【コラム】R・マキロイの強さは自然体のなせるワザ

ParOn.(パーオン) / 2014年8月12日 19時15分

マキロイは自分にプレッシャーをかけない自然体だから、強い! 写真・Getty Images

 今季男子メジャー最終戦は、米ケンタッキー州のバルハラGCで開催された全米プロ選手権。普段は4大メジャーの中でも少し影の薄い存在だが「今年のメジャーで最高の大会だった」と世界中から称賛。最終日の熱戦は、実におもしろかった。

 25歳の若き王者、ロリー・マキロイ(英国)のメジャー2連勝を阻止しようと戦いを挑んだのは、今季はメジャーで5位、2位、2位と好成績を残す同じ25歳のリッキー・ファウラー(米国)に26歳のジェイソン・デイ(オーストラリア)といった若手。そして44歳のフィル・ミケルソン(米国)に38歳のヘンリク・ステンソン(スウェーデン)ら熟練のトッププレーヤーが入れ替わり立ち替わり首位に立つという、シュートアウトの体をなす展開となった。最後、マキロイが夕闇の中で制した戦いは、時代が移り変わっていくことを誰もが感じたに違いない。

 ゴルフ界は“タイガー・ウッズ”がいなくても生き残れるのか?

 この答えは明白だった。

 大会前は「ウッズが出場するのか、否か?」に大注目が集まって始まった1週間だった。だが、腰痛という爆弾を抱えたウッズが、王者に復活するという奇跡は起きなかった。痛みに耐えながら2日間のプレーを終えたが、結果は予選落ち。ウッズが静かにコースを立ち去ると、以後ウッズの名前を耳にすることはなかった。

 それでも最終日の全米テレビ視聴率は、前年度の36パーセント増の6ポイント。これは全米プロの過去5年間で最高の数字だという。

 ウッズがいなくても、素晴らしい戦いがあればゴルフ界は大丈夫。それがこの数字の示す答えだ。
マキロイ時代の到来が現実になった今、果たしてマキロイは次代のウッズになるのだろうか?

 25歳でメジャー4勝は史上4人目の若さ。100年以上前のトム・モリス以降、現代ではジャック・ニクラウス、タイガー・ウッズに次ぐもの。マキロイはこれからウッズの軌跡をたどり、追い付き追い越すことができるのだろうか?

 その答えは時間がたたないと分からない。

 だが、マキロイとウッズはちょっと違う。

 ウッズは子供の頃から「ジャックのメジャー18勝の記録を塗り替えること」を目標に戦って来た。3月にヒザの手術を受けたばかりなのに、7月に全英オープン、そしてこの全米プロに半ば無理やり出場したのは「勝てるチャンスがある」と思ったからだ。
一方のマキロイは、そんなウッズやミケルソンを見て育ってきた世代。

「記録を塗り替えるとか、そんな夢を掲げたことは一度もない」

 というマキロイ。

「メジャー4勝目を挙げたい。それだけが今週の目標だった。そして次のメジャーも勝ちたい。そうして、1つずつ積み重ねて行った結果が、記録になれば素晴らしいと思う。でも、そのために自分にプレッシャーはかけない」

と自然体で挑む。そこがマキロイの強さの理由なのかもしれない

文・武川玲子

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