上田桃子、ロブショットが開いた新境地で今季2勝目!

ParOn.(パーオン) / 2014年11月2日 19時6分

最終ホールで勝利を呼び込むバーディパットを決め、右のこぶしを突き上げる上田桃子 樋口久子 森永レディス(2014)(最終日) 写真・村上航

樋口久子 森永レディス(10月31~11月2日、千葉県・森永高滝CC、6652ヤード、パー72)

 鮮やかな勝利といっていいだろう。首位と1打差の2位タイからスタートした上田桃子が、最終ホールで表純子を振りきり今季2勝目。ツアー通算11勝目を飾った。

 風邪っぴきで体調が思わしくない中、上田はある目標を掲げた。それは新境地を開くこと。「調子が悪い中でもスコアを作って優勝する」、それを見事に成し遂げる勝利だった。

「今週は体調が悪くて、でもそういうときでもスコアを作らないといけないし、来年もそういうときにどういうゴルフをするかを見据えてプレーしていました。ショットの調子も本当によくなかったですし、でもこれでスコアを作らないと自信にならないと思っていました」

 ガンガン攻める印象がある上田だが、それだけでは勝てない。いかに気持ちを抑えてプレーし、すべてを受け入れながらも勝ちに結びつけるか。課題を克服した上田には充実感が漂った。

「今日の調子でガンガン攻めていたらオーバーパーになっていたました(笑)」

 見事な作戦勝ちとなったが、これも米女子ツアーに6年間も身を投じた経験があってこそだ。その経験を象徴する場面が7番のパー4だった。セカンドショットを大きく左に曲げ、ガードバンカーのさらに左へ。ピンは左エッジから4ヤードで、上田が当然のように選んだのはロブショットだった。

「あれが今日1日の全てです。セカンドを左に曲げて30ヤード残ってしまいました。ライも悪くて、クラブを入れるスペースがあまりなかったんですが、ああいうショットは海外で覚えていたので、打てましたね。ショットが悪くても、スコアにつながるんだと、成長を感じることができました。あそこでパーを取って、次のバーディに繋がったと思います」

 1.5メートルに寄せたパーパットを沈めて、続く8番パー3でもピン下3メートルを沈めた。9番パー4では、11番ウッドのセカンドショットを2.5メートルにつけて、首位に立っていた表をジワジワと追った。12番パー5でもベタピンにつけてバーディで2打差。15番で表がボギーとして、1打差で迎えた16番パー4。ともにグリーンを外して寄せ勝負となったが、1.5メートルのパーパットを沈めた上田に対して、表が1メートルを外してついに並ぶと、最終ホールのバーディで勝負を決めた。

「とにかく目の前の1打1打を大切にやろうと。欲を出さずにやっていこうと。最後のホールのバーディパットを打つときに初めて、気持ちを入れました。プレーオフになったら難しいと思って。ここが勝負だと思って、絶対にショートだけはしたくないと思ったので、チャンスで決め切れたことが自信になりましたね」

 4メートルのバーディパットをど真ん中から沈めると、右のこぶしを高く突き上げた。

 今季2勝目で残すところ4試合。かつての賞金女王の風格を取り戻した上田が照準を当てるのは、最終戦のメジャー優勝だ。

「実は、この大会は苦手意識があったんです。右ドッグレッグが多いので……。ここをうまく乗り切れたら、残りの試合は相性のいい試合が多いので、今回の優勝はすごくプラスです。メジャーで勝ちたいので、最終戦まで頑張ります」

 28歳という年齢は、女子ツアーではすでに中堅。上田の年代が活躍することが、その上、その下の両世代に刺激を与える。飛躍する若手や復活するベテランに存在感を示す、実に美しい勝利だった。

文・高桑均

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