あなたは経験ありますか? 人生で初めて「痴漢にあった」かもしれない話

OTONA SALONE / 2018年10月22日 21時0分

あなたは痴漢にあったことがあるでしょうか? 私は46年間の人生で幸いなことにその被害経験がありませんでした……今までは。

でも、本当に腹立たしく悔しいことに、人生で初めて痴漢にあったかもしれないのです。

 

2017年に発生した痴漢件数

電車での痴漢行為は、ほぼ迷惑防止条例違反にあたります。警視庁の調査によると、平成29年(2017年)中、東京都内での痴漢(迷惑防止条例違反)は約1,750件発生したとあります。

発生の時間帯は、7時~9時の通勤通学時間帯に約30%が集中し、次いで18時~19時の帰宅時間帯。また、痴漢の発生は電車内が51.3%なのだそうです。

私が痴漢にあったであろう件は、帰宅時間帯の電車内でした。

 

金曜日の19時過ぎ、山手線

それはある金曜日、打ち合わせが終わった後のこと。同僚と別れ、19時ごろ目黒から新宿方面のJR山手線に乗車しました。

帰宅ラッシュの時間帯のため、ものすごい混雑ぶり。目黒を発車するときは混雑が激しいドアの付近に立っていました。

恵比寿駅で降りる人もいましたが、乗客はさらに増加。しかも「後続の電車が遅れているため運転間隔の調整で停車します」となり、よりいっそう車内はすし詰め状態に陥ったのです。

私は一番混雑しているドア付近から、少しは混み具合がマシな座席前に移動し、つり革につかまり立っていました。乗客がどんどん乗ってきたため、その位置でさえも大混雑。そして電車は渋谷にむかって発車しました。

 

「点」で密着する何か

左右の乗客とは体が密着、後ろの乗客とは恐らくカバンであろうものが密着。帰宅ラッシュの時間だから仕方ないと思って、その状態のまま電車に揺られていました。

けれど、右斜め後ろの太ももあたりに何か違う密着するものを感じたのです。体やカバンと密着する感じとは違う何か。体やカバンは「面」で密着しているのだが、右斜め後ろからは「点」で密着している感じ。

何かおかしい……。

そう思って動かしにくいながらも体をひねって、右斜め後ろを見ました。その瞬間、そこにいた男がデニムのファスナーをサッと上げるのを目撃したのです。

つまり、さっきまでファスナーを下ろしてたってこと? 痴漢、だよね⁉

とっさに私がやったこと

とっさにその男性を斜めからジッと見ながら、ハッキリした声で言いました。

アサミ「アンタ、いまなにやってたの?」

男「何もやってないですよ」

私の顔を見ずにぬけぬけとそう言った男。さっきファスナー上げているのを見たのに!

アサミ「ファスナー上げてたよね?」

男「上げてません」

アサミ「見ましたよ」

男「何もしてませんよ」

そう言われると何かしていた証拠を探すしかありません。混雑で見にくいながらも、そのときはいていたロングスカートが汚れていないかチェックしたが、特に何も変化はなし。

周囲の人は誰もノーリアクション。私とその男の会話は聞こえているだろうけれど、誰もノーリアクション。男の後ろに立っていた白いイヤホンをした男性と一瞬、目が合ったけれど、サッと目を逸らされました。

 

痴漢疑惑の男の風貌

痴漢にあったという証拠は何もない。あるのはただ、私の不快な感覚とファスナーを上げる一瞬を見たということだけ。

男の腕をつかんで渋谷駅で降りようか? 恵比寿から渋谷に向かう電車内でその男を斜め前からジッと観察しながら、どうしようか考えました。

身長163cmで7㎝のハイヒールを履いていた私よりはちょっと背が高い。173cmくらいか。黒のパーカーにデニム、黒ブチのメガネ。髪はほんの少し白髪がある短髪の黒髪。年齢は30代後半から40代前半という感じ。

