三者三様の戦いぶりで、非常に素晴らしい試合となりました!

ParOn.(パーオン) / 2014年10月19日 21時0分

三つ巴のプレーオフを制し、貫禄を見せつけたアン ソンジュ 富士通レディース(2014)(最終日) 写真・鈴木祥

 富士通レディース2014最終日、非常に素晴らしい試合となりました。

 アン ソンジュが賞金ランキングトップの貫禄を見せつけ、2週連続優勝を飾りました。

 結果としては、またしても優勝のチャンスを逃してしまった形の菊地絵理香でしたが、その頑張りがこの試合をとても面白いものにしたといってもいいでしょう。

 昨日、私は“14番ティグラウンドで2~3ストローク差なら優勝のチャンスは十分にある”とお伝えしていました。その言葉どおり、13番パー3を終えて2位からスタートした菊地絵理香が、2ストロークリードしていたのですが、14番パー4からの横峯さくらの3連続バーディ、アン ソンジュと菊地絵理香も、16番パー5でバーディを取るなど、さらにいろいろなバーディが飛び出しました。

 16番パー5は、今日はティグラウンドを2日目より20ヤード前に出し、2オンを狙える状況を作りました。ここでトップの菊地絵理香は、ティショットをしっかり2オンを狙える位置に置いてバーディを取り、アン ソンジュと横峯さくらもバーディを取りましたが、2オンを逃しています。しかし、まだ菊地絵理香には落ち着きがありました。
 そして、17番パー3では、手前から32ヤード、右から5ヤードと、グリーンの右奥ギリギリのところでのピンポジションだったのですが、アン ソンジュはナイスパーセーブ、菊地絵理香、横峯さくらはボギー。菊地絵理香はこの時点では、初優勝に向けてのプレッシャーを感じていたでしょう。非常にシビれるパーパットをはずしてしまいました。これにより、18番ティグラウンドに立った時点で、首位の菊地絵理香と2位タイのアン ソンジュ、横峯さくらの差はたった1打という、見ている者の胸を躍らせる展開となったのです。

 最終18番パー4、菊地絵理香はティショットを右のバンカーに入れてしまいます。初優勝を狙う菊地絵理香にとって、百戦錬磨のアン ソンジュ、横峯さくらと同組で優勝争い、18番ホールで1打リードという状況は、相当なプレッシャーだったと思います。しかし、これこそがプロのトーナメントというもの。今日の18番のピン位置は、グリーン手前のバンカーがイヤでも目に入る左サイドギリギリです。ただでさえ、パーを取るためにはティショットをフェアウエーに置くことは絶対条件ともいえるのに、優勝争いのプレッシャーの中、ティショットをバンカーに入れてしまい、何とかボギーでプレーオフに残ったという感じでした。

 最終18番ホールを使用してのプレーオフ。フェアウエーをキープした横峯さくらと、ファーストカットに止まったアン ソンジュ。左サイドのセカンドカットまで曲げてしまった菊地絵理香。この18番では、ティショットの結果が、スコアに直結します。したがって、本来であれば有利だった横峯さくらにとっては、セカンドショットのミスが悔やまれるところです。

 また、菊地絵理香は、グリーンに惜しくも届かずバンカーへ。これがセカンドカットまでティショットを曲げてしまったことの結果になったのでしょう。
 さて、優勝したアン ソンジュですが、今日はあまり体調がよくなかったと話していましたが、本来のゴルフではなかったように見えました。特に、パッティングでスタンスを右にセットしてフックを打つという形で合わせていたのが印象的です。それでも不調の中で、プレーオフの18番ホールをバーディで決めるというのは、一流の選手である証し。さすが賞金ランキングトップ、実力が頭一つ抜けている、と感じさせられました。アン ソンジュがスタート前に口にしていたのは“自分のゴルフがしたい。自分のゴルフができれば、優勝できてもできなくても悔いはない”という言葉。今の自分のゴルフに自信があるからこそ言えるのです。

 また、結婚後初優勝と、不動裕理に続きLPGA史上2人目となる10億円突破に期待がかかった横峯さくら。13番ホールまでずっとパーでしたが、14番から3連続バーディ。チャンスが来るのをじっくり待つという、試合の流れを読むことができる選手の戦いぶりでした。残念ながら敗れてしまったものの、さすがのひとことです。
 3日間とも天候に恵まれ、コースコンディションもすばらしかったことから、富士通レディースらしい、ピンポジションとセッティングができたと思います。そして、そのセッティングに果敢に立ち向かった選手たちが生み出した、大変に面白い試合展開。今年の富士通レディースは、私にとっても大満足の大会となりました。

 最後になりましたが、会場に足をお運びいただき、熱い声援を送っていただいた皆さま、そしてテレビの前で手に汗握る試合展開を観戦いただいた皆さま、本当にありがとうございました。来年の富士通レディースも、今年に負けない好ゲームが見られる予感がします。ぜひご期待ください!

ゼネラルプロデューサー
戸張捷(とばり・しょう)
1945年10月19日、東京都生まれ。高校1年のときにゴルフを始め、高校3年時に日本ジュニア3位、大学4年時に日本アマで9位に。慶応義塾大学商学部卒業後、住友ゴム工業に入社。1973年にトーナメント運営会社・ダンロップスポーツエンタープライズが設立される際に同社へ出向し、以後、ディレクター、プロデューサーとしてトーナメントの現場運営やテレビ中継のアレンジなどに尽力した。現在はランダムアソシエイツ代表取締役としてトーナメントのみならず、ゴルフイベントのプロデュース、コース設計、海外メジャーなどテレビ中継のゴルフキャスター、選手のマネジメントなど多岐にわたり活躍中。

富士通レディース2014
・2014年大会日程
  • 10月17日(金曜日) 大会 第1日目 - 予選ラウンド -

  • 10月18日(土曜日) 大会 第2日目 - 予選ラウンド -

  • 10月19日(日曜日) 大会 最終日 - 決勝ラウンド -

・会場
  • 東急セブンハンドレッドクラブ 西コース

・テレビ放送
  • テレビ朝日系 全国24局ネット放送予定。

  • 10月18日(土曜日)16時30分~17時25分

  • 10月19日(日曜日)16時~17時25分

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