【追悼企画】竹林隆光さん、クラブ作りの原点2

ParOn.(パーオン) / 2013年12月30日 9時0分

的確、辛口、そして愛情のある解説がアマチュアゴルファーのクラブ選びに役立った

 株式会社フォーティーン創業者の竹林隆光(たけばやし・たかみつ)さんが12月27日、心不全のため亡くなった(享年64歳)。

 クラブデザイナーとして一世を風靡(ふうび)し、数々のヒット商品を送り出した竹林さん。そのクラブ作りの原点はどこにあったのだろうか。週刊パーゴルフ2006年1月10・17日号では、レーシングカーデザイナーの由良拓也さんと対談を行った。当時の記事から、竹林流クラブデザインをひもといてみたい。
―――クラブへの感覚が鋭い選手は。

竹林さん 私が知っている中で、一番感覚が鋭いのは尾崎将司選手です。流行に左右されることなくクラブを自分で選び、的確に注文を出すことができる。出来上がったサンプルへの評価に関しても、何度試打しても変わることがありませんでした。

 ただ、私たちのクラブデザインはツアープロのためだけのものではなく、一般ゴルファーのためにもやります。そんなときは一般ゴルファーの最大公約数で作りがちになるのですが、私は「この人」という特定の一人を抽出して、その人のために作る。ゴルフの腕前でいえば100を切れるか切れないかというレベルでも、感覚的に鋭い人っているんですよ。「そんなに分かっているのに、どうしてそんなに下手なの?」っていう人が(笑)。

―――ところで、最近のドライバーはデカヘッドが多くなっていますが。

竹林さん ヘッドを大きくすることで慣性モーメントを大きくできるのです。ミスヒットしたときに曲がりにくいし、飛距離のロスも少なくなる。例えば、女子プロのヘッドスピードでパーシモンを打ってミスをしたら、ボールが約30ヤード曲がったとします。今のクラブなら、同じミスでも約9ヤードしか曲がりません。ミスを最小限に食い止めるために、ヘッドが大きくなったのです。ただ、そのためにほかのクラブとのマッチングが悪くなって、スランプに陥る選手が続出しているのですが。

 また、ドライバーは飛ぶようになったのですが、一方でロングアイアンが打てなくなってきたということがあります。ボールが低スピンになったためです。アイアンの設計について、われわれはどうしたらロングアイアンが打ちやすくなるかということを、20年以上にわたって取り組んできたのですが……。

由良さん ロングアイアンといえば、非常に気に入って使っていたのが横浜ゴムの「タラコ」と呼ばれた〈インテスト〉でした。

竹林さん あれは私がデザインしたクラブです。

由良さん そうだったんですか! かっこよかったですね。横浜ゴムはクラブでは後発だと思うのですが、おしゃれな広告と商品展開を統一されたコンセプトで行い、デザインブランドというイメージを作り上げました。

竹林さん 優秀なコーディネーターがいたことが大きかったですね。われわれは機能については要求されたことを満たす設計をしましょうと。色などについては、専門のデザイナーがいました。広告は広告でエキスパートを集めていました。一人では到底できることではありませんし、かといって分担する形でも、それらをまとめ上げる能力のある人がいないと無理です。本当に見事でした。(続く)

※週刊パーゴルフ2006年1月10・17日号より抜粋・加筆

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