帰宅途中の会社員という感じではないけれど、ものすごく怪しい感じでもない。太っても痩せてもいない、中肉中背。カジュアルな服に身をつつんだ、フツーっぽい男。

 

渋谷駅に到着して

こういう男が痴漢みたいなことするんだ。そんなに体が大きいわけでもないし、とりあえず今は静かにしておいて駅に着いたところで捕まえよう、と考えました。

渋谷駅に到着。

即座に男の腕を掴んだけれど、私よりドアに近い場所にいたその男は、逃げるように振り払ってホームへ降りていきました。私も急いで追いかけたけれど、ホームに降りたときにはもう、その男の姿を見失ってしまいました。

結局、逃げられたわけです。

ただ、ホームで捕まえたとしても何の物的証拠はなかったし、第3者による目撃談もなかったわけで。

痴漢行為に対して声をあげたとしても、捕まえることも、証明が難しいことも実感しました。

本当の痴漢件数はどれだけあるのか

先にあげた警視庁の調査による痴漢(迷惑防止条例違反)は約1,750件というのは、あくまでも検挙された件数にすぎません。

痴漢被害にあっても、結局泣き寝入りする件数が、一体その何倍あるのでしょうか。

私のように声を出し、睨みつけ、突き出そうとしても、逃げられてしまったら警視庁の痴漢件数にカウントされません。

さらに言えば、静かな抵抗しかできない女性、怖くてガマンするしかなかった女性はたくさんいるわけで、もちろんそれも痴漢件数にカウントされません。

 

なぜ痴漢はなくならない?

46年間、痴漢にあわない人生を歩んできました。高校生までは満員電車に縁のない生活を送りっていたし、大学生・社会人になって満員電車に乗ったことはたくさんあるけれど、たまたま被害に合いませんでした。

だけど今回、痴漢にあったかもしれない経験をし、改めて感じました。

なぜ、日本において痴漢はなくならないのでしょう。

 

刑罰の問題? 性の問題? それとも

それほど「刑が重くない」からでしょうか。

痴漢事件の法定による刑は、

迷惑防止条例違反の場合で常習でなければ「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」

常習であれば「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」

つまり、罰金刑になる可能性が高く、刑務所に行かなくてすむケースが多いのだそうです。

 

 

また、痴漢行為は病気──「性依存症」という見解も目にします。

ストレスだったり、快楽だったりが原因とも言われていますが、それならばなぜ痴漢被害者の多くが女性なのでしょうか。

 

日本社会では現代でも残る「女性蔑視」が痴漢の背景にある、という見方もあります。

だとしたら、私は山手線の電車内で見知らぬ男に蔑視されたということなのでしょうか。

 

痴漢冤罪の報道はあるけれど

なかには「痴漢くらいのことで」と思う人もいるかもしれません。そして、今回の私の件は痴漢かどうか定かではありません。

ですが、得も言われぬ不快感と悔しい気持ちは消えません。もっとひどい被害にあったかたなら、さらに深い心の傷を負っています。

 

痴漢に関する報道で、「痴漢冤罪」がクローズアップされる昨今。痴漢の冤罪にあったときや痴漢の冤罪を避ける対策といった特集を目にすることはあります。それも必要なことではあります。

でも、痴漢冤罪よりもはるかに数多く起こっている「痴漢被害」をどうしたらよいかについては、さほどクローズアップされていないのではないでしょうか。それは、痴漢があまりに多く日常化しているため、報道するほどめずらしいことではないから?

痴漢をなくすにはどうしたらいいか。

女性専用車両を設置するといったことで解決されない現実があります。刑を重くして罰することなのか、病気として社会的に認識させ治療を強化することなのか、教育や報道によって変えられるのか……。

改めて考えさせられる出来事でした。

 

≪OTONA SALONE編集長・婚活コラムニスト 浅見悦子さんの他の記事をチェック!≫

 

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