岩田寛、ツアー初優勝を決めた18番のセカンドショット

ParOn.(パーオン) / 2014年9月7日 20時30分

コースマネジメントとトレーニングの効果でツアー初優勝を果たした岩田寛 フジサンケイクラシック(2014)(最終日) 写真・村上航

フジサンケイクラシック(9月4~7日、山梨県・富士桜CC、7437ヤード、パー71)

 最終18番パー4を迎えたとき、岩田寛は2打目をピンそばにつけることしか頭になかった。インヘ・ホ、ブレンダン・ジョーンズとの激しい優勝争いを演じていたが、終止符を打つには、どうしてもバーディが必要だったのだ。

 渾身の力を込めて放ったティショットはフェアウエーをキープ。ピンまで残り190ヤードだったが、右のエッジから4ヤードのところに立っていたため、ピンそばにつけるには、縦と横の距離感を要求される状況だ。ここで岩田はあえて狭いピンの右サイドを狙う。ドローボールでグリーンの右から回し、見事ピン右1.5メートルにつける。それを沈め、頭一つ抜け出すことに成功。後続のホが18番でバーディを奪えなかったため、岩田にとって念願のツアー初優勝が決定した。

「18番では6年前のことが頭をよぎったし、パッティングのときは緊張しましたよ」

 岩田のいう6年前のこととは、今大会の最終18番ホールで1メートルのパットを外したことだ。その結果、藤島豊和にプレーオフに持ち込まれ、敗れている。いわば、6年越しのリベンジを果たしたわけだが、岩田にその気持ちはあまりない。

「むしろ、あのときや同じ年のつるやオープン(2打差リードで迎えた17、18番ホールで連続ダブルボギーをたたいて優勝を逃す)で負けてよかったと思います。勝ってたら調子に乗って、その後、シード落ちしていたかもしれないので……」

 ある意味、そのように自分を客観的に見られるようになったことが、成長の証かもしれない。今季、岩田はいくつか例年と違うことに取り組んできた。一つが、コースマネジメントをきちんと行い、1打1打に集中することだ。無理な攻め方をしなくなったことで、安定して上位に食い込めるようになった。

 そして、シーズン中もトレーニングを続けること。その結果、いつもなら切れてくるスタミナが今年は切れずにいる。アップダウンのある距離の長い富士桜CCを4日間回り、最後の最後でスーパーショットを放てるスタミナが残っていたのも、その効果だ。しかも、今大会では、岩田はドライビングディスタンスで第2位につけているが、それもトレーニングの結果、ダウンスイングで開き気味だった上体を残したままインパクトを迎えられるようになったことが大きい。

「この優勝で自分が変わることもないでしょうし、変わりたくもありません。昨日までと同じように、今までやってきたことをそのまま続けるだけです」

 裏を返せば、今回の優勝で自分がしてきたことに間違いがなかったと確認できたともいえる。将来的にはレベルの高い米ツアーで戦うために、今季は2部ツアーであるウェブドットコムツアーのQTをファイナルから受験する予定だ。昨年を含めて過去2回米ツアーのQTには失敗しているが、1打1打に集中する今の岩田なら、あっさりと通過するだろう。

文・山西英希

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