イ ボミ 流れを変えた絶妙アプローチで勝利呼び込む

ParOn.(パーオン) / 2014年8月17日 17時52分

この優勝で生涯獲得賞金3億円を突破したイボミ NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(2014)(最終日) 写真・村上航

NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(8月15~17日、長野県・軽井沢72G北C、6555ヤード、パー72)

 イ ボミが大山志保、菊地絵理香とのプレーオフを制して今季3勝目を挙げた。これで賞金ランキングもアン ソンジュを抜いてトップに立った。

 首位スタートのイ。下馬評では圧倒的有利ともいわれながら、出だしの1番でボギーを喫し、その後は苦しい展開が続いた。4ホール終了時点で前の組と1ホール以上の間隔が空き、競技委員から急ぐようにいわれて集中力を保つのに必死だった。決してイのプレーが遅いわけではなかっただけに、余計に動揺した。

「最初の3ホールはゆっくりで、そこから急に走り出したので難しかったです。イエローカードをもらうのではと心配で集中できませんでした」

 ショットに苦しみ、寄ってもパットが入らない。我慢強くパーを重ね、転機が訪れたのは9番のパー5。ティショットを放ってすぐに猛ダッシュ。セカンド地点に着くやいなや素振りもまともにせず、慌ててショットを放った。そこからまたしても急ぎ足でサード地点に向かうと、セミラフからのショットはグリーンをショート。段を越える難しいアプローチが残った。

「あのアプローチは難しくて、あそこでパーが取れてよかったです」

 みごと1メートルに寄せてパーをセーブするとひと息ついた。前の組との間隔も狭まり、進行もプレーの流れもよくなり、折り返した10番でバーディ。13番、15番でもバーディを奪い、ついに首位を走る大山、菊地をとらえた。16番、17番もバーディチャンスを迎えたがこれを決めきれず、18番では安全にグリーンセンターを狙った。思いのほかピンに向かったショットがバーディチャンスについたが、ここもパーで終えてプレーオフに突入すると、一ホール目で3メートルのバーディを決め、パーパットを残した二人の結果を待たずに優勝を手にした。まさに強い心と安定感の勝利だった。

 そんなイの大きな力になっているのがキャディの清水重憲さんの存在だ。

「いつもリラックスさせてくれてプレーできていますし集中できています。ラインも一緒に読みますし、クラブの選択も上手です。私はいろいろ考えてしまうけど、ちゃんと決めてくれるのでいいですね」

 ピンチでも終始にこやかにプレーするイを支える清水さん。マネジメントに関してもうまくイをコントロールしている。

「前半大きく崩れなければ後半はいけると話していました。最後の18番は攻めずにグリーンの真ん中を狙っていこうと。逆にプレーオフの18番は攻めていこうと決めました。それにしてもバーディ合戦は難しいですね」(清水キャディ)

 イを知り尽くした清水さんと、清水さんを信頼しきっているイのプレーが見事にはまった形だ。

 ここまで、一つ年上の韓国の先輩、アンとともに賞金ランキングを引っ張るイ。これで生涯獲得賞金も史上3番目となる86試合目の早さで3億円をクリア。今季の賞金は9500万円あまりで、ますます勢いに乗ってきた。

「ボミちゃん、ボミちゃんといってくれて、私のことを知ってくれている人が多くなってきたなと思います。私は韓国人ですが、たくさんの日本の方が心で応援してくれることが本当にうれしいです。ありがとうございます」

 キュートな笑顔と強いゴルフが、しばらく日本のツアーを席巻しそうだ。

文・高桑均

参考:生涯獲得賞金3億円突破ランキング
1位 アン ソンジュ 55試合
2位 宮里藍 57試合
3位 イ ボミ 86試合
4位 上田桃子 88試合
5位 横峯さくら 98試合

ParOn.(パーオン)

トピックスRSS

ランキング