——新しい考え方です
最近主流の考え方です。僕らが言う不眠症は、うつがあろうがなかろうが、不安障害があろうがなかろうが、眠れなければ「不眠症」なのです。
もちろんそれらが完璧に切り離されているというわけではなくて、眠れないことへの不安で、うつになりかけている人はいます。眠れなくなることでうつになる、不安になる、だからまた眠れなくなる。悪循環なんですね。
お話/林田健一(はやしだ けんいち)先生
医学博士、医療法人社団SSC理事長、スリープ・サポート クリニック院長
スリープ・サポート クリニックでは睡眠外来に加えて、終夜睡眠ポリグラフ検査など専門検査にも対応。
東京都品川区東大井1-18-8ミランビーナ1階(京急線鮫洲駅より徒歩2分)
03-3471-3020
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