金亨成 後半パーオン1回でも優勝できた理由

ParOn.(パーオン) / 2014年5月4日 18時40分

信じられないようなパットが多かったという金亨成 中日クラウンズ(2014)(最終日) 写真・鈴木祥

中日クラウンズ(5月1~4日、愛知県・名古屋GC和合C、6545ヤード、パー70)

 2日目首位タイ、3日目に単独トップで抜け出した昨年賞金ランキング2位の金亨成が、リードを広げて通算11アンダーで今季初優勝を飾った。昨年の日本プロゴルフ選手権に続いてツアー通算3勝目。

「今日は優勝のことを考えずに、自分のプレーをしようと思っていました。韓国では船の事故や地下鉄の事故などで国民が重い気持ちです。中日クラウンズで優勝して(みんなに)元気になってもらいたかった」

 いたましい事故が続く韓国にとって、自分の勝利が少しでも勇気づけになればと戦った。安否不明者の無事を願うために「黄色いリボン」を掲げる運動が韓国で広がっており、黄色いリボンを入手できなかった金は、鮮やかな黄色のシャツで最終日をプレーした。

 そんな気持ちを後押しするかのように、この日の金には和合の神が降臨した。ファイナルラウンド全選手中最少の22パット。後半はなんとパーオンが1度ながら、ハーフのパット数「8」で後続を寄せ付けなかった。

「本当に信じられないパットが多かったです。何かがあったとしか思えません。説明ができません。15番のパットは、今打ってももう入らないと思います」

 2番から3ホール連続でグリーンを外しながらしのいでパーセーブ。7番(パー3)では、オナーの石川遼が左奥のバンカーに入れたのを見て、右からのフォローの風を意識しゆったりスイング。20センチにつける圧巻のショットで初バーディを奪った。その後も手堅いプレーを続けたが、12番(パー4)では、右のピン位置に対しセカンドをグリーン右に外すトラブル。排水溝にかかるためドロップしたボールは沈んだが、これをチップイン。

 14番でこの日初めてボギーをたたいた直後の15番(パー5)。ティショットが木の裏に止まるトラブルで、かろうじて4打目をカラーに運ぶにとどまったが、10メートルをパターで沈めると、極めつけは18番(パー4)。カラーから12メートルを沈めて、勝利に花を飾った。

 パターが入った理由として、「見えない力が働いた」と語る金だが、実はそれだけではない。

「先週のつるやオープンの初日の後にパターを替えました。そうしたらアドレスが気持ちよくできるようになって、それからパットはずっといいのです」

 つるやの初日は31パットだったが、その後の7ラウンドは、今日の22を含めてすべて20台。技術面でも金の優勝を後押しする要素が隠れていた。

「今年はソニーオープン、キャデラック選手権、ユーラシアカップと海外の試合に出てきました。一緒にプレーしてみると、今までスゴイと思っていた選手にも負けないと思える自信がつきました。今後もワールドランキングを上げて、メジャーやWGCに出たいです。国内の目標は賞金ランキング1位です」

 米国では前週、仲のいい後輩、ノ・スンヨルが初優勝を遂げた。「先輩も勝てますよ」とメールでゲキを飛ばされた金。今年は世界を股にかけて遅咲きの実力を発揮する。

文・高桑均

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