姿勢が悪い人は「美しい人」とは思われない。あなたは歩き方のココを見直して
OTONA SALONE / 2018年6月16日 19時0分
「……そんなある日、車の中からフロントガラス越しに街を見たの。仙台の街ね。そこで、ふと目の前の横断歩道を歩く女性たちの歩く姿を見て、ハッと驚きました。これはいけない、女性たち、みんなそんな歩き方をしていてはいけない。疲れたような、前かがみの歩き方はいけない。このときの強い思いが、私がこの仕事を始めたきっかけです」。
ウォーキングスタイリストとして20年以上スタジオを運営し、手がけた教え子をどんどんコンテストに送り込む「仙台の魔女」櫻田千晶先生。これまでの半生、そして「歩く」ことへの情熱を聞けば、誰もが「私も綺麗に歩きたい」という熱に感化されることでしょう。オトナサローネでそのエッセンスを教えていただきます。(編集部)
美人はつねに姿勢がいい。その理由は「印象」にあります
あなたは歩き方を意識した事はありますか?
私、櫻田千晶は、ウォーキングスタイリストとして、これまでにたくさんの女性に「美しい歩き方」をレッスンしてきました。
そのきっかけになったのは、上記の通り、車の中からフロントガラス越しに目の前の横断歩道を行き交う女性の歩く姿を見た時でした。
あなたはどのように歩いていますか?
姿勢が悪く綺麗に歩けないと、何がもったいないのか?
その理由はたくさんあります。
まず第一に、姿勢が悪い女性は、決して「美しい女性」とは思われないことです。
日ごろ、あなたが美しいと思っている方は、必ずと言っていいほど姿勢が良く、綺麗に歩ける方ではありませんか?
立ち姿や歩く姿は、自分で確認するのが意外と難しいものです。でも、自分が周囲に与える第一印象に大きく影響します。「雑な性格」「攻撃的な性格」、「女性らしくない人」と印象づけます。いわば正体がバレた状態になるのです。
歩き方は、性格のほか、精神状態や感情、過去のスポーツの経験や事故や怪我など、さまざまなことを写し出します。私たちは常に自分の姿勢を通じて情報を発信しているのです。
ご存知の通り、「第一印象」というものは最初に会った瞬間の数秒で決まります。しかも視覚的な情報が50%以上と言われます。会話をする前から、すでに「第一印象」を感じ取られてしまっているのです。
美しい姿勢には経済的なメリットも生まれます!
私たちが子どもの頃から比べても、日本は豊かになりました。世界中の一流ブランドのこだわりの一着から、安価でおしゃれなファストファッションまで、何でも簡単に手に入ります。個人が自由に、さまざまなおしゃれを楽しむことができるようになりました。
しかし、姿勢や歩き方の悪さのせいで、その服が持つ本来の美しいシルエットが失われてしまう事もあるのです。私はファッションモデル出身ですので、服は本来持つそのシルエットを生かして着る指導をします。
ダメな代表が、例えば猫背。「悪い姿勢」の見本ですね。文字通り猫のように背中を丸めたような姿勢です。猫背のままジャケットを着ると、服のシルエットはどう変わるでしょうか? 背中の裾が持ち上げられてしまい、背中が突っ張ったり、肩が盛り上がり、前の裾は垂れ下がってしまいますね。要するに「台無し」です。
よく考えれば、店頭のマネキンや写真のモデルも必ず姿勢がよいものです。よい姿勢で着用されたシルエットを気に入って購入しても、残念なことに本人の姿勢が悪いとまったくの別物になってしまうのです。高価なものも台無しです。
逆を言えば、姿勢や歩く姿の素敵な方は、白いTシャツにデニムだけで充分魅力的です。それほど、格好よく見える事は重要で、それを意識しないことは非常にもったいないことなのです。
ファッションもメイクもエステも、すべてはその人の「体の姿勢」というベースの上に重ねていくものなので、ベースが歪んだり傾いていては意味がなくなってしまうのです。
経済的な面でのデメリットも挙げましょう。靴がわかりやすいです。歩き方が悪い人の靴は長持ちしません。内股でこすれてつく傷、カカトやヒールが早く減る、つまづきやすいせいで靴が変形する、こんな理由で早く消耗してしまうのです。綺麗に歩けると靴は断然長持ちします。
「自分がずっと健康でいるため」にも普段の姿勢は重要です
正しく歩くことは、健康の維持にも強い関係があります。
歩かないよりは歩いたほうが健康的なのは当然ですが、それは正しい歩き方ができ、ある程度の歩数を日常生活で歩いている人の場合です。
運動になるばかりでなく、季節を感じたり素敵な出会いも期待できますし!
しかし、間違った歩き方の場合はせっかく歩いても消費するカロリーがとても低かったり、かえって体の不調を起こしてしまう場合もあります。トラブルは予想以上に多いのです。
人間はラクをすることについてはとても要領が良いもので、無意識で歩いていると自然と運動量の少ない歩き方になってしまいます。例えば、上半身を前に傾むけ、腕の振り幅や歩幅を小さくして、できるだけ疲れないようにしようとするのです。これは本能ですから、仕方ありません。
さらに、そのような間違った歩き方に悪いクセがプラスされると、肩こりや腰痛など慢性的な痛みに繋がることも珍しくありません。
「歩く」という運動では、左右の片方の脚に交互に全体重がかかります。特に着地する時には体重以上の重さがかかります。それを1分間で約120回繰り返すのです。ドスンドスンと歩くクセのある人ならば膝や腰に、膝が曲がった歩き方ならば太ももなどに余計な負担がかかります。
オトナサローネの読者の皆さんは「体のゆがみ」に関する記事に興味があると聞いていますが、ゆがみがある状態で歩くこともリスクです。つま先の向き、肩や腕の高さ、腕の振り幅が左右対称でない場合。O脚、内股などの骨格のトラブル。こうした状態で連続的な運動である歩行を続けると、小さなダメージが蓄積され、やがて大きな体の不調となって現れることがあります。
陸上競技など「走る」ことがメインのスポーツでは「フォーム」がとても大切ですが、そう考えるとフォームは「歩く」ということでも非常に重要なのです。
人類の生活はここ100年でより快適に進化しましたが、便利を通り越して「楽」が手に入ると、それは体を動かすことと引き換えたことになります。
日本人の平均寿命が伸びた今、とても大切なのが「健康寿命」
健康寿命という言葉を聞いたことがあると思います。「日常生活に制限のない期間」のことです。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約12年もの開きがあります。要するに寝たきりだったり、身体が不自由な状態で過ごす期間が老後に10年もあるのです。他人ごとではなく、私たちの未来がそうなっているのです。(厚生労働省「平均寿命と健康寿命をみる」)
「歩く」ということを意識して
「第一印象」で得をして
素敵なおしゃれを楽しんで
できる限り迷惑をかけずに長生きな人生を楽しむために、筋トレにもなる「ウォーキング」を始めてみましょう。次回は歩き方についてご説明します。
■編集部の櫻田先生レッスン体験記は→こちら
毎月第二日曜日に東京でもレッス
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