40代共働き家庭の家計に潜む落とし穴って?
OTONA SALONE / 2018年12月7日 11時30分
みなさん、こんにちは! ファイナンシャルプランナーの高山一惠です。最近は、社会で活躍する女性も増え、晩婚化が進んでいます。私のところにいらっしゃるお客様の中にも、40代以上で結婚したという方は少なくありません。40代で結婚し、夫婦で正社員として働いている、共働き家庭の家計を拝見すると、経済的に余裕があるからこその家計の落とし穴があります。今回は、40代共働き家庭の家計に潜む落とし穴についてお話します。
経済的なゆとりが油断を生む
男女ともに、それなりにキャリアを積んできた人であれば、40代ともなれば、役職にもついており、年収も高めの傾向にあります。ですから、夫婦ともに正社員で働いている40代の共働きカップルは、経済的にゆとりがある傾向にあり、世帯年収が1,000万円を超えるケースも少なくありません。
実際、家計を拝見しても、都心部の駅近のマンションに暮らし、車を所有。仕事が忙しいこともあり、食事はほとんど外食。休日も高級レストランで食事をしたり、ショッピングを楽しんだりという生活。加えて、年に数回、国内、海外を問わず旅行に行き、宿泊はもちろん高級ホテル…、といった具合に、経済的ゆとりを感じさせる使いっぷりです。
また、40代の共働き家庭の傾向として、食料品や日用品などの日常の出費も高くなりがちに。経済的にゆとりがあるので、イオンや西友より成城石井や紀ノ國屋、ドトールよりもスターバックス、ユニクロよりもユナイテッドアローズ等々、ワンランク上のお店で買い物をしてしまうわけです。
︎収入の割に貯蓄ができていない!?
ですから、40代共働き家庭の場合、経済的に余裕があることが仇となり、収入の割に意外に貯蓄ができていないというお悩みが多いのが実情です。
40代共働き家庭では、収入が高い分、夫、妻ともに自由になるお金が多いのでお互いの支出についてチェックが甘くなりがちです。また、相手が貯蓄してくれているだろうと思っていたらお互い好きなように使っていて結局全然貯蓄できていなかった!というケースもよくある話です。
共働き夫婦の家計管理の方法を見てみると、40代に限らず、家計管理の方法として一番多いのが、夫婦それぞれの財布で家計を管理する「それぞれの財布型」です。
この方法は夫婦共通のお財布はつくらずに、住宅ローンと食費は夫、通信費と水道光熱費は妻といった具合に予め分担する項目を決め各自が負担する方法です。貯蓄も各自で行います。この方法はお互いに自由になるお金が多く、お小遣いという面からは不満がたまりにくいですが、一方で相手の支出について無関心になりがちになり、一緒に家計を管理するという意識が希薄になります。
そのため、実は収入が多い割に無駄な出費が多く、貯蓄も思うようにできていないというのは、「それぞれの財布型」に見られる傾向です。
お金の流れが一番分かりやすいのが、夫婦の収入を全額共通のお財布に入れ、そこから固定費や生活費を支払う「共通財布型」の方法です。貯蓄やお小遣いもすべて共通財布から割り振ります。毎月のお金の流れも貯蓄も「見える化」されているので無駄なくお金がたまりやすい傾向にあります。また、家計が一元化されているので家計管理も簡単です。共働き家庭でなかなかお金が貯まらないという場合には、「共通財布型」を検討してみてもよいでしょう。
介護離職が高まる40代
今まで見てきたように、40代の共働き家庭は、経済的に余裕がある分、特段意識することなくお金を使っている傾向にありますが、気をつけたいのは、定年までの期間が短いということです。油断してお金を使っていると、定年近くになってほとんど貯蓄がないということにもなりかねません。
また、40代の場合、親の年齢も上がるため、親の介護が発生する確率も高い傾向にあります。その結果、共働きだった場合には、夫婦のうちどちらかが仕事を辞めざるを得ないことも。
2018年7月に総務省が公表した「平成29年就業構造基本調査結果」によると、過去1年間に「介護・看護のため」に前職を離職した人は約9.9万にもおり、要介護者と同居の介護者は、40代から増え始めるとのこと。このデータを見ても、親の介護は決して他人事とはいえませんね。
介護により夫婦どちらかが仕事を辞めてしまうと、収入が減る中で、介護費用が重くのしかかってくるので、それまでの生活と一変してしまいます。
ですから、今、経済的に余裕があるとしても油断せず、長期的な将来のビジョンを描き、マネープランを考えることが必要です。
2018年も残すところわずかです。1年の振り返りも兼ねて一度、現在の家計状況や将来に向けて貯めておくべきお金などについて考えてみましょう。
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