初タイトルの池田勇太が見せた男泣きのワケ

ParOn.(パーオン) / 2014年10月19日 19時51分

支えてくれる周りの人のためにも勝てたことがうれしかったという池田勇太 日本オープン(2014)(最終日) 写真・鈴木健夫

日本オープン(10月16~19日、千葉県・千葉CC梅郷G、7081ヤード、パー70)

 最後の10センチのパーパットを沈めると、池田勇太は晴れやかな笑顔を見せて、両手を高々と突き上げた。

 2位と3打差の首位でスタートした池田。序盤は、同組の片山晋呉とともに緊迫した展開が続いた。池田にとってチャンスらしいチャンスは9番だけで、バーディなしの1ボギー。片山も1バーディ、2ボギーの1オーバーで3打差は縮まることなくサンデーバックナインに入った。

「この3日間、いい感じで来ていた。いいパーも取れていたし、今日がたまたま耐える日になったということ。耐えたぶん、11番、12番で連続バーディがきましたね」

 池田が11番でバーディを奪い片山に4打差。12番はともにバーディ。13番では片山がバーディを奪い、スコアが動き出した。そのころ、前を回る小平智、プラヤド・マークセンらも優勝争いに加わった。

 14、15番はともに同スコアで、迎えた16番パー3でまたも戦況が動いた。先にティショットを放った片山がグリーンオンさせたのに対して、池田の5番アイアンでのティショットは、奥のバンカーの後方の縁近くに止まった。

「204ヤードを5番アイアンで打ちました。気合が入ると飛んでしまうんだろうね。ボギーで上がろうと思ったけど、ダブルボギーにしてしまった。ピンに向かっては打てない状況だったから、安全な方に出したけど、最後ラフに転がり込んだのが誤算だった。確かにミスだけど、まだ1打リードしていたし、まぁいいかと思って。次のホールも冷静に判断できたのがよかった」

 続く17番では、危なげなくパーを拾い、18番ではティショットをラフに打ち込んだ片山に対して、池田はフェアウエーからフェアウエーを渡り歩き、最終的に難なくパーで収め、先に通算9アンダーでホールアウトした小平と片山を1打差で振り切った。

「初優勝がメジャー(日本プロゴルフ選手権)だったから、特にメジャーといってもなんとなく意識はしていなかったんです。でも、せっかくこのタイミングで勝てたから、もう1試合か2試合勝ちたいね」

 会見では冷静に話した池田だが、ホールアウト直後の表彰式では、涙を見せている。理由は、自分が勝った喜びよりも、支えてくれている人のためにだ。

「3週間前に酒を飲んでいたら、キャディから『日本オープンに勝ちたい』とボソッといわれたんです。選手会長を2年していて、キャディをはじめ本当にいろいろ大変な思いをさせてしまったので……。優勝目指してやってみようかという気になったら、優勝できました(笑)。最後のパットを沈めた瞬間に、キャディに『ありがとう』と言えたことが本当にうれしかった」

 周囲の人間を大事にする池田らしい涙だった。

 これで日本タイトルは2冠目。秋に強いといわれる池田が、次週開催される、思い入れの強いブリヂストンオープン優勝と、昨年優勝を飾ったマイナビABCチャンピオンシップでも連覇を果たし、3週連続優勝を本気で狙ってくる。

文・高桑均

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