【人生相談・アンナ流】子どもの進路をどう考えるか。アメリカに憧れがあるので大学進学してほしいが
OTONA SALONE / 2023年10月22日 20時30分
時代にこびることなく、いつでも自分の思いを貫いて生きてきた梅宮アンナさん。オトナサローネのインタビュー記事には「いちばん聞きたかった『大丈夫』という言葉がうれしかった」「わが家もなんとかなるかもしれないと勇気が出ました」など、たくさんの声が集まりました。
そんなアンナさんに、40代50代働く読者のみなさんから寄せられたお悩みを相談します。今回は「子どもの海外留学を考えた」女性の悩み。
【人生相談・アンナ流】#2
相談/子どもの進路をどう考えるか。アメリカに憧れがあるので大学進学してほしいが
小学校5年生の娘を持つ43歳の母親です。娘の進路についてアドバイスをください。
娘は運動は大好きですが勉強はそこまででもなく、成績は中の上といったところです。中学校受験はせずに地元中学校に進学する予定で、部活でバスケを始めるのを楽しみにしています。
子どもの小学校には海外からの帰国者もいて、周囲のお母さんたちから将来は海外進学も視野に入れているという話を聞くと、私もアメリカに留学したかったなという憧れを思い出します。ぜひ行ってほしいと思います(子どもはまだ全然そんなことは考えてないです)。
いっぽうで、ママ友からは、大学進学の仕組みが日本とは全然違うので早く準備しないとだめだよという話や、お金がものすごくかかる話、またアメリカの大学を卒業してもビザの問題があるから仕事が見つからないかもしれないよという話を聞きます。
お金は無理なら仕方ないのですが、アンナさんは百々果さんがアメリカに行くとき、どんな手助けをしましたか? なぜアメリカに決めたのか、長い話があるのだと思いますが、親はどのように寄り添っていけばいいのかを教えてください。
次ページ▶子どもの思いを尊重すべきなのはもちろんだが、まず大切なことは…
アンナさんの答え/いまこの瞬間のアメリカは、とても手放しで娘を送り出せる状況ではない
お母さんたち、いまアメリカがどういう状況かをまだ調べる前ではないかと思います。私も5月に50日滞在したのですが、現地で生活してはじめてわかることがいっぱいありました。コロナで世界は一変してしまったと考えてください。アメリカの治安はいま最悪です。ドラッグがはびこり、町に麻薬中毒者が倒れています。
そして、円安。1ドル150円を挟んだ現状では、いくらお金があっても足りません。150円だと100万円を両替しても6600ドルにしかならず、100ドルなんてちょっと食事をしたらなくなります。なぜこれまでアメリカが楽しかったかというと、日本では売られていないものがいろいろあり、どれも安くて、気軽に買えたから。飛行機代も高騰していますから、子どもを留学させたとして、年に何度か帰省させるたびに驚くような費用が出ていきます。
何より、アメリカの大学を出ても絶対に就職できるわけではありません。最低でも大学院まで行かないと。また、外国人は就労のためのビザ獲得にもハードルがあります。子どもにかけたお金のリターンはまずないと思ったほうがいいです。憧れとはまた別に、親がどこまでお金を出せるかが左右します。
留学生はアルバイトができない点にも注意してください。アメリカは違法就労に神経をとがらせています。バブルのころにあったアメリカンドリームのような、行けば何とかなる、頑張れば道が開けるということは現在ではまずありません。卒業後どの国でどう働くかかまでを考え抜いて、周到に準備する必要があります。
次ページ▶まだある、「あまりいまおすすめしたくない」シンプルな理由
コロナで「日本と海外」の関係性も大きく変わったことに、これから私たちは気づいていく
米国の大学へは高校4年間でスコアを積み上げて出願します。娘は日本のインターナショナルスクールに進学し、校内の留学カウンセラーに進学指導を受けました。早い子は高校1年から大学を見学して行きたい学校を決め、この大学ならスコア何点と目安があるのでそれを4年かけて稼ぎます。日本の大学のような受験はありません。このあたりの情報は親の努力だけでは収集が難しいので、信頼できるカウンセラーを探して相談するといいと思います。
言うまでもないことですが、お子さんの意思がとても大事です。アメリカでは卒業が大変で、実に60%くらいしか卒業できません。日本人みたいに大学に入って遊ぶ学生はいませんし、講義聞きながら寝てる人なんてまずいない。本人の目的がしっかりしてるから大学に行くんです。とりあえずいい会社に就職したいから大学に行っておこうという日本とは覚悟のレベルが違います。日本の感覚で進学しても目的を見失って帰ってくる羽目になると思います。本人の熱量がないと、親の憧れだけでは続きません。現実はそう甘くないうえ、いまは本当に治安が悪いから、よくよく話し合う必要があります。
アメリカではコロナでみんな仕事がなくなり、家賃が払えず、でも物価だけは上がりました。いまはアメリカ人ですらアメリカで暮らすのが大変な時期です。お母さんたちは日本円でお金を得ているはずで、仕送りをするとあまりのドルの高さに悲鳴を上げるはず。仮に学費を奨学金でまかなえたとしても、生活費の送金は必要です。運よく大学の寮に入れても、それすらも高くて驚くと思います。かつてみんなが米国の大学に進学していたのは、円が強かったからです。
とはいえ、こうした情勢も常に変わっていきます。あと3年くらいすればまた大きく変わると思いますから、情報を常に仕入れていてください。
つづき>>>閉経したら、女性としての自信を失ってしまった。元気の出し方がわからない【人生相談・アンナ流】
≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
学校から暗に退学を勧められ…。中学受験に無事合格も、彼らが「転校」を余儀なくされた理由
オールアバウト / 2024年9月27日 21時35分
-
「へー! 世界中であんただけが大変な母親なんだ?」子育てに非協力的で、資格取得にも理解のない夫…社会復帰を目指し子育てに奮闘した50代女性の苦悩
集英社オンライン / 2024年9月21日 11時0分
-
「もう親子の縁を切りたい」母親の暴言を浴び続け、うつ病を患った28歳女性が吹っ切れた"母へのひとこと"
プレジデントオンライン / 2024年9月12日 16時15分
-
「英語がペラペラな子」に育てるはずだったのに…英才教育で子供を潰す「教育熱心な親」の悲劇的な結末
プレジデントオンライン / 2024年9月8日 10時15分
-
「親父のように!」高卒で経営者を目指す息子と苦悩する母 生涯賃金を考えると大学に行くべきか【FPが解説】
まいどなニュース / 2024年9月1日 19時30分
ランキング
-
1“魚”に寄生する「アニサキス」で激しい腹痛 酢&塩では死なず 調理時の注意点は?
オトナンサー / 2024年9月27日 20時10分
-
2「抗生物質を牛乳と一緒に飲むのはNG」現役医師が明かす“薬と一緒に飲んではいけない”飲み物とは?「意識障害が起きる可能性も」
文春オンライン / 2024年9月27日 11時0分
-
3【ラーメン】よく食べている「袋麺」ランキング 3位「マルちゃん正麺」…2位&1位は?
オトナンサー / 2024年9月27日 23時10分
-
4ワークマンの史上最強「上下セット防水防寒着」が登場 保温性・防水性・使い勝手の良さを満たしたハイスペックウェア
Fav-Log by ITmedia / 2024年9月27日 21時25分
-
5英語で「チャージする」はなんて言う?
OTONA SALONE / 2024年9月27日 22時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください