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「すみません、私にはできません」とか言ってない?いつまでも若者気取りの敬語5選

OTONA SALONE / 2018年4月16日 11時30分

「すみません、私にはできません」とか言ってない?いつまでも若者気取りの敬語5選

四月。真新しいスーツに身を包んだ新入社員らしき若い人達をよく見かけます。スーツだけでなく、バッグやかばんも新品で、初々しさが全身にあふれ「がんばって!」と心の中で声をかけることもあります。仕事で新しいことを覚えるのに精一杯だと思いますが、現場で即問題となるのが「敬語」です。研修で敬語をばっちり教える企業もありますが、そうではないとなると、もうほとんど実地訓練のようです。今日はそんな中でも見え隠れする、そして意外と40代女性も「若者気取りで」使っている人の多い敬語の例を5つ紹介します。注意するだけでなく、すぐに使えるように言い換えパターンも用意しました。

 

1 × すみません → ○ 申し訳ございません

謝罪、依頼、感謝と、さまざまなシーンで「すみません」は、大変便利なことばです。しかし、便利だからと言って、連発して良いとは言えないのがビジネスシーンです。

そもそも、「すみません」は様々な場面で使えますので、元々はどの意味で言おうとしているのか見直す必要があります。

「すみません」は改まった場面ではNGなのです。例えて言うのなら、「お世話になっております!」を「どーもー!」と言っているような状態で、学生気分が抜けていないのでは?と先輩や上司、そしてお客様や取引相手に、教養のなさを感じさせてしまいます。

例えば、謝罪の場合は

  • 「お待たせしてすみませんでした。」
  • 「遅れてしまいました。すみません。」

などと使う事も考えられますが、ここは「謝罪」の意味をしっかり含んだ「申し訳ございません」に直すべきでしょう。

  • 「お待たせして、申し訳ございませんでした。」
  • 「遅れてしまいました。申し訳ございません。」

依頼の場合はどうでしょう。

  • 「すみません、これ、お願いします。」
  • 「すみませんが、お願いできますか?」

この場合は「頼みごと」なので、「恐れ入ります」が適切です。

  • 「恐れ入ります、これ、お願いします。」
  • 「恐れ入りますが、お願いできますか?」

このように、元々の意味を考え、お詫びなら「申し訳ありません」、頼みごとなら「恐れ入ります」に変えましょう。

 

2 いいですか? → よろしいでしょうか?

「これでいいですか?」という表現もうっかり言ってしまいます。「これでいいですよね」ではなく「これでいいですか?」と疑問の形にすると、言い方が柔らかくなり、物腰も優しくなりますよね。これをさらに「よろしいでしょうか?」のように、「いい」を「よろしい」に変えるだけで、印象がぐっと良くなります。「よろしい」は「いい」のあらたまった言い方なのです。また相手のお伺いを立てるという意味で「でしょうか?」を付けるとさらに丁寧な感じになります。ぶっきらぼうさがさらに削れる感じですね。「よろしいでしょうか」は、是非積極的に使いたいものです。

ここで注意したいのは、「よろしかったでしょうか」を使わないようにするということです。
「よろしかったでしょうか」はそもそも「これで良かったんだよね?」という意味になり、相手に選択の余地を与えません。バイト敬語としても有名になってしまったので、もはやビジネスシーンでは触れない方が良いでしょう。

 

3 知りません → 存じません

「知りませんでした。申し訳ございません。」そんなセリフもビジネスでは使うシーンが多いですよね。この「知りませんでした」は「知らなかった」の丁寧語です。仕事では、ただの丁寧語よりも、尊敬語や謙譲語を上手に使いましょう。

先輩や上司、お客様や取引相手が「知らない」の主語である場合は、尊敬語「ご存知」を使います。
「先輩、このニュース知らない?」という意味の文は「先輩、このニュースはご存知ですか?」となるわけです。

逆に、自分が「知らない」の主語である場合は、謙譲語「存じ上げる」を使います。
「私、このことを知りませんでした」という意味の文は「私、このことを存じ上げませんでした」となります。

少し難しいですが、「ご存知でしたか?」というフレーズと「存じ上げませんでした」というフレーズを丸ごと覚えてしまうと覚えやすいと思います。

 

4 わかりました → かしこまりました

「わかりました」も若い頃には良く使っていたのでは?「わかりました」は言い換えて「かしこまりました」を使います。
たしかに、学生時代は、先輩に「かしこまりました」なんて言いませんよね。でも、社会に出たら「分かりました」という小学生でも使う丁寧語は卒業しましょう。特に年齢が言っているのに「分かりました~」なんて言っている人は要注意。

「承知しました」も良いでしょう。書き言葉ではよく使うと思います。ただし「了解しました」は目上の方に失礼なので、使わないように。「承知しました」か「了解しました」かで悩むようだったら、口語、話し言葉では「かしこまりました」の方を使うようにしましょう。

 

5 できません → いたしかねます

何かをすることが難しい時、「できません」と言います。「できません」は「できない」の丁寧語で、これも小中高大と続いて使ってきたと思いますが、社会人デビューしたら卒業しましょう。もちろんわざと口語的に使うこともありますが、少なくとも目上の人に対しては「いえいえ、できません」などと軽く使わないように。
いたしかねます」や「できかねます」がベストです。そしてこの言葉だけをズバッというのは、ぶっきらぼう過ぎますので、先ほど登場した「申し訳ございませんが」などの言葉をクッション言葉として添えると良いでしょう。

「申し訳ございませんが、私にはいたしかねます」
「申し訳ございません、私にはできかねます」

という言い方になります。

 

以上、若者気分が抜けきらない言い方について代表例を5つ取り上げて解説しました。さすがに「〇〇っすね」なんておかしな丁寧語を使う人はいないかと思いますが、丁寧語よりさらにワンランクアップした気持ちの良い使い方ができるといいですね。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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